【東京都】個人事業主の一般建設業許可更新|必要書類と注意点

個人事業主として一般建設業許可を受けている場合も、法人と同じく5年ごとに更新申請を行う必要があります。

更新時期になると、

「個人事業主でも法人と同じ書類が必要なのか」

「自宅を営業所にしていても更新できるのか」

「確定申告書や納税証明書はどの年度のものを用意するのか」

といった疑問を持つ方も少なくありません。

結論から申し上げます。

個人事業主の一般建設業許可も、許可の有効期間が満了する前に更新申請を行い、現在も許可要件を満たしていることを確認してもらう必要があります。

個人事業主の場合は、事業主本人が常勤役員等に該当し、営業所技術者等を兼ねているケースが多くあります。

そのため、更新時には、事業主本人が引き続き事業を営んでいること、営業所技術者等の要件を満たしていること、自宅兼営業所など現在の営業所に実態があることを確認します。

また、直近までの決算変更届や、住所、営業所、営業所技術者等に関する変更届が適切に提出されているかも確認が必要です。

転居によって自宅兼営業所の所在地が変わっている場合や、個人事業から法人へ移行している場合は、単純な更新申請だけでは対応できないことがあります。

この記事では、東京都知事許可を受けている個人事業主の一般建設業許可更新について、更新時に確認される要件、主な必要書類、自宅兼営業所の注意点、住所や営業所を変更している場合の対応について解説します。

建設業許可の更新期限、必要書類、更新申請全体の流れについては、「【東京都】建設業許可の更新申請|期限・必要書類・30日前を過ぎた場合」をご確認ください。

第1章 個人事業主の一般建設業許可も5年ごとに更新が必要

個人事業主が受けている一般建設業許可も、有効期間は5年間です。

引き続き建設業許可を維持するためには、有効期間が満了する前に更新申請を行う必要があります。

東京都知事許可の更新申請は、原則として許可満了日の2か月前から30日前までが受付期間です。

例えば、許可年月日が令和3年8月5日の場合、有効期間満了日は令和8年8月4日となります。

この場合、更新申請は原則として令和8年6月4日から令和8年7月5日までに行います。

個人事業主の場合も、法人より更新手続きが簡単になるわけではありません。

更新時には、事業主本人が引き続き建設業を営んでいることや、一般建設業許可の要件を満たしていることを確認されます。

また、前回の新規申請または更新申請以降、毎年の決算変更届が提出されているかも確認します。

個人事業主の決算変更届は、毎年12月31日の事業年度終了後、4か月以内に提出するのが一般的です。

そのため、原則として翌年4月30日までに決算変更届を提出します。

個人事業主も、毎年の決算変更届を期限内に提出する必要があります。

決算変更届の提出期限、必要書類、未提出による影響については、「建設業許可の決算変更届(決算報告書)とは?提出期限・必要書類・出さないリスクを解説」で詳しく解説しています。

更新時に決算変更届の未提出がある場合は、未提出となっている年度を整理したうえで更新申請を進めます。

あわせて、住所や営業所の移転、営業所技術者等の変更などがあった場合は、必要な変更届が提出されているかも確認します。

決算変更届が5年分未提出となっている場合は、未提出となっている各年度の資料を確認し、年度ごとに届出を整理します。

更新申請との進め方や必要資料については、「【東京都】建設業許可の更新時に決算変更届を5年分未提出の場合|更新できる?」をご確認ください。

更新申請を行わないまま有効期間満了日を過ぎると、一般建設業許可は失効します。

失効後は、遅れて更新申請を行うことはできません。

再び建設業許可を取得するためには、新規許可申請として手続きをやり直す必要があります。

個人事業主の一般建設業許可更新では、許可期限だけでなく、毎年の決算変更届や住所・営業所に関する変更届も含めて準備します。

第2章 個人事業主の一般建設業許可更新で確認される要件

個人事業主の一般建設業許可を更新する場合も、新規申請時と同様に、現在も許可要件を満たしていることを確認されます。

法人では、役員や営業所技術者等が複数いることもありますが、個人事業主の場合は、事業主本人が常勤役員等に該当し、営業所技術者等を兼ねているケースが多くあります。

そのため、事業主本人の状況が更新申請に直接影響します。

更新時に主に確認されるのは、次の事項です。

・事業主本人が引き続き建設業を営んでいること

・営業所技術者等の要件を満たしていること

・営業所に実態があること

・社会保険へ適切に加入していること

・欠格要件に該当していないこと

・一般建設業の財産的基礎を満たしていること

事業主本人が常勤役員等に該当する場合は、引き続き事業を行っていることを確認します。

個人事業主本人が常勤役員等となる場合も、建設業の経営業務について必要な経験を有していることが前提となります。

常勤役員等の経験要件や確認方法については、「【東京都対応】常勤役員等(経営業務の管理責任者)の要件を徹底解説」をご確認ください。

また、事業主本人が営業所技術者等を兼ねている場合は、許可を受けている業種について、資格や実務経験の要件を満たしていることが必要です。

更新までの間に営業所技術者等を別の人へ変更している場合は、変更届の提出状況も確認します。

営業所技術者等は、許可を受けている業種について、資格または実務経験の要件を満たす必要があります。

営業所技術者等の資格要件や実務経験による証明については、「【東京都対応】営業所技術者等の要件を徹底解説|一般建設業許可・特定建設業許可の違い」をご確認ください。

営業所についても、前回申請時と同じ場所で事業を続けているかを確認します。

自宅兼営業所の場合は、現在もその場所を事業に使用し、建設工事の見積りや契約などを行う営業所としての実態があることが必要です。

転居や営業所移転があったにもかかわらず、変更届を提出していない場合は、更新申請とあわせて整理します。

社会保険については、事業所の加入義務に応じて、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の届出状況を確認します。

個人事業主であっても、従業員数や雇用状況によって加入が必要になるため、現在の加入状況を確認しておく必要があります。

一般建設業の財産的基礎については、許可取得後5年間継続して営業した実績などにより確認されます。

個人事業主の更新では、事業主本人、営業所、営業所技術者等が一体となっていることが多いため、一つの変更が複数の許可要件に影響することがあります。

更新準備では、現在も新規申請時と同じ体制で事業を続けているかを確認し、変更がある場合は必要な届出を整理します。

第3章 個人事業主の一般建設業許可更新に必要な書類

個人事業主の一般建設業許可更新では、現在も事業を継続し、許可要件を満たしていることを確認するための書類を提出します。

必要書類は、営業所の状況、営業所技術者等の変更、社会保険の加入状況などによって異なります。

主な書類は、次のとおりです。

・建設業許可申請書

・営業所一覧表

・営業所技術者等に関する書類

・誓約書

・事業主本人の身分証明書

・登記されていないことの証明書

・所得税の納税証明書

・常勤性を確認する資料

・社会保険の加入状況を確認する資料

個人事業主の場合は、法人の履歴事項全部証明書や役員等の一覧表はありません。

一方で、事業主本人に関する身分証明書や納税証明書などを準備します。

また、更新申請の準備では、直近の確定申告書や青色申告決算書、収支内訳書などを確認することがあります。

これらは、事業を継続していることや、決算変更届の内容を確認するための資料として使用します。

事業主本人が営業所技術者等を兼ねており、前回申請後に変更がない場合は、資格証明書や実務経験に関する書類を改めて提出しないこともあります。

ただし、営業所技術者等を変更している場合は、変更届の提出状況と、後任者が要件を満たしていることを確認する書類が必要です。

自宅兼営業所の所在地を変更している場合や、前回申請後に転居している場合は、営業所の使用権限や実態を確認する資料を求められることがあります。

更新申請を進める際は、前回の新規申請または更新申請の副本、直近5年分の決算変更届、許可期間中に提出した変更届も用意します。

これらの資料と現在の状況を照合し、未提出となっている変更がないかを確認したうえで、更新申請に必要な書類を整理します。

第4章 自宅を転居している場合の注意点

個人事業主では、自宅と建設業許可上の営業所が同じ所在地となっているケースが多くあります。

前回の新規申請または更新申請後に転居している場合は、住所変更だけでなく、建設業許可上の営業所移転が生じていないかを確認します。

自宅を営業所として使用している個人事業主が転居した場合、通常は建設業の営業所所在地も変更になります。

この場合は、更新申請書に新しい所在地を記載するだけでは足りません。

未提出となっている営業所移転の変更届を整理したうえで、更新申請を進めます。

変更届では、新しい営業所の所在地や使用状況を確認するため、次のような資料が必要になることがあります。

・賃貸借契約書

・建物の登記事項証明書や固定資産関係資料

・営業所の外観や内部の写真

・営業所付近の案内図

・賃貸物件を事務所として使用するための承諾書

新しい自宅が賃貸物件である場合は、契約上、事務所として使用できるかを確認します。

居住専用とされている場合や、事業利用が禁止されている場合は、貸主や管理会社の承諾が必要になることがあります。

また、住民票上の住所だけを変更し、建設業許可上の営業所所在地が旧住所のままになっているケースもあります。

この状態では、現在の営業所所在地と許可上の届出内容が一致しません。

更新前には、前回申請書の副本、現在の住所、新しい営業所の使用状況を確認し、営業所移転の変更届が提出されているかを整理します。

一方、前回申請時から自宅兼営業所の所在地や使用状況に変更がなければ、更新申請で営業所要件を改めて確認する手続きではありません。

個人事業主の一般建設業許可更新では、転居や営業所移転があった場合に限って、必要な変更届と確認資料を準備します。

自宅を建設業の営業所として使用する場合の判断基準や、賃貸住宅・マンションで確認すべき事項については、「建設業許可における自宅兼営業所の要件と注意点」をご確認ください。

まとめ

個人事業主の一般建設業許可も、有効期間は5年間です。

引き続き建設業許可を維持するためには、許可満了日前に更新申請を行う必要があります。

更新時には、事業主本人が引き続き建設業を営んでいること、営業所技術者等の要件を満たしていること、社会保険へ適切に加入していることなどを確認します。

また、前回の新規申請または更新申請以降、毎年の決算変更届が提出されているか、住所や営業所に変更がなかったかも確認します。

個人事業主の場合は、事業主本人が常勤役員等と営業所技術者等を兼ねているケースが多いため、本人の状況が更新申請に直接影響します。

必要書類は、現在の営業所や営業所技術者等の状況によって異なりますが、前回申請書の副本、直近5年分の決算変更届、提出済みの変更届を用意しておくと確認が進めやすくなります。

自宅を営業所としている場合でも、前回申請時から所在地や使用状況に変更がなければ、更新時に営業所要件を改めて確認する手続きではありません。

一方、転居によって営業所所在地が変わっている場合は、営業所移転の変更届を整理したうえで更新申請を進めます。

更新期限が近づいてから決算変更届や変更届の未提出が判明すると、資料の収集や手続きに時間がかかることがあります。

すでに許可満了日の30日前を過ぎている場合でも、直ちに建設業許可が失効するわけではありません。

東京都で30日前を過ぎた場合の取扱いについては、「【東京都】建設業許可の更新申請が30日前を過ぎた場合|まだ間に合う?」をご確認ください。

個人事業主の一般建設業許可を安定して維持するためには、5年ごとの更新だけでなく、毎年の決算変更届や変更が生じた際の届出も継続して管理することが大切です。

当事務所では、東京都の個人事業主の一般建設業許可更新、未提出となっている決算変更届や変更届の整理にも対応しています。

許可期限が近づいている場合や、過去の届出状況が分からない場合は、早めにご相談ください。

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