- 確実に内装仕上工事の建設業許可を取りたい
- 元請業者から建設業許可の内装仕上工事を取るように言われた
- 500万円を超える内装仕上工事を受注したい
建設業許可には29種類の業種がありますが、その中でも内装仕上工事を取得したいというご相談を多くいただきます。
500万円未満の工事(軽微な工事)であれば、建設業許可がなくても工事を請け負うことは可能です。
しかし、軽微な工事でも「元請業者や施主から建設業許可の内装仕上工事を持ってますか?」もしくは「建設業許可業者じゃないと内装仕上工事の仕事を発注しない」なんて言われてしまって困っている会社様があると思います。
建設業許可の内装仕上工事を取得するための方法を、審査が厳しい東京都への申請手順の沿って見ていきましょう。
建設業許可における内装仕上工事業とは
建設業許可における内装仕上工事業とは、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事です。
内装仕上工事業の例
実際に請負う建築工事のなかで、どんなものが内装仕上工事業にあたるのか例を挙げてみます。
以下の工事内容を参考にしてください。
- インテリア工事
- 天井仕上工事
- 壁張り工事
- 内装間仕切り工事
- 床仕上工事
- 木製建具取付け工事
- ふすま工事
- 防音工事
- 家具工事
- 畳工事
建設業許可の内装仕上工事業を取得するための要件
建設業許可の内装仕上工事業を取得するためには、大きく3つの要件をクリアすることが必要です。
これらの要件は、他の建設業許可の業種においても共通する項目ですのでしっかり確認してください。
内装仕上工事業の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)を配置する
建設業許可の内装仕上工事を経営面でしっかり管理できる人材(取締役や事業主等)を営業所毎に常勤させる必要があります。
この常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
- イ(1)役員として5年以上の建設業の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の経験を有する者
- イ(2)権限の委任を受け 準ずる地位として5年以上の建設業の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の経験を有する者
- イ(3)準ずる 地位として6年以上の建設業の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)を補助する業務経験を有する者
建設業の役員としての経験が5年を満たさない場合は、 直属の「補佐者」をおくことで常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の要件を満たせること。
- ロ(1) 建設業の 役員 等の経験が2年以上あり 、 それに加え 建設業の役員 等 又は建設業の財務管理、労務管理、業務管理 について 役員 等 に次ぐ職制上の地位 の経験を 3年以上有する者
- ロ(2) 建設業の 役員 等の 経験 が 2年 以上 あり 、 それに加え 役員 等の 経験を 3年以上 有する者
「補佐者」とは、 申請会社において、建設業の財務管理、労務管理、業務管理 の 業務経験 をそれぞれ5年以上有し、常勤役員等を直接補佐する者(同一人でも3名別々でも可)
内装仕上工事業の専任技術者を配置する
建設業許可の内装仕上工事を技術面でしっかり管理できる技術者を営業所毎に常勤させる必要があります。
この専任技術者は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
内装仕上工事業の専任技術者としての資格を持っている
次にあげる建設業法等で定められた資格を有していること
資格の名称 建設業法「技術検定」 | 一般 | 特定 |
一級建築施工管理技士 | ◯ | ◯ |
二級建築施工管理技士(仕上げ) | ◯ | |
資格の名称 建築士法「建築士試験」 | 一般 | 特定 |
一級建築士 | ◯ | ◯ |
二級建築士 | ◯ | |
資格の名称 職業能力開発促進法「技能検定」 | 一般 | 特定 |
畳製作・畳工 | ◯ | |
表具・表具工・表装・内装仕上げ施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工 | ◯ |
資格保有者を専任技術者とする場合、その資格証の原本を提示し写しを提出することで要件を満たしていることを証明します。
※職業能力開発促進法の「技能検定」において、等級区分が二級のものは、合格後に一定の実務経験が必要です。
指定学科を卒業し、内装仕上工事業に携わった実務経験がある
- 指定学科:建築学、都市工学
- 高校もしくは中等教育学校卒業の場合:卒業後5年以上の実務経験
- 大学・高等専門学校卒業の場合:卒業後3年以上の実務経験
卒業証明書等の原本を提示し、写しを提出します。さらに実務経験の年数分の証明書類を揃える必要があります。
内装仕上工事業に携わった実務経験が10年以上ある
内装仕上工事業の専任技術者の要件を満たせる資格を持っていなかった場合は、10年間の実務経験を証明することになります。
しかし、10年に渡って内装仕上工事を営み、現場でお仕事していたということを証明するのは、非常にハードルが高くなります。
10年分の証明資料を残していないことが多いからです。確定申告書や契約書、請求書と入金通帳の原本を全て揃えなければなりません。
建設工事請負契約を履行できるだけの財産的基礎または金銭的信用があること
財産的基礎または金銭的信用があることについては、建設業許可を受けようとする業種が一般建設業許可か特定建設業許可によって変わります。
一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力のあること
※500万円の資金調達能力は、会社に500万円以上の預金残高がある状態でその金融機関から「預金残高証明書」を発行してもらう。 - 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
特定建設業許可の場合
次の全てに該当すること
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率が75%以上あること
- 資本金が2000万円以上あること
- 自己資本が4000万円以上あること
建設業許可の内装仕上工事取得をしっかりサポート
建設業許可を取得するためには、多くの証明資料の手配と複雑な申請書作成を進めていかなくてはなりません。
特に人的要件である常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)・専任の技術者の要件を証明する作業はとても重要です。
他県に比べても厳しく審査している東京都では、提出する証明資料も多く求められます。
増村行政書士事務所では、建設業許可(内装仕上工事)の取得をご検討されている建設会社様からのご相談を積極的にお受けしています。
東京都知事建設業許可取得後のお手続きもお任せください
増村行政書士事務所では、株式会社・合同会社設立から建設業許可申請までワンストップでご依頼していただけます。
東京都知事建設業許可の取得後についても、毎年の決算変更届(事業年度報告)、各変更届の作成と提出も対応しておりますので、「建設業許可の更新忘れ」や「決算変更届(事業年度報告)・その他変更届の未提出」といったリスクも減らすことが出来ます。
将来的には、建設業許可の業種を追加したり、一般建設業許可から特定建設業許可への般特新規申請、知事許可から大臣許可への許可換え新規申請や、更に公共工事への入札に必要となる経営事項審査申請をご検討されることもあるでしょう。
また、建設業のお仕事に付随して発生するお仕事の中には許認可が必要なケースもあります。
(産業廃棄物収集運搬業許可、電気工事業者登録、建築士事務所登録、宅建業免許、古物商許可等)
増村行政書士事務所では、東京都知事建設業許可取得後も、お客様のお仕事を「許認可」面で全力でサポートさせていただきます。