建設業許可の有効期限を確認したところ、更新申請の目安とされる「満了日の30日前」を過ぎていたということがあります。
この場合、多くの会社様が、
「30日前を過ぎたら、もう更新できないのか」
「建設業許可はすでに失効しているのか」
「東京都では、まだ更新申請を受け付けてもらえるのか」
と不安になります。
結論から申し上げます。
東京都知事許可では、満了日の30日前を過ぎていても、建設業許可の有効期間がまだ残っていれば、更新申請を受け付けてもらえる場合があります。
30日前を過ぎたことと、建設業許可が失効したことは同じではありません。
ただし、更新申請の準備が間に合わず、許可の有効期間満了日を過ぎてしまうと、従前の建設業許可は失効します。
その場合は、更新申請ではなく、新規許可申請として建設業許可を取り直す必要があります。
また、30日前を過ぎてから更新申請を行う場合は、決算変更届や役員変更届などの未提出がないか、現在も常勤役員等や営業所技術者等の要件を満たしているかを、短期間で確認しなければなりません。
この記事では、東京都知事許可の更新申請が満了日の30日前を過ぎた場合の取扱い、すぐに確認すべき事項、始末書の要否、更新申請が間に合わない場合の注意点について解説します。
建設業許可の更新期限、必要書類、更新申請の全体的な流れについては、「【東京都】建設業許可の更新申請|期限・必要書類・30日前を過ぎた場合」をご確認ください。
第1章 建設業許可更新の30日前を過ぎても直ちに失効しない
建設業許可の更新申請は、有効期間が満了する日の30日前までに行うのが原則です。
そのため、30日前を過ぎた時点で、
「もう更新できないのではないか」
「建設業許可が失効したのではないか」
と考えてしまう会社様も少なくありません。
しかし、満了日の30日前を過ぎたことと、建設業許可の有効期間が切れたことは同じではありません。
建設業許可が失効するのは、有効期間の満了日を過ぎても更新申請が行われていない場合です。
例えば、許可年月日が令和3年8月5日の場合、有効期間の満了日は令和8年8月4日です。
この場合、更新申請は原則として令和8年7月5日までに行う必要がありますが、令和8年7月5日を過ぎた時点で直ちに許可が失効するわけではありません。
許可そのものは、令和8年8月4日まで有効です。
つまり、次の2つは分けて考える必要があります。
・更新申請の目安である満了日の30日前を過ぎた状態
・建設業許可の有効期間満了日を過ぎた状態
前者であれば、まだ更新申請を行える可能性があります。
一方で、後者になると、従前の建設業許可は失効し、更新申請では対応できません。
30日前を過ぎたからといって諦めるのではなく、まず許可通知書で有効期間満了日を確認し、できるだけ早く更新申請の準備を始めることが重要です。
第2章 東京都では30日前を過ぎても更新申請できる場合がある
東京都知事許可の更新申請は、有効期間満了日の2か月前から30日前までに行うのが原則です。
ただし、満了日の30日前を過ぎた場合でも、建設業許可の有効期間が残っていれば、東京都で更新申請を受け付けてもらえる場合があります。
例えば、有効期間満了日が令和8年8月4日であれば、原則として令和8年7月5日までに更新申請を行います。
この日を過ぎてしまっても、令和8年8月4日まで許可そのものは有効です。
そのため、30日前を過ぎたことに気づいた場合は、満了日までの残り日数を確認し、直ちに更新申請の準備を進めます。
ただし、30日前を過ぎた後は、通常の更新準備よりも時間的な余裕がありません。
更新申請書を作成するだけでなく、次のような点も短期間で確認する必要があります。
・直近までの決算変更届が提出されているか
・役員や営業所などの変更届が提出されているか
・常勤役員等が現在も在籍しているか
・営業所技術者等が現在も在籍しているか
・社会保険へ適切に加入しているか
・履歴事項全部証明書などの必要書類を取得できるか
未提出の決算変更届や変更届がある場合は、更新申請とあわせて整理しなければならないことがあります。
また、常勤役員等や営業所技術者等が退職している場合などは、単に書類を急いで作成するだけでは更新できない可能性があります。
満了日の30日前を過ぎた後の更新申請では、残り日数だけでなく、現在の届出状況や許可要件も確認しなければなりません。
まず許可満了日までに更新申請が可能な状態かを確認し、未提出の届出や不足資料がある場合は、更新申請と並行して早急に整理します。
第3章 30日前を過ぎた場合にすぐ確認すべきこと
建設業許可の更新申請が満了日の30日前を過ぎていることに気づいた場合は、まず許可満了日までの残り日数を確認します。
そのうえで、更新申請を進められる状態かどうかを、次の順番で確認します。
・建設業許可の有効期間満了日
・直近5年分の決算変更届の提出状況
・役員、本店、営業所などの変更届の提出状況
・常勤役員等の在籍状況
・営業所技術者等の在籍状況
・社会保険の加入状況
・更新申請に必要な書類の準備状況
最初に確認するのは、許可通知書に記載された有効期間満了日です。
30日前を過ぎていても、満了日まで日数が残っていれば、更新申請を進められる可能性があります。
次に、前回の新規申請または更新申請以降、決算変更届や各種変更届が適切に提出されているかを確認します。
未提出の届出がある場合は、更新申請書だけを作成しても手続きが完了しないことがあります。
また、常勤役員等や営業所技術者等が現在も在籍し、許可要件を満たしているかも確認します。
役員や技術者の退職、異動、交代があった場合は、変更届の提出状況だけでなく、要件に空白期間が生じていないかも整理しなければなりません。
あわせて、履歴事項全部証明書、身分証明書、社会保険の確認資料など、更新申請に必要な書類を満了日までに準備できるかを確認します。
30日前を過ぎた後は、すべての書類が揃ってから動くのではなく、許可期限、未提出届、人的要件、不足資料を同時に確認しながら申請準備を進めます。
第4章 決算変更届や変更届が未提出の場合
満了日の30日前を過ぎてから更新申請を進める場合、決算変更届や各種変更届の未提出があると、更新申請だけでは手続きが完了しません。
建設業許可を受けた会社は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出する必要があります。
決算変更届が5年分未提出となっている場合は、各事業年度の決算書や工事資料を確認し、年度ごとに届出を作成する必要があります。
必要資料や更新申請との進め方については、「【東京都】建設業許可の更新時に決算変更届を5年分未提出の場合|更新できる?」で詳しく解説しています。
また、役員、本店、営業所、常勤役員等、営業所技術者等などに変更があった場合は、それぞれ所定の期限内に変更届を提出します。
更新準備で役員変更届の未提出が判明した場合は、過去の就任・退任を整理し、現在の登記内容と更新申請書を一致させます。
役員変更届と更新申請を同じ時期に提出する場合の対応については、「【東京都】建設業許可の更新と役員変更届を同時に提出する場合」をご確認ください。
更新申請の準備段階で、これらの届出が未提出と判明した場合は、更新申請に先立って、または更新申請とあわせて整理します。
特に確認が必要なのは、次のようなケースです。
・決算変更届が複数年分未提出となっている
・役員の就任や退任を届け出ていない
・本店や営業所の移転を届け出ていない
・常勤役員等の変更を届け出ていない
・営業所技術者等の変更を届け出ていない
・履歴事項全部証明書と建設業許可上の届出内容が一致していない
未提出の届出が少なく、必要資料も揃っている場合は、更新申請と並行して対応できることがあります。
一方で、決算変更届が数年分たまっている場合や、人的要件の変更に空白期間がある場合は、短期間で整理できないこともあります。
また、役員変更や本店移転のように事実関係を確認しやすい変更と、常勤役員等や営業所技術者等のように許可要件そのものに関わる変更では、対応の難しさが異なります。
満了日の30日前を過ぎている場合は、未提出届の有無だけでなく、更新申請と並行して処理できる内容か、それとも先に事実確認や要件整理が必要かを見極める必要があります。
第5章 始末書や理由書は必要か
建設業許可の更新申請が満了日の30日前を過ぎた場合、
「始末書を提出しなければならないのか」
「遅れた理由を説明する理由書が必要なのか」
と心配される会社様もあります。
東京都知事許可では、満了日の30日前を過ぎたことだけを理由として、始末書や理由書の提出を求める運用ではありません。
そのため、30日前を過ぎている場合でも、まず対応すべきなのは始末書の作成ではなく、更新申請を受け付けてもらえる状態を整えることです。
具体的には、許可満了日までの残り日数を確認し、決算変更届や各種変更届の未提出がないか、現在も許可要件を満たしているか、必要書類を準備できるかを確認します。
ただし、申請内容や届出状況に問題がある場合は、事実関係を説明する資料を求められることがあります。
例えば、常勤役員等や営業所技術者等の変更時期が不明確な場合や、登記内容と建設業許可上の届出内容が一致していない場合などです。
この場合に必要となるのは、30日前を過ぎたことに対する始末書ではなく、個別の事実関係を確認するための説明資料です。
30日前を過ぎた場合でも、通常の更新申請と同様に、現在の許可要件と過去の届出状況を正確に整理して申請を進めます。
第6章 許可満了日までに申請できなかった場合
建設業許可の更新申請が満了日の30日前を過ぎていても、許可の有効期間内に申請が受理されれば、更新手続きを進めることができます。
一方、必要書類の不足や未提出届の整理に時間がかかり、有効期間満了日までに更新申請が受理されなかった場合は、従前の建設業許可が失効します。
建設業許可が失効した後は、遅れて更新申請を行うことはできません。
以前の許可番号を復活させることもできず、再び建設業許可を取得するためには、新規許可申請として手続きをやり直す必要があります。
新規許可申請では、以前に許可を受けていた会社であっても、常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎、営業所、社会保険の加入状況などを改めて確認されます。
また、許可が失効してから新たな許可を取得するまでの間は、原則として500万円以上の建設工事を請け負うことができません。
更新申請の準備中であることや、以前に建設業許可を持っていたことを理由に、失効中も従前どおり工事を請け負えるわけではありません。
30日前を過ぎた段階ではまだ更新できる可能性がありますが、満了日を過ぎると手続きの扱いが大きく変わります。
許可満了日までの残り日数が少ない場合は、申請書類の作成だけでなく、未提出届や許可要件の確認も同時に進め、満了日前の受理を目指します。
建設業許可が失効した場合の再取得や、失効中に請け負える工事の範囲については、「建設業許可の更新忘れで失効した場合|再取得・許可番号・工事受注の注意点」をご確認ください。
第7章 30日前を過ぎたら早急な対応が必要
建設業許可の更新申請は、満了日の30日前を過ぎたからといって、直ちにできなくなるわけではありません。
東京都知事許可では、許可の有効期間が残っていれば、更新申請を受け付けてもらえる場合があります。
ただし、30日前を過ぎた後は、通常の更新準備よりも時間的な余裕がありません。
直近5年分の決算変更届、役員や営業所の変更届、常勤役員等や営業所技術者等の在籍状況、社会保険の加入状況などを短期間で確認する必要があります。
未提出の届出がある場合や、人的要件に変更がある場合は、更新申請だけでは対応できないこともあります。
また、許可満了日までに更新申請が受理されなければ、従前の建設業許可は失効します。
その場合は、新規許可申請として建設業許可を取り直さなければなりません。
30日前を過ぎたことに気づいた場合は、まず許可通知書で満了日を確認し、過去の申請書副本や変更届、決算変更届を揃えたうえで、更新申請が可能な状態かを早急に整理します。
当事務所では、東京都知事許可の更新申請だけでなく、未提出の決算変更届や変更届の確認、更新期限が迫っている場合の対応にも取り組んでいます。
建設業許可の満了日まで日数が少ない場合は、そのままにせず、早めにご相談ください。
建設業許可の更新期限だけでなく、毎年の決算変更届や各種変更届を継続して管理したい会社様には、建設業許可顧問サービス「許可防衛パック」もご案内しています。









