【東京都北区】杭打ち工事会社がとび・土工工事業の建設業許可を取得した事例

東京都北区の合同会社様から、とび・土工工事業の建設業許可を取得したいとのご相談をいただきました。

この会社様は、杭打ち工事を専門としている建設会社です。

会社設立から5年以上が経過し、今後の事業拡大に備えて東京都知事の一般建設業許可を取得したいとのことでした。

杭打ち工事は、建設業許可29業種のうち「とび・土工・コンクリート工事」に該当します。

今回の会社様は、

  • 東京都北区の合同会社
  • 杭打ち工事を専門に施工
  • 代表社員が会社設立時から経営
  • 代表社員が二級土木施工管理技士を保有
  • 自宅兼営業所
  • 財産的基礎も500万円以上

という状況でした。

一見すると建設業許可の要件は整っているように見えますが、新規申請では一つひとつの要件を資料で裏付けられるか確認していく必要があります。

第1章 会社設立から5年以上経過した段階で建設業許可を検討

お問い合わせをいただいた時点で、会社設立からすでに第5期まで経過していました。

代表社員は会社設立当初から杭打ち工事を中心とした建設業を経営しており、建設業許可の「常勤役員等」の要件を満たせる可能性が高い案件でした。

ただし、単に「5年以上会社を経営している」というだけでは足りません。

東京都の建設業許可申請では、その期間について実際に建設業を営んでいたことを確認できる資料を揃える必要があります。

そこでまず、会社設立後の工事請求書と、その代金が入金されたことを確認できる通帳を確認しました。

第2章 代表社員の経営経験を請求書と通帳で確認

今回の会社様では、代表社員が唯一の業務執行社員であり、その方を常勤役員等として申請することになりました。

会社設立後の請求書と通帳を確認したところ、建設工事を継続して請け負っていたことを確認することができました。

請求書と入金履歴もしっかり保存されていたため、経営経験の確認作業は比較的スムーズでした。

最終的に確認できた経営経験は約5年5か月です。

建設業許可では、要件そのものを満たしているだけではなく、その経験を行政庁に対して資料で証明できることが重要です。

特に過去の経験を使って常勤役員等の要件を証明する場合には、請求書、注文書、契約書、通帳などの資料が残っているかどうかによって申請の難易度が大きく変わります。

当事務所では、申請直前になって資料不足が判明しないよう、受任時点でできるだけ早く過去の資料を確認するようにしています。

第3章 二級土木施工管理技士で営業所技術者等の要件を確認

次に確認したのが、営業所技術者等の要件です。

建設業許可では、営業所ごとに、取得する建設業の技術要件を満たす営業所技術者等を置かなければなりません。

今回取得するのは、とび・土工工事業です。

代表社員ご本人が二級土木施工管理技士の資格を保有していたため、資格によって営業所技術者等の要件を満たすことができました。

そのため、技術者について10年間の実務経験を遡って証明する必要はありませんでした。

建設業許可では、国家資格によって営業所技術者等の要件を満たせる場合と、学歴や実務経験によって証明する場合があります。

資格で要件を満たせる案件では、実務経験を一から証明する案件と比べて、必要資料を大きく減らすことができます。

今回のように代表社員が常勤役員等と営業所技術者等の双方の要件を満たしている場合には、同一営業所で両方を兼ねることも可能です。

第4章 社会保険の加入状況を確認

建設業許可の新規申請では、社会保険への適切な加入も確認します。

今回の会社様は、

健康保険
厚生年金保険
雇用保険

について必要な加入がされていました。

そのため、社会保険関係についても特に問題はありませんでした。

建設業許可を取得する直前になって社会保険の未加入が判明すると、申請そのものをすぐに進められないことがあります。

新規申請を検討する段階で、役員や従業員の加入状況もあわせて確認しておくことが大切です。

第5章 500万円以上の財産的基礎を決算書で確認

一般建設業許可では、一定の財産的基礎を有していることも要件となります。

今回の会社様は業績も安定しており、直近の決算書を確認したところ、一般建設業許可で求められる財産的基礎を満たしていました。

そのため、500万円以上の預金残高証明書を別途取得する必要はありませんでした。

財産的基礎については、

直近の決算内容で要件を満たせる会社
預金残高証明書によって証明する会社

など、会社の状況によって確認方法が異なります。

会社設立直後の法人や、直近決算の純資産額が500万円未満となっている法人では、特に注意が必要です。

第6章 東京都北区の自宅兼営業所を確認

今回の会社様では、法人の本店所在地が代表社員の自宅と同じ場所にあり、自宅の一部を建設業の営業所として使用していました。

自宅を本店として登記しているからといって、そのまま建設業許可上の営業所として認められるわけではありません。

東京都の建設業許可では、実際にその場所で建設工事の見積りや契約などを行うことができ、営業所として独立した使用実態があることが必要です。

今回の事務所について間取り図を確認したところ、玄関から居住部分を通らずに事務所として使用している部屋へ入ることができました。

また、代表社員に撮影していただいた営業所写真でも、机や事務設備などを確認することができました。

そのため、自宅兼営業所についても建設業許可上の要件を満たせると判断しました。

自宅兼営業所の案件では、物件そのものよりも、

居住部分との区分
事務所への動線
事務スペース
使用権原
看板等の表示

などが問題になることがあります。

申請書類を作り始める前に、間取り図や写真で確認しておくことが重要です。

第7章 東京都へとび・土工工事業の新規申請

ここまで確認した結果、

常勤役員等
営業所技術者等
社会保険
財産的基礎
営業所

の各要件を満たしていることを確認できました。

必要書類を整え、東京都へ一般建設業許可の新規申請を行いました。

申請業種は、とび・土工工事業です。

窓口での審査でも特に問題はなく、そのまま申請は受理されました。

建設業許可の新規申請では、最終的に申請書を作る作業よりも、その前段階で「本当に要件を満たしているか」「その要件を何の資料で証明するか」を整理する作業の方が重要です。

今回の会社様は、会社設立後の請求書や通帳などをきちんと保存していたことに加え、代表社員が二級土木施工管理技士を保有していたため、比較的スムーズに申請まで進めることができました。

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