【東京都目黒区】特定建設業許可取得後の常勤役員等変更|複数法人の経営経験を通算して対応

建設業許可は、取得して終わりではありません。

許可取得後も、役員の変更や営業所技術者等の変更、常勤役員等の変更など、会社の状況に応じてさまざまな変更手続が必要になります。

今回は、東京都目黒区の建設会社様からご依頼いただき、特定建設業許可における常勤役員等の変更手続を行いました。

新たに常勤役員等となる方については、現在の会社での経営経験だけでは必要期間を満たさなかったため、関連会社の取締役経験や、吸収合併によって解散した旧会社での代表取締役経験も含めて、複数法人にまたがる経営経験を通算して確認する必要がありました。

会社の再編や法人の新設を経ている場合、単純に現在の履歴事項全部証明書だけを確認しても、過去の経営経験を把握できないことがあります。

本記事では、複数法人での役員経験をどのように整理し、常勤役員等の変更手続につなげたのか、実際の対応事例をもとにご紹介します。

第1章 ご相談の背景

今回ご依頼いただいたのは、東京都目黒区で特定建設業許可を取得している建設会社様です。

もともと建設業許可に関する手続は社内で管理されていましたが、特定建設業許可の取得をきっかけに当事務所へご依頼いただき、その後も変更届などの手続を継続してお任せいただいています。

今回は、これまで常勤役員等を務めていた方から、別の取締役の方へ常勤役員等を変更する必要が生じました。

建設業許可における常勤役員等は、単に取締役へ就任していればよいわけではなく、建設業に関する一定期間の経営経験などを満たしている必要があります。

今回、新たに常勤役員等となる方について確認したところ、現在の会社での役員経験だけでは必要な経営経験期間を満たしていませんでした。

そこで、現在の会社での経験だけではなく、過去に在籍していた関連会社での取締役経験や、吸収合併によって解散した旧会社での代表取締役経験までさかのぼり、これらを通算して要件を確認することになりました。

複数の法人をまたいで経営経験を確認する場合には、それぞれの在任期間だけでなく、各法人の沿革や合併の経緯も含めて整理する必要があります。

今回の手続では、まず過去の法人関係と役員歴を時系列で整理するところから確認を進めました。

第2章 常勤役員等の経営経験をどう整理したか

常勤役員等の要件を確認するうえで、今回のポイントとなったのが経営経験の通算です。

新たに常勤役員等となる方は、現在の会社だけで必要な経営経験期間を満たしていたわけではありません。

そこで、これまでの役員歴を確認したところ、現在の会社での役員経験に加えて、関連会社での取締役経験、さらに吸収合併によって解散した旧会社での代表取締役経験があることが分かりました。

このような場合、現在の会社だけを見て判断するのではなく、それぞれの法人での役員経験を個別に確認し、要件上有効な期間を整理していく必要があります。

今回については、

  • 現在の会社での役員経験
  • 関連会社での取締役経験
  • 旧会社での代表取締役経験

という複数の期間を時系列で整理し、重複や空白期間がないかを確認しました。

特に注意が必要だったのは、旧会社がそのまま存続しているわけではなく、関連会社へ吸収合併された後に解散していた点です。

そのため、単に現在取得できる履歴事項全部証明書だけで確認するのではなく、過去の登記記録も含めて、当時の会社の存在、役員としての在任期間、吸収合併の経緯をつなげて確認する必要がありました。

建設業許可の経営経験は、会社名が変わったり、法人が統合されたりしただけで自動的に無効になるものではありません。

一方で、どの法人で、どの立場で、どの期間、建設業の経営に関与していたのかを客観的に確認できる資料がなければ、経験として認めてもらうことはできません。

今回のように複数法人にまたがる場合は、最初に会社の沿革と役員歴を一本の時系列に並べて整理しておくことが重要になります。

第3章 3社すべてが建設業許可業者だった

今回、経営経験を整理するうえで大きなポイントとなったのが、これまで在籍していた3社が、いずれも建設業許可業者だったことです。

新たに常勤役員等となる方は、

現在の会社での役員経験

関連会社での取締役経験

吸収合併によって解散した旧会社での代表取締役経験

を有していました。

そして、これら3社はいずれも建設業許可を取得していた会社でした。

常勤役員等の経営経験を確認する場合、単に取締役や代表取締役として在任していた期間だけではなく、その法人が建設業を営んでいたことを確認する必要があります。

今回については、各法人が建設業許可業者であったため、それぞれの法人での役員在任期間と許可状況を照らし合わせながら、建設業に関する経営経験として通算できる期間を整理しました。

特に旧会社は、関連会社へ吸収合併されたことによって解散しているため、現在の登記情報だけでは当時の状況を確認することができません。

そこで、過去の登記記録に加え、旧会社が建設業許可を受けていた期間も確認し、代表取締役としての在任期間との対応関係を整理しました。

同様に、関連会社での取締役経験、現在の会社での役員経験についても、それぞれ建設業許可業者としての期間を確認しています。

複数法人での経営経験を通算する場合には、「役員だった期間」だけをつなげるのではなく、「建設業を営む法人で経営に関与していた期間」を法人ごとに確認していくことが重要です。

今回のように会社の新設や吸収合併を経ている場合でも、各法人の許可状況と役員歴を時系列で整理することで、常勤役員等の経営経験として組み立てられる場合があります。

第4章 3社の経営経験を時系列で整理

今回の常勤役員等変更では、3社にまたがる経営経験をどのようにつないで整理するかが重要なポイントでした。

新たに常勤役員等となる方は、現在の会社での役員経験だけでなく、関連会社での取締役経験、さらに吸収合併によって解散した旧会社での代表取締役経験を有していました。

しかも、これら3社はいずれも建設業許可業者です。

そこで、それぞれの法人について、

  1. 役員として在任していた期間
  2. 建設業許可を受けていた期間
  3. 役職の内容
  4. 法人の設立、合併、解散などの沿革

を確認し、経営経験として評価できる期間を時系列で整理しました。

複数法人での経験を通算する場合には、単純に登記上の役員在任期間を足し合わせればよいわけではありません。

たとえば、役員として在任していても、その期間に当該法人が建設業許可を受けていたのか、建設業の経営に関与していたと確認できるのかといった点を、法人ごとに確認していく必要があります。

また、今回のように旧会社が吸収合併によって解散している場合には、現在の会社と関連会社だけを見ても、過去の経営経験の全体像は分かりません。

そのため、旧会社の登記記録や許可状況までさかのぼり、現在の会社、関連会社、旧会社の3社を一本の時系列として整理しました。

この整理によって、それぞれの法人での経験期間がどのようにつながっているのかを明確にし、常勤役員等として必要な経営経験を満たしていることを確認しました。

会社の再編や新設を挟んでいる案件では、現在の法人だけで判断せず、過去の法人まで含めて役員歴と許可歴を整理することが、要件確認の基本になります。

第5章 常勤役員等変更に向けて確認した資料

経営経験の整理ができた後は、その内容を裏付ける資料を確認していきました。

今回のように複数の法人での経営経験を通算する場合には、それぞれの法人について、役員として在任していた事実と、建設業許可業者であったことを確認できる資料が必要になります。

そのため、現在の会社だけでなく、関連会社、さらに吸収合併によって解散した旧会社についても、過去の登記記録や建設業許可に関する資料を確認しました。

特に旧会社については、すでに法人としては存在していないため、現在取得できる資料だけでは経歴を確認できません。

過去の登記記録をさかのぼり、代表取締役として在任していた期間や、吸収合併によって解散した時期を確認したうえで、当時の建設業許可の状況と照らし合わせて整理しました。

また、関連会社についても、取締役としての在任期間と建設業許可の期間を確認し、どの期間を経営経験として使用するのかを明確にしました。

このように、複数法人にまたがる経営経験を使用する場合には、必要な年数だけを先に数えるのではなく、それぞれの期間を裏付ける資料が実際に揃うかどうかまで確認しておくことが重要です。

要件上は経験年数を満たしているように見えても、過去の登記や許可資料が確認できなければ、申請手続でその経験を十分に立証できない場合があります。

今回の案件では、3社それぞれの役員歴と許可歴を資料で確認しながら、常勤役員等変更に必要な経営経験を組み立てていきました。

第6章 東京都へ常勤役員等の変更届を提出

必要な経営経験とその裏付け資料を整理したうえで、東京都へ常勤役員等の変更届を提出しました。

今回の案件では、新たに常勤役員等となる方の経営経験が1社だけで完結しておらず、現在の会社、関連会社、吸収合併によって解散した旧会社の3社にまたがっていました。

そのため、それぞれの法人での役員在任期間と建設業許可の状況を整理し、どの期間を経営経験として使用するのかが分かるようにしたうえで手続を進めています。

常勤役員等の変更は、役員変更の届出とは別に、建設業許可の経営管理体制に関わる重要な手続です。

特に特定建設業許可を取得している会社では、許可取得後も経営管理体制を継続して維持していく必要があるため、常勤役員等の交代がある場合には、後任者が要件を満たしているかを事前に確認しておくことが重要です。

今回のように、会社の新設や吸収合併、関連会社への役員就任などを経ている場合でも、過去の経営経験を適切に整理することで、常勤役員等の要件を確認できるケースがあります。

一方で、役員歴が長いというだけでは足りず、建設業を営んでいた法人での経営経験として立証できるかどうかまで確認しなければなりません。

当事務所では、現在の会社だけで判断するのではなく、過去の法人や関連会社まで含めて経歴を確認し、建設業許可上どのように整理できるかを検討したうえで変更手続を行っています。

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