【東京都】常勤役員等の変更届|提出期限・必要書類・後任者の要件

東京都で建設業許可を受けている会社では、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が退任・退職した場合や、後任者に交代した場合、変更が生じた日から2週間以内に変更届を提出する必要があります。

常勤役員等は、建設業許可を維持するために欠かせない人的要件の一つです。そのため、単に役員変更の届出をすればよいわけではなく、後任者が必要な経営経験や常勤性の要件を満たしているかを確認することが重要です。

特に、代表取締役の交代や役員の退任に伴って常勤役員等が変更となる場合には、後任者の経営経験をどのような書類で証明するかによって、手続きの進め方が変わります。

この記事では、東京都知事許可を受けている建設業者を対象に、常勤役員等の変更届の提出期限、必要書類、後任者の要件、変更時に注意すべきポイントを解説します。

第1章 常勤役員等の変更届が必要になるケースと提出期限

1-1.常勤役員等の変更届が必要になるケース

建設業許可を受けている会社で、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が交代した場合は、東京都に変更届を提出する必要があります。

常勤役員等は、建設業許可を維持するために必要な人的要件です。代表取締役や取締役の変更とは異なり、後任者が建設業法で定められた経営経験などの要件を満たしていることが求められます。

主に、次のようなケースが該当します。

  • 常勤役員等が退任・退職し、別の取締役が後任になる場合
  • 代表取締役の交代に伴い、常勤役員等も変更になる場合
  • 新たに取締役を選任し、その取締役を常勤役員等にする場合
  • 現在の常勤役員等から、別の要件を満たす役員に交代する場合

なお、代表取締役が交代しても、現在の常勤役員等が引き続きその職務を担う場合には、常勤役員等の変更届は不要です。

代表者の変更と常勤役員等の変更は、別の届出事項であることに注意が必要です。

1-2.提出期限は変更後2週間以内

東京都知事許可の場合、常勤役員等の変更届の提出期限は、変更が生じた日から2週間以内です。

例えば、10月1日付で常勤役員等が交代した場合は、その変更日を基準として提出期限を管理する必要があります。

代表取締役や取締役の変更届は原則として変更後30日以内ですが、常勤役員等の変更届は2週間以内と短く設定されています。

そのため、代表取締役の交代と常勤役員等の変更が同時に発生する場合には、30日以内の役員変更届だけを意識していると、常勤役員等の変更届が期限を過ぎてしまうおそれがあります。

1-3.後任者がいない場合は許可の維持に影響する

常勤役員等の変更で特に注意したいのは、後任者の要件です。

現在の常勤役員等が退任・退職した場合、後任者が必要な経営経験や常勤性を備えていなければ、建設業許可の人的要件を満たせなくなる可能性があります。

変更届を提出すれば、誰でも後任者として認められるわけではありません。

例えば、長年勤務している従業員であっても、その勤務年数だけで常勤役員等の要件を満たすとは限りません。また、取締役に就任しただけで、必要な経営経験が認められるわけでもありません。

そのため、常勤役員等の退任や交代を予定している場合には、事前に後任候補者の経営経験と、その経験を裏付ける資料を確認しておくことが重要です。

次章では、後任者に求められる具体的な要件について解説します。

第2章 常勤役員等の交代前に確認すべき後任者の要件

常勤役員等を変更する場合、後任者が建設業許可の人的要件を満たしていることを、交代前に確認する必要があります。

特に注意したいのは、後任者に経営経験があることと、その経験を東京都に証明できることは別の問題だという点です。

また、経営経験を満たしていても、交代日から申請会社に常勤できなければ、常勤役員等として届け出ることはできません。

2-1.後任者が経営経験の要件を満たしているか

まず確認するのは、後任者が常勤役員等に必要な経営経験を満たしているかという点です。

例えば、次のようなケースが考えられます。

  • 現在の取締役の中から後任者を選ぶ
  • 新たに取締役を選任して常勤役員等にする
  • 以前、別の建設会社で取締役を務めていた人を後任にする
  • 過去に建設業の個人事業主だった人を後任にする

いずれの場合も、取締役への就任や建設業界での勤務年数だけで判断することはできません。

実際の経営経験の内容や期間を確認し、常勤役員等の要件に該当するかを判断する必要があります。

なお、常勤役員等に必要な経営経験の種類や年数については、別記事「常勤役員等(経営業務の管理責任者)の要件」で詳しく解説しています。

2-2.経営経験を証明できる資料が残っているか

後任者が必要な経営経験を有していても、その経験を証明する資料がそろわなければ、変更届の手続きを進めるうえで支障が生じます。

例えば、以前勤務していた建設会社での取締役経験を使用する場合には、在任期間だけでなく、その期間に会社が建設業を営んでいたことも確認する必要があります。

また、過去の個人事業主としての経験を使用する場合には、確定申告書などの保存状況が重要になります。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

  • 過去に勤務していた会社がすでに廃業している
  • 古い登記事項証明書や経営資料の確認に時間がかかる
  • 個人事業時代の確定申告書が残っていない
  • 経営経験の一部について証明資料が不足している

後任候補者の経歴を確認するだけでなく、必要な期間を証明できる資料が実際にそろうかを確認することが重要です。

2-3.後任者が交代日から常勤できるか

常勤役員等の後任者には、経営経験に加えて常勤性も必要です。

そのため、現在ほかの会社に勤務している人や、別会社の役員を兼任している人を後任にする場合には、交代日から申請会社に常勤できるかを確認する必要があります。

例えば、次のような点が確認事項になります。

  • 他社での勤務が継続していないか
  • 申請会社での勤務実態を確認できるか
  • 役員報酬や社会保険関係の資料が整っているか
  • 住所と営業所の位置関係に問題がないか

また、新たに取締役を選任する場合には、役員就任日と常勤を開始する日が一致するとは限りません。

交代日時点で後任者が常勤役員等の要件を満たしていることが重要です。

2-4.前任者の退任日と後任者の就任日を確認する

後任者の経営経験と常勤性に問題がなくても、交代の時期によっては建設業許可の維持に影響することがあります。

例えば、前任者が先に退任し、数日後に後任者が取締役に就任する場合には、その間に常勤役員等の要件を欠くおそれがあります。

また、後任者がすでに取締役であっても、交代日から常勤できる状態になっていなければ問題になります。

そのため、交代前には次の点を整理しておく必要があります。

  • 前任者が常勤役員等を退く日
  • 後任者が取締役等の必要な地位に就く日
  • 後任者が申請会社に常勤する日
  • 後任者が経営経験などの要件を満たしていること

常勤役員等の変更では、前任者から後任者への交代時に、許可要件を途切れさせないことが重要です。

2-5.変更届を提出する前に後任者の適格性を確認する

常勤役員等の変更届は、交代後2週間以内に提出する必要があります。

しかし、この2週間は、後任者の経営経験を一から確認し、証明資料をすべて集めるには短い期間です。

特に、以前勤務していた会社での経営経験を使用する場合や、新たに取締役を迎える場合には、資料の収集や常勤性の確認に時間がかかることがあります。

そのため、常勤役員等の交代が予定されている場合には、前任者の退任日を確定する前に、後任者の要件と証明資料を確認しておくことをおすすめします。

次章では、東京都に提出する常勤役員等の変更届に必要な書類について解説します。

第3章 常勤役員等の変更届に必要な書類

東京都で常勤役員等を変更する場合には、変更届出書などの所定様式に加えて、後任者の経営経験や常勤性を証明する資料が必要です。

また、後任者だけでなく、前任者が交代時点まで常勤役員等として在籍していたことを確認する資料も求められます。

必要書類は、後任者の経営経験や就任状況、常勤役員等として該当する要件によって異なります。

3-1.常勤役員等の変更届で提出する基本書類

常勤役員等を変更する場合、主に次の書類を提出します。

書類名 様式・内容
変更届出書(第一面) 様式第22号の2
役員等の一覧表 別紙1
別とじ表紙 東京都指定様式
常勤役員等証明書 様式第7号または第7号の2
常勤役員等の略歴書 該当する証明書の別紙
前任者・後任者の確認資料 常勤性・経営経験等を確認する資料
交代日における継続性の確認資料 登記事項証明書等

後任者が5年以上の経営業務の管理責任者としての経験などによって要件を満たす場合には、原則として様式第7号とその別紙を使用します。

一方、常勤役員等を直接補佐する者を置く体制によって要件を満たす場合には、様式第7号の2と関係する略歴書などが必要です。

また、常勤役員等の交代に伴って取締役の就任・退任などが発生する場合は、役員変更に関する届出書類も別途必要になります。

3-2.後任者の常勤性を確認する資料

後任者については、交代日時点で申請会社に常勤していることを確認できる資料が必要です。

法人の場合、所属を証明する資料として、主に次のような書類が使用されます。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する標準報酬決定通知書の写し
  • 健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
  • 厚生年金保険の被保険者記録照会回答票の写し
  • 住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し
  • 健康保険組合等が発行する申請会社への在籍を証明する資格証明書
  • 役員報酬の支給状況を確認できる法人税確定申告書等

これらの書類をすべて提出するわけではなく、後任者の状況に応じて必要な資料を用意します。

また、他社からの出向者を常勤役員等にする場合には、出向契約書や出向に関する発令通知書、出向費用の負担状況を確認できる資料などが必要になることがあります。

常勤性は、会社の役員に就任しているという事実だけでは証明できません。

実際に申請会社に常勤していることを、客観的な資料によって確認できる必要があります。

3-3.本人確認資料と常勤性確認資料の違い

常勤役員等の変更では、本人の氏名や生年月日などを確認する資料として、次のいずれかを用意します。

  • 有効期限内の健康保険の資格確認書の写し
  • 有効期限内の運転免許証の写し(両面)
  • 発行後3か月以内の住民票(個人番号・住民票コードを省略したもの)

ただし、運転免許証や住民票だけで申請会社への常勤性を証明できるわけではありません。

本人確認資料と、会社への所属・常勤性を証明する資料は、それぞれ役割が異なります。

なお、健康保険の「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は別の書類です。また、従来の健康保険証の写しは、常勤役員等の変更における常勤性の証明資料として使用できません。

書類の準備にあたっては、本人確認と常勤性の証明を分けて考えることが重要です。

3-4.後任者の経営経験を証明する資料

後任者が経営業務の管理責任者としての経験によって要件を満たす場合には、その経験期間を確認できる資料が必要です。

法人の取締役としての経験を使用する場合

登記事項証明書などによって、取締役等としての在任期間を確認します。

さらに、その期間に会社が建設業を営んでいたことを証明する資料も必要です。

個人事業主としての経験を使用する場合

所得税の確定申告書などによって、個人事業主としての経験期間を確認します。

この場合も、該当する期間に建設業を営んでいたことを示す資料が必要になります。

執行役員や経営業務の補佐経験を使用する場合

組織図、取締役会議事録、業務分掌規程、人事発令書、決裁文書などによって、役職や権限、実際の業務内容、経験期間を確認します。

これらの経験については、単に役職名が確認できればよいわけではありません。経営業務にどの程度関与していたかを確認する必要があります。

また、過去の建設業許可の有無などによっても、求められる証明資料は異なります。

経営経験の証明では、「役職・経験期間」と「その期間に建設業を営んでいた事実」の両方を確認することが重要です。

特に、以前勤務していた会社での経験や過去の個人事業の経験を使用する場合には、資料の保存状況によって準備に時間がかかることがあります。

3-5.前任者の確認資料も必要になる

常勤役員等の変更届では、後任者の確認資料だけでなく、前任者についても交代日時点の常勤性を確認できる資料が必要です。

前任者が退職している場合には、通常の常勤性確認資料に代えて、次のいずれかを用意します。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届の写し(受付印付き)
  • 健康保険・厚生年金保険の資格喪失通知の写し

70歳以上の場合には、厚生年金保険70歳以上被用者不該当届の写し(受付印付き)、または不該当のお知らせの写しが対象となります。

ここで注意したいのは、後任者の要件を証明できても、前任者に関する資料が不足していると、変更届の準備に支障が生じるという点です。

前任者が退職してから必要書類を集めようとしても、手続きが完了していなかったり、資料の取得に時間がかかったりすることがあります。

そのため、常勤役員等の退任・退職が予定されている場合には、後任者の資料だけでなく、前任者の確認資料も事前に整理しておくことが重要です。

3-6.交代日における許可要件の継続性を確認する資料

常勤役員等の変更では、前任者から後任者への交代日に、建設業許可の要件が継続して満たされていることが重要です。

法人の場合には、登記事項証明書などによって、後任者が交代日に必要な役員の地位にあったことを確認します。

例えば、後任者を新たに取締役に選任する場合には、次の点を確認しておく必要があります。

  • 前任者が常勤役員等を退いた日
  • 後任者が取締役に就任した日
  • 後任者が常勤役員等としての要件を満たした日

変更届の提出日に後任者が要件を満たしていても、交代時点で要件を欠いていた場合には問題になります。

そのため、後任者の取締役就任日と前任者の退任日を確認し、人的要件に空白期間が生じないようにする必要があります。

特に、代表取締役の交代や複数の役員の退任が同時に行われる場合には、事前に役員構成と就任日を整理しておくことが重要です。

次章では、常勤役員等の退任・退職によって建設業許可の要件を欠かさないための注意点について解説します。

第4章 常勤役員等の退任・退職時に注意すべきポイント

常勤役員等の変更で最も注意しなければならないのは、前任者の退任・退職によって建設業許可の要件を欠いてしまうことです。

建設業許可は、取得した時点だけでなく、許可を受けている期間中も人的要件を継続して満たしている必要があります。

そのため、常勤役員等が退任・退職する場合には、変更届の提出準備だけでなく、後任者が確実に要件を満たしているかを事前に確認することが重要です。

4-1.後任者が決まる前に退任・退職しない

常勤役員等が退任・退職する場合、原則として、後任者が必要な要件を満たした状態で交代する必要があります。

例えば、現在の常勤役員等である代表取締役が退任し、別の取締役を後任にするケースを考えてみましょう。

後任者に建設業の経営経験が不足していたり、他社に常勤していたりする場合には、そのまま常勤役員等として届け出ることはできません。

また、退任後に新たな取締役を選任し、その人を後任者にする場合も注意が必要です。

前任者の退任日と後任者が要件を満たす日との間に空白期間が生じると、建設業許可の維持に影響する可能性があります。

そのため、常勤役員等の退任・退職が予定されている場合には、後任者の選定と要件確認を先に進めておくことが重要です。

4-2.後任者の経営経験は交代前に確認する

後任候補者が取締役であっても、必ずしも常勤役員等の要件を満たしているとは限りません。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

  • 取締役には就任しているが、経営経験が5年に満たない
  • 建設会社での勤務歴は長いが、経営業務の管理責任者としての経験がない
  • 過去の会社での経営経験はあるが、証明書類が残っていない
  • 個人事業主としての経験を使用したいが、確定申告書などの資料が不足している

常勤役員等の要件は、役職名や勤務年数だけで判断できるものではありません。

また、必要な経験があっても、その期間を客観的な資料で証明できなければ、変更手続きを進めるうえで支障が生じます。

後任者の経営経験は、前任者の退任が確定する前に確認しておくことが重要です。

4-3.代表取締役の交代と常勤役員等の変更は別に考える

代表取締役の交代と常勤役員等の変更は、必ずしも同じ手続きではありません。

例えば、代表取締役が交代しても、従来の常勤役員等が取締役として引き続き常勤し、必要な要件を満たしている場合には、常勤役員等の変更が不要となることがあります。

一方、代表取締役が常勤役員等を兼ねており、その代表取締役が会社を退任する場合には、後任の常勤役員等を確保する必要があります。

また、代表取締役の交代と常勤役員等の交代が同時に発生する場合には、提出期限にも注意が必要です。

  • 代表取締役の変更届:変更後30日以内
  • 常勤役員等の変更届:変更後2週間以内

代表取締役の変更登記が完了するのを待っているうちに、常勤役員等の変更届の提出期限を過ぎないよう注意が必要です。

代表取締役の交代を予定している場合には、建設業許可上の常勤役員等が誰になっているかをあらかじめ確認しておきましょう。

4-4.退職後に常勤性の資料を集めるのは難しい場合がある

常勤役員等が退職する場合には、後任者の資料だけでなく、前任者に関する確認資料の準備も重要です。

特に、前任者が交代時点まで常勤していたことを確認できる資料や、退職に伴う社会保険の資格喪失関係の書類などは、退職後すぐにそろわない場合があります。

例えば、退職処理と社会保険の手続きに時間差がある場合には、変更届の提出準備にも影響します。

また、前任者が会社と連絡を取りにくい状況になると、必要な事実関係を確認することが難しくなることもあります。

そのため、退任・退職が予定されている場合には、前任者の確認資料を早めに整理しておくことが重要です。

4-5.突然の退職や死亡によって要件を欠いた場合

常勤役員等が突然退職した場合や、死亡などによって職務を継続できなくなった場合には、建設業許可の人的要件を満たせなくなることがあります。

このような場合、変更届を提出すれば自動的に許可要件の欠如が解消されるわけではありません。

後任者が必要な経営経験と常勤性を備えているか、いつから要件を満たしているかを確認する必要があります。

また、後任者を確保できず、常勤役員等の要件を満たせない状態になった場合には、許可行政庁への速やかな相談と、必要な届出への対応が求められます。

常勤役員等を欠いた場合には、変更届の問題だけでなく、建設業許可そのものの維持に関わる問題になります。

後任者がいない状態を放置せず、許可要件を満たしているかを速やかに確認することが重要です。

4-6.将来の交代を見据えて後任候補者を確保する

常勤役員等の変更は、必ずしも突然発生するものではありません。

代表取締役の高齢化、事業承継、役員の世代交代などによって、数年以内に変更が必要になることもあります。

そのため、現在の常勤役員等だけに許可要件を依存している会社では、将来の交代を見据えた準備が重要です。

例えば、現在の取締役の経営経験を確認しておくことや、後任候補者となる役員の経営経験を積み重ねておくことなどが考えられます。

ただし、単に取締役に選任すれば、将来必ず常勤役員等になれるわけではありません。実際の職務内容や経験期間、常勤性などを確認する必要があります。

常勤役員等の変更は、退任が決まってから対応するのではなく、将来の交代を見据えて準備しておくことが理想です。

特に、代表取締役が一人で常勤役員等の要件を満たしている会社では、事業承継や役員交代の際に建設業許可の維持が問題にならないよう、早めに後任候補者の要件を確認しておきましょう。

第5章 東京都への変更届の提出方法と手続きの流れ

常勤役員等の変更届は、後任者の要件を確認し、必要書類をそろえたうえで東京都に提出します。

提出期限は変更後2週間以内と短いため、常勤役員等の交代が決まってから書類を集め始めるのではなく、交代前に準備を進めることが重要です。

5-1.常勤役員等の変更届の手続きの流れ

東京都で常勤役員等を変更する場合、一般的には次の順序で手続きを進めます。

① 後任者の要件を確認する

最初に、後任者が必要な経営経験と常勤性を満たしているかを確認します。

取締役としての経験年数だけでなく、その期間に建設業を営んでいたことを証明できるかも重要です。

② 前任者と後任者の交代日を確認する

前任者の退任日と後任者の就任日を確認し、建設業許可の人的要件に空白期間が生じないかを確認します。

新たに取締役を選任する場合には、役員変更の手続きとの調整も必要です。

③ 必要書類を収集する

後任者の経営経験や常勤性を証明する資料に加え、前任者の確認資料、登記事項証明書などを準備します。

証明に使用する資料によっては取得に時間がかかるため、早めの準備が必要です。

④ 変更届出書と添付書類を作成する

様式第22号の2、常勤役員等証明書、略歴書などを作成し、確認資料とともに整理します。

役員の就任・退任を伴う場合には、役員変更の届出書類もあわせて準備します。

⑤ 東京都へ変更届を提出する

提出方法を確認し、変更後2週間以内に届出を行います。

提出後に追加資料や補正を求められる場合もあるため、提出書類の控えや確認資料は適切に保管しておきましょう。

5-2.窓口提出と郵送提出の違い

東京都では、常勤役員等の変更届について、窓口での審査に加え、一定の条件を満たす場合には郵送による提出も認められています。

ただし、常勤役員等の変更届がすべて郵送できるわけではありません。

後任者がどの経営経験の要件に該当するか、どのような資料で経験を証明するかによって、提出方法が異なります。

例えば、過去の建設業許可や登記事項証明書などによって経営経験を確認できる場合と、工事の契約書・注文書・請求書などによって経験を証明する場合とでは、必要な審査が異なります。

また、執行権限の委譲を受けた経験や経営業務の補佐経験を使用する場合には、職務内容や権限などについて個別の確認が必要です。

そのため、郵送提出を予定している場合でも、事前に対象となる変更内容や証明資料を確認しておくことが重要です。

5-3.役員変更が同時に発生する場合の提出方法

常勤役員等の交代に伴って、取締役の就任・退任や代表取締役の変更が発生する場合には、それぞれの変更事項について届出が必要です。

ただし、複数の変更事項があるからといって、必ずしも変更届出書を別々に作成する必要はありません。

関連する変更事項は、所定の方法で一つの届出にまとめることができます。

例えば、代表取締役が退任し、新たな代表取締役が常勤役員等になる場合には、次の事項を確認します。

  • 代表取締役の変更
  • 取締役の就任・退任
  • 常勤役員等の変更

この場合、常勤役員等の変更届は変更後2週間以内に提出する必要があるため、役員変更の30日以内という期限だけで手続きを進めないよう注意が必要です。

また、役員変更登記との関係で登記事項証明書の取得時期を調整する必要がある場合もあります。

複数の変更が同時に発生する場合には、最も早い提出期限を基準に準備を進めることが重要です。

5-4.変更届の提出前に確認したいこと

常勤役員等の変更届を提出する前には、次の事項を確認しておきましょう。

  • 後任者が必要な経営経験を満たしているか
  • 経営経験を証明する資料がそろっているか
  • 後任者の常勤性を確認できるか
  • 前任者の確認資料がそろっているか
  • 交代日に許可要件の空白期間が生じていないか
  • 役員変更など、関連する届出に漏れがないか
  • 変更後2週間以内の提出期限に間に合うか

特に、後任者の経営経験を以前勤務していた会社の資料で証明する場合には、確認に時間がかかることがあります。

変更届の作成そのものよりも、後任者が許可要件を満たしていることを証明する資料の準備が重要になるケースは少なくありません。

常勤役員等の退任・退職が予定されている場合には、変更日を決める前に後任者の要件と確認資料を整理しておくことをおすすめします。

まとめ|常勤役員等の変更は後任者の要件確認が重要

東京都で常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が交代した場合には、変更が生じた日から2週間以内に変更届を提出する必要があります。

常勤役員等は建設業許可を維持するために必要な人的要件であり、単に後任者を取締役に選任すればよいわけではありません。

特に、次の点に注意が必要です。

  • 後任者が必要な経営経験と常勤性を満たしていること
  • 経営経験を客観的な書類で証明できること
  • 前任者の退任・退職に関する確認資料も準備すること
  • 前任者から後任者への交代時に、許可要件の空白期間を生じさせないこと
  • 代表取締役や取締役の変更を伴う場合は、関連する届出も確認すること

常勤役員等の変更で最も重要なのは、変更届を提出することだけでなく、建設業許可の要件を継続して満たすことです。

特に、代表取締役の退任や事業承継に伴う交代では、後任者の経営経験を証明する資料の準備に時間がかかる場合があります。

当事務所では、東京都の建設業許可に関する常勤役員等の変更届について、後任者の要件確認から必要書類の収集、変更届の作成・提出まで対応しています。

常勤役員等の退任・交代を予定している建設業者様は、変更前の段階でご相談ください。

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