建設業許可の取得後に、専任技術者である従業員が退職してしまった。。。
その場合、大事な建設業許可は維持できるのでしょうか?
建設業許可を維持するための要件のひとつに「人的要件」がありますが、これは常勤の役員等(旧常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者))と専任技術者の常勤性を保つこと意味しています。
常勤の役員等(旧常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者))は、会社の社長様ご自身や他の取締役が務めていることも多く、急に取締役を辞任して退職するということは考えにくいと思います。
一方で、専任技術者は従業員が担っているケースもあります。
専任技術者である従業員が何らかの都合で急に退職した際に、建設業許可を維持するためにはどうすれば良いでしょうか。
後任の専任技術者が不在の場合
前任の専任技術者であった従業員が急に退職してしまい、後任の専任技術者を配置できない場合は、建設業許可の要件である専任技術者の常勤性を欠くことになります。
したがって、建設業許可(当該業種について)は廃業となります。
例えば、建設会社の社長様ご自身が常勤の役員等(旧常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者))、従業員Aさんが二級建築士の資格を持って専任技術者となっていた場合を考えてみます。
許可業種は、建築一式工事、大工工事、屋根工事、タイル工事、内装仕上工事です。
この従業員Aさんが退職後、後任の専任技術者が不在の場合は、上記の5業種について全部廃業となります。
建設業許可を失うこととなり、新たな専任技術者を確保できた時点で建設業許可を再度申請することとなります。
後任の専任技術者を確保できる場合
専任技術者であった従業員Aさんが退職してしまっても、社長自身が専任技術者の要件を満たせるだけの資格を持っていたり、以前から雇用されている従業員Bさんが有資格者だった場合には、建設業許可を維持できる可能性があります。
専任技術者の保有資格が同じ場合
先程の例では、従業員Aさんは二級建築士の有資格者として専任技術者を務めていました。
そして、後任の従業員Bさんも二級建築士の資格を持っていた場合には、従来からの建築一式工事、大工工事、屋根工事、タイル工事、内装仕上工事について専任技術者を務めることができます。
専任技術者の保有資格が異なる場合
従業員Aさんの保有資格 二級建築士
従業員Bさんの保有資格 二級建築施工管理技士(仕上げ)
このように前任者と後任者の保有資格が異なる場合はどうなるでしょう。
二級建築士の資格で取得できる建設業許可の業種は、建築一式工事、大工工事、屋根工事、タイル工事、内装仕上工事です。
二級建築施工管理技士(仕上げ)では、大工、左官、石、屋根、タイル、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、絶縁、建具と12業種の専任技術者を務めることができます。
しかし、この両資格の対応業種をよく見てみると、二級建築施工管理技士(仕上げ)には建築一式工事が抜けています。
つまり、後任者である従業員Bさんの二級建築施工管理技士(仕上げ)では、建築一式工事の専任技術者となることが出来ません。
この場合は、建築一式工事のみを一部廃業することとなります。
専任技術者を交代するタイミング
前任の専任技術者である従業員Aさんと、後任の専任技術者となる予定の従業員Bさん。
この従業員Aさんが退職する日以前から従業員Bさんが在職しているのであれば、専任技術者の交代手続きはスムーズに完了します。
しかし、従業員Aさんが退職してから1ヶ月後に従業員Bさんが入社した場合はどうでしょう?
常勤で配置しなければならない専任技術者が1ヶ月間という長期に渡って不在となってしまうため、建設業許可の人的要件を欠いていることとなり、従業員Aさんが退職した日を境に建設業許可は全部廃業となってしまいます。
専任技術者不在の空白期間は1日でもあってはなりません。
従業員に専任技術者を務めさせている会社様が継続的に建設業許可を維持するためには、許可業種に対応した資格を保有している従業員を複数名確保しておくと安心です。
また、多くの従業員を確保することが難しいという場合には、社長様や他の取締役の方が資格を取得しておくことも検討してください。
専任技術者の変更(交代)手続きは行政書士へお任せください。
建設業許可の維持は、普段からのメンテナンスがとても重要です。
毎年提出することが義務づけられている決算変更届(決算報告)や専任技術者の交代等の様々な変更届の提出をすることで、建設業許可の維持に役立ちます。
もし、専任技術者の交代等でお困りの際には、増村行政書士事務所へお気軽にお問い合わせください。