建設業許可を法人名義で取得していて、役員(取締役)の就任や辞任があった際には変更届を提出する必要があります。
また、この変更届を提出する期限も定められていますので注意しましょう。
例えば、代表取締役やいわゆる平取締役が交代したという場合には、変更事項が発生してから30日以内に提出することになります。
役員(取締役)の交代に伴い常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)や専任の技術者も代わる場合には、提出期限は更に短い2週間以内となります。
法務局への変更登記申請をしてから建設業許可の変更届を提出することになるので手続きを急がなくてはなりません。
建設業許可の役員(取締役)変更手続き
取締役の変更だけであれば、変更登記を済ませて役員変更が反映された履歴事項全部証明書を取得してしまいましょう。
登記申請中に新役員の登記されていないことの証明書と身分証明書の交付を受けておけば時間の短縮ができます。
建設業許可の役員(取締役)変更に必要な書類
建設業許可における役員(取締役)の辞任と就任があった際の必要書類は次のとおりです。
- 変更届出書
- 役員の一覧表
- 誓約書
- 許可申請者の調書
- 登記されてないことの証明書
- 身分証明書
- 履歴事項全部証明書
役員(取締役)変更に伴い常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)も交代する場合
建設業許可の要件として常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)を置くことが求められていますが、辞任する役員(取締役)がこの常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)である場合には、後任の管理責任者を選任しなくてはなりません。
常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)となるためには、最低でも5年間の実務経験を証明することとなります。
建設業許可を取得してから現在まで5年以上の期間を取締役として在任しているのであれば、それを証明できる履歴事項全部証明書(さらには閉鎖事項全部証明書が必要なケースもあります)を添付するだけで済みます。
もし建設業許可取得から5年未満の場合には、不足している期間分の確認資料を揃えなくてはなりません。
役員(取締役)だから誰でも常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)となれるわけではないので、管理責任者である役員が辞任する際には、後任人事についても気を配らなければなりません。後任の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)が不在となると建設業許可は失効してしまいます。
役員(取締役)変更に伴い常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)も交代する場合の必要書類
- 変更届出書
- 役員の一覧表
- 誓約書
- 許可申請者の調書
- 登記されてないことの証明書
- 身分証明書
- 履歴事項全部証明書
- 常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)証明書
- 経営業務管理責任者の略歴書
- 経験を証明する確認書類
- 常勤性の確認書類(住民票原本と健康保険証コピー)
役員(取締役)変更に伴い専任技術者も交代する場合
建設業許可の要件として必ず専任技術者を配置しますが、辞任する役員(取締役)が専任技術者である場合には、後任の技術者を選任しなくてはなりません。
常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)と違って、専任技術者は役員(取締役)である必要はないので従業員を専任技術者としても問題ありません。
注意しなければならないのが、後任者が専任技術者としての要件を満たしているかという点です。
後任者が施工管理技士や建築士といった業種に合った国家資格等を持っていればいいのですが、実務経験で証明するとなると10年分の証明資料を揃えることになります。
後任者が建設業許可取得後から現在まで在籍していて工事に携わっている場合には、専任技術者の実務経験証明を自社で証明することで足ります。
しかし、建設業許可取得後から10年未満で専任技術者を交代し、かつ実務経験で専任技術者となるためには、不足している期間分の証明資料を追加補填します。
元請けや施主からの発注書、もしくは請求書と入金が確認できる通帳が必要となります。
専任技術者を兼任していた役員が辞任する際には、後任の技術者を選任しておかなければ建設業許可は失効してしまいます。
建設業許可取得後のお手続きもお任せください
増村行政書士事務所では、東京都を中心に千葉県・埼玉県・神奈川県への建設業許可新規申請、更新申請、変更届を代行しております。
建設業許可の役員(取締役)変更以外にも、毎年の決算変更届(事業年度報告)、各変更届の作成と提出も対応しておりますので、「建設業許可の更新忘れ」や「決算変更届(事業年度報告)・その他変更届の未提出」といったリスクも減らすことが出来ます。
将来的には、建設業許可の業種を追加したり、一般建設業許可から特定建設業許可への般特新規申請、知事許可から大臣許可への許可換え新規申請や、更に公共工事への入札に必要となる経営事項審査申請をご検討されることもあるでしょう。
また、建設業のお仕事に付随して発生するお仕事の中には許認可が必要なケースもあります。(産業廃棄物収集運搬業許可、電気工事業者登録、建築士事務所登録、宅建業免許、古物商許可等)
増村行政書士事務所では、建設業許可取得後も、お客様のお仕事を「許認可」面で全力でサポートさせていただきます。