千葉県柏市で塗装工事業を営む会社様から、建設業許可の新規取得についてご相談をいただきました。
こちらの会社は、すでに法人として塗装工事を行っており、社長様ご自身が一級塗装技能士の資格を取得されていました。
建設業許可を取得するにあたり、まず確認したのは、
・常勤役員等として必要な経営経験があるか
・営業所技術者等の要件を満たしているか
・財産的基礎を満たしているか
・営業所として使用している賃貸マンションが建設業許可上の要件を満たしているか
といった点です。
常勤役員等については、会社設立後の経営経験を確認し、社長様を配置する方針で整理しました。
営業所技術者等については、社長様が保有する一級塗装技能士の資格により、塗装工事業の技術者要件を満たすことができました。
また、直近の決算書では純資産額が500万円を超えていたため、一般建設業許可の財産的基礎についても問題ありませんでした。
営業所についても、本店所在地と一致する事業用マンションを賃借しており、事務机や複合機、打ち合わせスペースなどを備えた営業所として使用されていました。
こうして各要件を確認したうえで、千葉県知事許可として塗装工事業の一般建設業許可を新規申請し、無事に受理されました。
今回は、千葉県柏市の塗装会社が、一級塗装技能士の資格と会社設立後の経営経験をもとに、塗装工事業の建設業許可を取得した事例をご紹介します。
第1章 柏市の塗装会社から建設業許可の新規相談
今回ご相談いただいたのは、千葉県柏市に本社を置き、塗装工事を行っている株式会社様です。
すでに法人として塗装工事の受注・施工を行っており、今後の受注拡大に向けて塗装工事業の建設業許可を取得したいとのことでお問い合わせをいただきました。
建設業許可の新規申請では、単に塗装工事を行っているというだけでは足りず、会社として複数の要件を満たしている必要があります。
そこで、まず会社の現在の状況を確認し、
・常勤役員等の要件を満たしているか
・営業所技術者等を配置できるか
・財産的基礎を満たしているか
・営業所として使用している場所が建設業許可上の要件を満たしているか
・社会保険等の加入状況に問題がないか
といった点を順番に確認しました。
今回の会社では、社長様が唯一の取締役であり、会社設立後から継続して会社経営に携わっていました。
また、社長様自身が一級塗装技能士の資格を保有していたため、営業所技術者等についても社内で要件を満たせる見込みがありました。
さらに、直近の決算書では純資産額が500万円を超えており、営業所についても事業用として賃借しているマンションを使用していました。
そのため、申請前の確認段階では大きな欠格要因はなく、各要件について必要な証明資料をそろえながら、塗装工事業の一般建設業許可の新規申請を進めることになりました。
第2章 会社設立後5年以上の経営経験を確認
常勤役員等については、社長様のこれまでの経営経験を確認しました。
今回の会社では、社長様が唯一の取締役として会社設立時から継続して経営に携わっており、すでに5年以上の期間が経過していました。
そこで、会社設立後の期間について、建設業を営む会社の役員として経営に携わってきたことを証明する方針で整理しました。
千葉県の建設業許可申請では、経営経験を確認する資料として、会社の履歴事項全部証明書に加えて、実際に建設工事を請け負っていたことが確認できる資料を提出します。
今回の会社では、過去の工事について、
・工事の請求書
・請負代金の入金が確認できる通帳
などを確認し、会社として継続して建設工事を行っていた実績を整理しました。
千葉県では、実務上、各年につき1件程度の工事資料で経営経験を確認できるため、東京都と比べると過去資料の収集負担は比較的軽くなります。
今回も、会社設立後の各年について請求書と通帳の入金記録を確認し、社長様が5年以上にわたり建設業の経営に携わってきたことを証明しました。
これにより、社長様を常勤役員等として配置するための経営経験を確認することができました。
第3章 一級塗装技能士で営業所技術者等の要件を確認
営業所技術者等については、社長様が保有している資格を確認しました。
今回申請する業種は、塗装工事業です。
社長様は、前年に建築塗装の一級塗装技能士を取得されていました。
一級塗装技能士は、一般建設業許可の塗装工事業において営業所技術者等となることができる資格の一つです。千葉県の建設業許可申請と実務上の注意点もご参照ください。
そのため今回は、社長様を常勤役員等と営業所技術者等の両方に配置する形で申請を進めることができました。
建設業許可では、常勤役員等と営業所技術者等を同じ人物が兼ねることも可能です。
今回のように、社長様自身が必要な経営経験を持ち、さらに対象業種に対応する国家資格等を保有している場合には、社内で人的要件をまとめて満たせるケースがあります。
そこで、一級塗装技能士の資格証を確認し、塗装工事業の営業所技術者等として申請できることを整理しました。
実務経験だけで営業所技術者等の要件を証明する場合には、長期間にわたる工事資料の収集が必要になります。
一方、今回の会社では一級塗装技能士の資格があったため、営業所技術者等については資格によって明確に要件を確認することができました。
これにより、社長様を常勤役員等と営業所技術者等の両方に配置する体制が整いました。
第4章 純資産500万円超で財産的基礎を確認
一般建設業許可の新規申請では、財産的基礎についても要件を満たしている必要があります。
今回の会社について直近の決算書を確認したところ、貸借対照表の純資産額が500万円を超えていました。
そのため、一般建設業許可の財産的基礎については、決算書の内容によって要件を満たしていることを確認できました。詳しくは一般建設業許可の財産的要件をご覧ください。
今回のように、直近の決算書上の純資産額が500万円以上ある場合には、あらためて500万円以上の預金残高証明書を取得する必要はありません。
一方で、純資産額が500万円を下回っている場合には、500万円以上の資金調達能力を確認する方法として、金融機関の預金残高証明書を準備することがあります。
今回は、
・常勤役員等は、会社設立後5年以上の経営経験を持つ社長様
・営業所技術者等は、一級塗装技能士を持つ社長様
・財産的基礎は、直近決算の純資産額500万円超
という形で、主要な要件を社内の状況と決算内容で確認することができました。
財産的基礎について追加の資金証明を用意する必要がなかったため、そのまま他の申請要件の確認へ進むことができました。
第5章 賃貸マンションを建設業許可の営業所として確認
今回の会社では、登記上の本店所在地と実際の営業所が一致していました。
営業所として使用していたのは、社長様のご自宅とは別に賃借しているマンションの一室です。
建設業許可では、単に住所が登記されているだけではなく、その場所で実際に建設業の営業を行うことができる状態になっている必要があります。
そこで、営業所内部の状況を確認しました。
今回の営業所には、
・事務机
・複合機
・書類を保管するスペース
・打ち合わせスペース
などが設置されており、事業用の営業所として継続して使用できる状態になっていました。
また、賃貸物件であるため、建設業の営業所として使用することに問題がないかについても確認しました。
マンションやアパートの一室であっても、事業用として使用でき、実際に営業活動を行うための設備や独立性が確保されていれば、建設業許可上の営業所として認められるケースがあります。
今回の会社では、事業用として賃借している物件であり、実際の事務所設備も整っていたため、営業所要件についても問題なく確認することができました。
これにより、人的要件、財産的基礎に加えて、営業所についても新規申請に必要な体制が整いました。
第6章 東葛飾土木事務所へ塗装工事業を新規申請
建設業許可の各要件を確認し、必要書類がそろったため、千葉県知事の一般建設業許可として塗装工事業の新規申請を行いました。
柏市に主たる営業所を置く建設業者の申請先は、東葛飾土木事務所です。
今回の会社では、
・社長様の5年以上の経営経験
・一級塗装技能士による営業所技術者等の要件
・直近決算で純資産500万円超
・事業用として使用している賃貸マンションの営業所要件
・社会保険等への加入状況
をそれぞれ確認し、申請書類を整えました。
特に常勤役員等の経営経験については、会社設立後の各年について、工事の請求書と入金が確認できる通帳資料を整理しました。
千葉県では、経営経験や実務経験を確認する工事資料について、東京都と比べて提出する件数が少なくて済むため、過去資料を整理しながら証明期間を組み立てました。
すべての準備を終えたうえで、東葛飾土木事務所へ塗装工事業の一般建設業許可申請書を提出し、無事に受理されました。
今回の案件では、社長様が会社の経営経験と一級塗装技能士の資格の両方を持っていたため、常勤役員等と営業所技術者等を社長様一人で兼ねる形で申請することができました。
柏市で塗装工事を続けてきた会社が、今後の受注拡大に向けて必要な体制を整え、塗装工事業の建設業許可取得へ進むことができた事例となりました。









