東京都葛飾区の建具メーカー様から、一般建設業許可(建具工事業)を取得したいとのご相談をいただきました。
こちらの会社様は、長年にわたり建具の製造・販売を行っていましたが、数年前から建具の納品だけでなく、取付け工事まで一貫して請け負う案件が増えていました。
今後さらに大きな建具工事を受注していくため、建設業許可の取得を検討されていました。
今回の申請で大きなポイントとなったのが、営業所技術者等の要件です。
営業所技術者等となる方は国家資格を保有していませんでしたが、大学で建具工事業に対応する指定学科を卒業しており、さらに3年以上の建具工事に関する実務経験がありました。
そこで、大学の指定学科卒業と3年以上の実務経験を組み合わせて、一般建設業許可(建具工事業)の営業所技術者等の要件を証明することにしました。
実務経験については、過去の工事請求書と入金履歴を確認しながら必要期間を整理しました。
また、営業所は自社所有ビルを使用していたため、不動産登記簿謄本を用意して営業所の使用権原を確認しています。
常勤役員等、営業所技術者等、営業所、財産的基礎などの許可要件を一つずつ整理したうえで東京都へ新規申請を行い、一般建設業許可(建具工事業)を取得することができました。
第1章 建具の納品から施工まで請け負うため建設業許可を検討
今回のお客様は、東京都葛飾区で長年にわたり建具の製造・販売を行っている会社様です。
もともとは建具メーカーとして営業していましたが、数年前から建具を納品するだけでなく、現場での取付け工事まで一貫して請け負う案件が増えていました。
建具の製造や販売だけであれば建設業許可の問題は生じませんが、建具の取付け工事を請け負う場合は建設工事に該当します。
そして、1件の請負代金が500万円以上となる建具工事を請け負うためには、建具工事業の建設業許可が必要です。
今後さらに工事を含む案件を増やしていきたいとのことで、一般建設業許可(建具工事業)の新規取得についてご相談をいただきました。
建設業許可の新規申請では、まず現在の会社が許可要件を満たしているかを一つずつ確認します。
今回も、
常勤役員等の経営経験
営業所技術者等の資格または実務経験
財産的基礎
社会保険への加入状況
営業所の実態
などを確認したうえで、申請方針を決めていきました。
常勤役員等については、営業部長も兼ねる取締役の方が候補となりました。
この方は取締役就任後すでに6年以上が経過しており、その期間について会社が実際に建設業を営んでいたことを、工事請求書と入金履歴を確認しながら整理しました。
一方、営業所技術者等については国家資格者ではなく、大学の指定学科を卒業した方の実務経験を使って要件を満たすことになりました。
今回の建設業許可申請では、この「大学の指定学科卒業+3年以上の実務経験」による営業所技術者等の証明が重要なポイントとなりました。
第2章 大学の指定学科卒業+3年の実務経験で営業所技術者等を証明
今回の申請で最も重要だったのが、建具工事業の営業所技術者等の要件です。
営業所技術者等となる方は、建具工事業に対応する国家資格を保有していませんでした。
そこで確認したところ、大学で建具工事業に対応する指定学科を卒業しており、さらに建具工事に関する実務経験も3年以上ありました。
一般建設業許可では、許可を受けようとする業種について指定学科を修めて卒業している場合、通常より短い実務経験で営業所技術者等の要件を満たすことができます。
今回のように大学を卒業している場合は、指定学科を修めたことに加えて、許可を受けようとする建具工事について3年以上の実務経験が必要です。
そのため、まず大学の卒業関係資料を確認し、建具工事業の指定学科に該当することを確認しました。
そのうえで、実際に3年以上の建具工事に従事していたことを証明するため、会社に残っている工事請求書と入金履歴を確認していきました。
実務経験を証明する場合は、単にその会社に3年以上在籍していたというだけでは足りません。
対象となる期間に、実際に建具工事を請け負っていたことが確認できる資料を揃える必要があります。
今回の会社様では、過去の請求書から建具工事に該当する案件を抽出し、それぞれについて入金履歴と照合しながら必要な実務経験期間を整理しました。
国家資格を持っていなくても、学歴と実務経験の組み合わせによって営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
特に大学、高等専門学校、高等学校などで建設業法上の指定学科を修めている方が社内にいる場合は、資格者がいないという理由だけで建設業許可を諦める必要はありません。
今回の会社様も、大学の指定学科卒業と3年以上の建具工事の実務経験を組み合わせることで、一般建設業許可(建具工事業)の営業所技術者等の要件を満たすことができました。
第3章 常勤役員等の経営経験は取締役としての6年以上で確認
建設業許可では、営業所技術者等だけでなく、建設業の経営業務を適切に管理するための常勤役員等を置く必要があります。
今回の会社様では、営業部長も兼ねている取締役の方を常勤役員等として申請することになりました。
この方は取締役に就任してから6年以上が経過していました。
ただし、取締役として登記されている期間が長いというだけで、建設業に関する経営経験を当然に証明できるわけではありません。
その期間に会社として実際に建設業を営んでいたことを確認できる資料も必要になります。
そこで、取締役として在任していた期間について、会社が建具工事を請け負っていたことが分かる工事請求書を確認し、あわせて請負代金の入金履歴も整理しました。
今回の会社様は、以前から建具メーカーとして営業していましたが、数年前から建具の納品に加えて取付け工事まで請け負う案件が増えていました。
そのため、会社の取引資料の中から建設工事に該当する案件を抽出し、必要となる経営経験期間を確認していきました。
建設業許可の新規申請では、役員としての在任期間と、会社がその期間に建設業を営んでいたことの両方を確認しながら常勤役員等の要件を整理することが重要です。
今回のケースでは、取締役として6年以上在任していたことに加え、その間の建具工事について請求書と入金履歴を確認できたため、常勤役員等の経営経験についても問題なく申請を進めることができました。
第4章 自社所有ビルを営業所として申請
建設業許可を取得するためには、建設業の営業を行う実態のある営業所を設けていることも必要です。
今回の会社様は、東京都葛飾区にある自社所有ビルを営業所として使用していました。
建設業許可上の営業所は、単に会社の所在地として登記されていればよいわけではありません。
請負契約の見積りや契約締結など、建設業に関する営業活動を実際に行うことができる事務所としての実態が求められます。
今回の営業所については、実際に現地を確認し、事務所として使用されている状況や営業に必要な設備などを確認しました。
また、自社所有の建物であったため、営業所の使用権原を確認する資料として不動産登記簿謄本を用意しました。
賃貸物件を営業所として使用する場合は、賃貸借契約書などによって使用権原を確認することになりますが、自社所有物件の場合は不動産登記簿謄本によって所有関係を確認することができます。
今回の会社様では、営業所としての実態にも問題がなく、所有関係についても資料で確認できたため、営業所要件についてはスムーズに整理することができました。
建設業許可の新規申請では、常勤役員等や営業所技術者等の要件に目が向きがちですが、営業所についても申請前に確認しておくことが重要です。
特に、自宅、賃貸物件、他法人と同じ建物などを営業所として使用する場合は、使用権原や事務所としての独立性について追加の確認が必要になることがあります。
今回のケースでは、自社所有ビルを営業所として使用し、不動産登記簿謄本を添付して一般建設業許可(建具工事業)の申請を進めました。
第5章 社会保険の加入状況と常勤性を確認
建設業許可の新規申請では、社会保険への加入状況についても確認が必要です。
今回の会社様は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険など必要な社会保険に加入していました。
一方で、健康保険については一般的な協会けんぽではなく、組合健康保険に加入していました。
そのため、当時の申請では、常勤役員等や営業所技術者等が実際に会社に常勤していることを確認するため、通常の健康保険関係資料だけではなく、追加の確認資料も準備して申請を進めました。
建設業許可では、常勤役員等と営業所技術者等について、単に役職や資格を満たしているだけでは足りません。
実際にその会社、その営業所に常勤していることも確認されます。
今回の会社様では、営業部長を兼ねる取締役を常勤役員等とし、大学の指定学科卒業と3年以上の実務経験を有する方を営業所技術者等として申請しました。
それぞれについて、会社との雇用関係や常勤性を確認できる資料を整えたうえで申請しています。
また、財産的基礎については、直前の決算内容を確認したところ十分な純資産があり、一般建設業許可に必要な要件を満たしていました。
そのため、営業所技術者等の指定学科卒業と実務経験、常勤役員等の経営経験、営業所の使用権原、社会保険への加入状況、財産的基礎といった各要件を一つずつ整理し、東京都への新規申請に向けて書類を完成させました。
第6章 指定学科卒業+実務経験で建具工事業の許可を取得
今回の会社様は、東京都葛飾区で長年にわたり建具の製造・販売を行っていました。
その後、建具の納品だけでなく取付け工事まで一貫して請け負う案件が増え、より大きな工事を受注するために一般建設業許可(建具工事業)の取得を進めることになりました。
今回の申請で特に重要だったのが、営業所技術者等の要件です。
営業所技術者等となる方は国家資格を保有していませんでしたが、大学で建具工事業に対応する指定学科を修めて卒業しており、さらに3年以上の建具工事に関する実務経験を有していました。
そこで、大学の指定学科卒業と3年以上の実務経験を組み合わせて営業所技術者等の要件を証明しました。
実務経験については、会社に残っていた建具工事の請求書と入金履歴を確認し、対象となる工事と経験期間を整理しました。
また、常勤役員等についても取締役としての経営経験を確認し、営業所は自社所有ビルであることから、不動産登記簿謄本を用意して使用権原を確認しました。
社会保険への加入状況、常勤性、財産的基礎などについても必要な資料を整え、東京都へ一般建設業許可(建具工事業)の新規申請を行いました。
申請は問題なく受理され、その後、建具工事業の建設業許可を取得することができました。
建設業許可の営業所技術者等というと、国家資格が必要だと思われることがあります。
しかし、一般建設業許可では、許可を受けようとする業種に対応する指定学科を卒業している場合、学歴と一定期間の実務経験を組み合わせて営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
社内に国家資格者がいない場合でも、大学や高校などで学んだ学科と、その後の工事経験を確認することで建設業許可を取得できる可能性があります。
今回の事例は、大学の指定学科卒業と3年以上の建具工事の実務経験を活用し、一般建設業許可(建具工事業)を取得したケースとなりました。









