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建設業許可における消防施設工事業とは
建設業許可における消防施設工事業とは、火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取り付ける工事です。
消防施設工事業の例
実際に請負う建築工事のなかで、どんなものが消防施設工事業にあたるのか例を挙げてみます。以下の工事内容を参考にしてください。
- 屋内消火栓設置工事
- スプリンクラー設置工事
- 水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事
- 屋外消火栓設置工事
- 動力消防ポンプ設置工事
- 火災報知設備工事
- 漏電火災警報器設置工事
- 非常警報設備工事
- 金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事
建設業許可の消防施設工事業を取得するための要件
建設業許可の消防施設工事業を取得するためには、大きく3つの要件をクリアすることが必要です。
これらの要件は、他の建設業許可の業種においても共通する項目ですのでしっかり確認してください。
要件 1 消防施設工事業の経営業務の管理責任者を配置する
建設業許可の消防施設工事を経営面でしっかり管理できる人材を営業所毎に常勤させる必要があります。
この経営業務の管理責任者は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
- 消防施設工事業を営んでいた会社の役員(取締役)として5年以上の在任経験がある
- 消防施設工事業以外の工事業を営んでいた会社において役員(取締役)として6年以上の在任経験がある
- 消防施設工事業を個人事業主として5年以上営んでいる
- 消防施設工事業以外の工事業を個人事業主として7年以上営んでいる
これらの実務経験を証明する書類を揃えることになります。
要件 2 消防施設工事業の専任技術者を配置する
建設業許可の消防施設工事を技術面でしっかり管理できる技術者を営業所毎に常勤させる必要があります。
この専任技術者は、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
その1 消防施設工事業の専任技術者としての資格を持っている
次にあげる建設業法等で定められた資格を有していること
資格の名称 消防法「消防設備士試験」 | 一般 | 特定 |
甲種消防設備士 | ◯ | |
乙種消防設備士 | ◯ |
資格保有者を専任技術者とする場合、その資格証の原本を提示し写しを提出することで要件を満たしていることを証明します。
※職業能力開発促進法の「技能検定」において、等級区分が二級のものは、合格後に一定の実務経験が必要です。
その2 指定学科を卒業し、消防施設工事業に携わった実務経験がある
- 指定学科:建築学、機械工学
- 高校もしくは中等教育学校卒業の場合:卒業後5年以上の実務経験
- 大学・高等専門学校卒業の場合:卒業後3年以上の実務経験
卒業証明書等の原本を提示し、写しを提出します。さらに実務経験の年数分の証明書類を揃える必要があります。
注意 無資格での実務経験が認められません
消防施設工事業許可(一般建設業許可)を申請する場合の専任技術者は、 無資格者の実務経験は認められません。
消防法の甲種消防設備士か乙種消防設備士の資格保有者を配置しないと建設業許可の申請ができないので注意が必要です!
また、消防施設工事業許可の特定建設業を申請する際の専任技術者は、甲種消防設備士、乙種消防設備士の資格を保有していることに加えて、2年間以上の指導監督的実務経験も求められます。
要件 3 消防施設工事請負契約を履行できるだけの財産的基礎または金銭的信用があること
財産的基礎または金銭的信用があることについては、建設業許可を受けようとする業種が一般建設業許可か特定建設業許可によって変わります。
一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力のあること
※500万円の資金調達能力は、会社に500万円以上の預金残高がある状態でその金融機関から「預金残高証明書」を発行してもらう。 - 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
特定建設業許可の場合
次の全てに該当すること
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率が75%以上あること
- 資本金が2000万円以上あること
- 自己資本が4000万円以上あること