家族経営をしている建設業者さんは、父親が社長で奥様が経理担当、息子も取締役に入って現場を取り仕切るって会社さんが多かったります。
皆が元気で働いているうちはいいのですが、高齢の父親が死亡してしまったなんてこともあります。
関与先の会社様でも同様なケースが発生してしまい、慌てて息子さんから連絡がありました。
父親が経営業務の管理責任者、息子が代表取締役に就任しており、専任の技術者のポストもになっていました。
新規で建設業許可を取得する際、父親が他社の取締役として在任している期間を実務経験証明して経営業務の管理責任者としていましたが、その父親が急死。
現時点での息子さんの取締役在任期間は4年8ヶ月でしたので、実務経験の5年間を満たしていない。。。
こんな場合はどうなるのか?
残念ですが、経営業務の管理責任者が死亡した時点で建設業許可は失効となります。
あと4ヶ月経過していれば、スムーズに交代ができていたのですが、経験年数は水増しできません。
いまできることは、役員の変更登記ぐらいしかありません。
社長である息子さんの実務経験が5年に達するタイミングで新規で建設業許可申請をすることになります。
経営業務の管理責任者としての実務経験5年を経てから建設業許可を新規申請
まず、代表取締役である息子さんの実務経験は、父親が急死した時点で4年8ヶ月でした。
その実務経験の内訳は
- 他社の取締役在任期間 2年5ヶ月
- 自社の取締役在任期間 2年3ヶ月
残り4ヶ月分の実務経験を証明する資料として、施主・元請業者からの発注書、請求書と通帳の原本を揃えます。
この期間は建設業許可が失効しているため、受注できる工事の施工金額は500万円を超えない範囲となります。
専任の技術者としての資格
代表取締役である息子さんが2級建築施工管理技士(仕上げ)の資格を持っているので、資格証原本を提示することで足ります。
建設業許可の新規申請の審査期間は約30日かかります
全ての書類を揃えて建設業許可を新規申請しました。
知事許可の場合は、申請書が受理されてから約30日後に許可となります。許可通知書が届くまでは受注金額の制限を受けますので注意が必要です。
このように経営業務の管理責任者の交代は建設業許可の要件に係る重要な手続きですので、変更届をスムーズに進めるよう心がけます。