東京都墨田区で、塗装工事業を営む会社様から一般建設業許可の新規申請についてご相談をいただきました。
こちらの会社では、これまで塗装工事を中心に営業してきましたが、元請業者や施主から、
「今後も取引を続けるために建設業許可を取得してほしい」
と求められる機会が増えていました。
工事金額にかかわらず、発注先を建設業許可業者に限定する元請業者も増えており、今後より大きな塗装工事を安定して受注していくためにも、建設業許可を取得しておきたいというご相談でした。
そこでまず、会社が一般建設業許可の要件を満たしているかを確認しました。
今回の会社では、
・法人設立から7年以上経過していること
・代表取締役について5年以上の建設業の経営経験を確認できること
・代表取締役が一級塗装技能士を保有していること
・社会保険への加入状況に問題がないこと
・財産的基礎を満たしていること
・本店所在地の倉庫兼事務所を営業所として使用していること
などを確認しました。
特に、常勤役員等については、法人設立後の工事請求書や入金記録を確認しながら、代表取締役の建設業に関する経営経験を整理しました。
営業所技術者等については、代表取締役が一級塗装技能士の資格を保有していたため、塗装工事業の技術者要件を満たすことができました。
元請業者や施主から建設業許可取得を求められたことをきっかけに、これまで積み重ねてきた会社の実績と代表取締役の資格を活かして、東京都へ塗装工事業の一般建設業許可を新規申請した事例をご紹介します。
第1章 元請・施主から建設業許可取得を求められた
今回ご相談いただいたのは、東京都墨田区で塗装工事を中心に営業している会社様です。
これまで建設業許可を取得せずに営業していましたが、元請業者や施主から建設業許可の取得を求められる機会が増えていました。
特に、今後も継続して取引をしていくために、
「建設業許可を取得してほしい」
と求められる場面が増えてきたことから、新規申請を検討することになりました。
建設業許可は、一定金額以上の工事を請け負う場合に必要となる許可ですが、実際の取引では工事金額だけが判断基準になるとは限りません。
元請業者や施主側のコンプライアンス方針によって、建設業許可を持っている会社へ優先的に発注したいと考えるケースもあります。
今回の会社でも、今後より大きな塗装工事を安定して受注していくためには、建設業許可を取得しておいた方がよいと判断されました。
そこで、まず現在の会社状況を確認し、
・常勤役員等の経験要件を満たしているか
・営業所技術者等の要件を満たす資格者がいるか
・財産的基礎に問題がないか
・社会保険の加入状況に問題がないか
・現在の事務所を建設業の営業所として使用できるか
といった点を一つずつ確認していきました。
結果として、代表取締役の経営経験や一級塗装技能士の資格など、建設業許可取得に必要となる要件を社内で整えられる見込みが確認できたため、塗装工事業の一般建設業許可申請に向けて準備を進めることになりました。
第2章 法人設立から7年の経営経験を確認
常勤役員等については、代表取締役が要件を満たしているかを確認しました。
今回の会社では、代表取締役が唯一の取締役であり、法人設立からすでに7年以上が経過していました。
そのため、会社設立後の期間について、実際に建設業を営んでいたことを確認できれば、常勤役員等に必要となる経営経験を整理できる可能性があります。
そこで、過去の工事請求書や入金記録などを確認しながら、代表取締役が継続して塗装工事を請け負ってきたことを整理しました。
建設業許可では、単に法人の設立から5年以上経過しているだけでは足りません。
その期間について、建設業の経営に携わっていたことを確認できる資料が必要になります。
今回の会社では、法人設立後の工事実績が継続しており、請求書や入金記録も残っていたため、代表取締役の経営経験を確認することができました。
結果として、常勤役員等に必要となる5年以上の建設業の経営経験を満たしていることを確認できました。
今回は他社での役員経験を使うのではなく、自社での経営実績だけで要件を整理できたため、会社設立後の資料を中心に申請準備を進めることができました。
第3章 一級塗装技能士で営業所技術者等の要件を確認
営業所技術者等については、代表取締役が保有している資格を確認しました。
今回の社長様は、技能検定の一級塗装技能士に合格しており、その資格によって塗装工事業の営業所技術者等の要件を満たすことができました。
建設業許可では、営業所ごとに、許可を受ける業種に対応した営業所技術者等を配置する必要があります。
今回申請するのは塗装工事業ですので、塗装工事業に対応する資格を持つ方が社内にいるかを確認しました。
その結果、代表取締役ご自身が一級塗装技能士を保有していたため、別途、資格者を採用する必要はありませんでした。
また、今回の会社では代表取締役が、
・常勤役員等
・営業所技術者等
の両方を兼ねる形となります。
同一営業所でそれぞれの要件を満たしていれば、同じ人物が常勤役員等と営業所技術者等を兼任することは可能です。
今回については、代表取締役の経営経験によって常勤役員等の要件を確認し、一級塗装技能士の資格によって営業所技術者等の要件も確認できました。
人的要件については、代表取締役一人で両方を満たせる体制だったため、塗装工事業の新規申請に向けてスムーズに準備を進めることができました。
第4章 社会保険・財産的基礎を確認
人的要件を確認した後は、社会保険の加入状況と一般建設業許可の財産的基礎について確認しました。
今回の会社では、健康保険・厚生年金保険に加入しており、社会保険の加入状況について問題はありませんでした。
また、従業員を雇用している会社であったため、労働保険についても加入状況を確認しました。
建設業許可では、社会保険の加入が必要となる事業所について、適切に加入していることが求められます。
今回については、申請前の確認段階で必要な加入手続きが済んでいたため、追加の対応は必要ありませんでした。
あわせて、一般建設業許可の財産的基礎についても直近の決算書を確認しました。
今回の会社は財務状況も安定しており、貸借対照表上の純資産額が500万円を超えていました。
そのため、一般建設業許可に必要となる財産的基礎についても問題なく要件を満たしていることを確認できました。
新規申請では、人的要件だけでなく、社会保険や財産的基礎も含めて会社全体の状況を確認する必要があります。
今回の会社では、これらの要件についてもすでに整っていたため、追加の資金準備や加入手続きを行うことなく、申請準備を進めることができました。
第5章 倉庫兼事務所の営業所要件を確認
今回の会社では、登記上の本店所在地と建設業許可上の営業所を同じ場所とする予定でした。
営業所として使用しているのは、倉庫を併設した事務所です。
そこで、建設業許可の新規申請にあたり、実際に営業所として使用できる状態になっているかを確認するため、現地へ伺いました。
建設業許可上の営業所は、単に会社の所在地として登記されているだけでは足りません。
実際に建設工事の請負契約に関する業務を行う拠点としての実態があることが求められます。
今回の営業所については、
・事務スペースが確保されていること
・事務机や事務機器が配置されていること
・来客対応や打ち合わせができる環境になっていること
・継続して会社の営業拠点として使用していること
などを確認しました。
また、申請に必要な営業所の外観や内部の状況についても確認し、写真資料を準備しました。
倉庫と事務所が同じ場所にある場合でも、実際に会社の営業活動を行う事務スペースが確保されていれば、建設業許可上の営業所として使用できるケースがあります。
今回の会社では、倉庫だけではなく事務所としての使用実態も確認できたため、その所在地を建設業許可上の営業所として申請することになりました。
第6章 東京都へ塗装工事業の新規申請
ここまでの確認で、塗装工事業の一般建設業許可申請に必要となる要件を一通り整えることができました。
今回の会社では、
・代表取締役について5年以上の建設業の経営経験を確認
・一級塗装技能士により営業所技術者等の要件を確認
・社会保険の加入状況を確認
・直近決算で財産的基礎を確認
・倉庫兼事務所について営業所としての使用実態を確認
という流れで申請準備を進めました。
特に、代表取締役が常勤役員等と営業所技術者等の両方を兼ねることができたため、人的要件について社内で完結できたことは大きなポイントでした。
また、営業所についても現地で使用状況を確認し、申請に必要な写真資料を準備しました。
必要書類を整えたうえで、東京都へ塗装工事業の一般建設業許可を新規申請し、無事に受理されました。
今回の会社では、元請業者や施主から建設業許可の取得を求められる機会が増えたことが申請のきっかけでした。
これまで積み重ねてきた経営実績と、一級塗装技能士の資格を活かすことで、外部から新たに資格者を採用することなく許可取得に必要な体制を整えることができました。
建設業許可を取得したことで、今後はこれまで以上に受注できる工事の幅を広げ、元請業者や施主からの要請にも対応できる体制になりました。









