目次
建設業許可における鉄筋工事業とは
建設業許可における鉄筋工事業とは、棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事です。
鉄筋コンクリート構造のビルのコンクリートの中には、外からは見えませんが、骨組みとなるかご状の鉄筋が埋め込まれています。
この鉄筋を建物の構造図にしたがって組み立てていくのが、鉄筋工事業です。
鉄筋コンクリート構造は、ビルをはじめとして橋梁・トンネル・高速道路・地下鉄に至るまで、ほとんどの建築物に用いられています。
鉄筋工事業の例
実際に請負う建築工事のなかで、どんなものが鉄筋工事業にあたるのか例を挙げてみます。以下の工事内容を参考にしてください。
- 鉄筋加工組立工事
- 鉄筋継手工事
建設業許可の鉄筋工事業を取得するための要件
建設業許可の鉄筋工事業を取得するためには、大きく3つの要件をクリアすることが必要です。
これらの要件は、他の建設業許可の業種においても共通する項目ですのでしっかり確認してください。
要件 1 鉄筋工事業の経営業務の管理責任者を配置する
建設業許可の鉄筋工事を経営面でしっかり管理できる人材を営業所毎に常勤させる必要があります。
この経営業務の管理責任者は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
- 鉄筋工事業を営んでいた会社の役員(取締役)として5年以上の在任経験がある
- 鉄筋工事業以外の工事業を営んでいた会社において役員(取締役)として6年以上の在任経験がある
- 鉄筋工事業を個人事業主として5年以上営んでいる
- 鉄筋工事業以外の工事業を個人事業主として7年以上営んでいる
これらの実務経験を証明する書類を揃えることになります。
要件 2 鉄筋工事業の専任技術者を配置する
建設業許可の鉄筋工事を技術面でしっかり管理できる技術者を営業所毎に常勤させる必要があります。
この専任技術者は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
その1 鉄筋工事業の専任技術者としての資格を持っている
次にあげる建設業法等で定められた資格を有していること
資格の名称 建設業法「技術検定」 | 一般 | 特定 |
一級建築施工管理技士 | ◯ | ◯ |
二級建築施工管理技士(躯体) | ◯ | |
資格の名称 職業能力開発促進法「技能検定」 | 一般 | 特定 |
鉄筋組立 | ◯ | |
鉄筋施工 (選択科目「鉄筋施工図作成作業」及び「鉄筋組立作業」の合格したもののみ) |
◯ |
資格保有者を専任技術者とする場合、その資格証の原本を提示し写しを提出することで要件を満たしていることを証明します。
※職業能力開発促進法の「技能検定」において、等級区分が二級のものは、合格後に一定の実務経験が必要です。
その2 指定学科を卒業し、鉄筋工事業に携わった実務経験がある
- 指定学科:土木工学、建築学、機械工学
- 高校もしくは中等教育学校卒業の場合:卒業後5年以上の実務経験
- 大学・高等専門学校卒業の場合:卒業後3年以上の実務経験
卒業証明書等の原本を提示し、写しを提出します。さらに実務経験の年数分の証明書類を揃える必要があります。
その3 鉄筋工事業に携わった実務経験が10年以上ある
鉄筋工事業を行った際の発注書や請求書等の書類と併せて入金確認ができる通帳の原本も必要です。
要件 3 建設工事請負契約を履行できるだけの財産的基礎または金銭的信用があること
財産的基礎または金銭的信用があることについては、建設業許可を受けようとする業種が一般建設業許可か特定建設業許可によって変わります。
一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力のあること
※500万円の資金調達能力は、会社に500万円以上の預金残高がある状態でその金融機関から「預金残高証明書」を発行してもらう。 - 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
特定建設業許可の場合
次の全てに該当すること
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率が75%以上あること
- 資本金が2000万円以上あること
- 自己資本が4000万円以上あること