東京都で解体工事業の建設業許可を取得したい会社様から、次のようなご相談をいただくことがあります。
木造住宅や建物解体の請負金額が500万円を超えるようになってきた。
元請会社から、建設業許可がないと発注できないと言われた。
解体工事業登録をしているが、建設業許可も必要なのか分からない。
内装解体や原状回復工事が、解体工事業にあたるのか確認したい。
解体工事業は、建物や工作物を解体する工事を行う業種です。
木造住宅の解体、鉄骨造建物の解体、鉄筋コンクリート造建物の解体、工作物の解体、内装解体、原状回復工事に伴う撤去工事などが関係します。
解体工事業で特に分かりにくいのが、解体工事業登録と建設業許可の違いです。
解体工事業登録をしていても、1件の請負金額が500万円以上となる解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
また、解体工事業は、とび・土工工事業、内装仕上工事業、産業廃棄物収集運搬業許可などとの関係も問題になりやすい業種です。
この記事では、東京都で解体工事業の建設業許可を取得するために必要な要件、解体工事業登録との違い、500万円基準、営業所技術者等、10年実務経験、許可取得後の手続きまで、行政書士が実務上のポイントを整理して解説します。
目次
第1章 解体工事業とは?東京都で建設業許可が必要となる工事
解体工事業とは、建物や工作物を解体する工事を行う業種です。
建設業許可29業種のうちの1つで、1件の請負金額が500万円以上となる解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
解体工事業は、建物や工作物を取り壊す工事が中心です。
木造住宅を取り壊して更地にする工事だけでなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物を解体する工事、倉庫や工場などの工作物を解体する工事、一部の構造部分を取り壊す工事などが関係します。
一方で、内装のみを撤去する工事や、テナントの原状回復工事に伴う内装撤去は、原則として解体工事業には含めず、内装仕上工事業や各専門工事との関係で整理する必要があります。
そのため、「解体」という言葉が使われていても、すべてが解体工事業に該当するわけではありません。
東京都で解体工事業の建設業許可を申請する場合には、自社が請け負っている工事が、建物や工作物そのものの解体なのか、内装撤去や原状回復工事なのかを整理することが重要です。
また、解体工事に伴う足場工事、はつり工事、コンクリートの切断・穿孔などは、とび・土工工事業との関係を確認する必要があります。
建物全体の解体工事なのか、一部の専門工事なのか、付随する工事なのかによって、必要となる許可業種が変わることがあります。
解体工事業では、解体工事業登録との違いも重要です。
解体工事業登録をしていれば、すべての解体工事を請け負えるわけではありません。
1件の請負金額が500万円未満の解体工事であれば、解体工事業登録で対応できる場合があります。
しかし、1件の請負金額が500万円以上となる解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要です。
この500万円は、消費税込みで判断します。
また、解体工事では、解体作業そのものの費用だけでなく、仮設、養生、重機、運搬、処分などの費用が関係することがあります。
契約書や見積書の記載上は複数の項目に分かれていても、実質的に1つの解体工事として請け負っている場合には、全体の金額で判断する必要があります。
東京都で解体工事業を営む会社様は、500万円を超える工事を請け負う前に、建設業許可が必要かどうかを確認しておくことが大切です。
特に、元請会社、不動産会社、管理会社、ゼネコンなどから建物解体工事を受注する場合には、建設業許可の有無を確認されることがあります。
解体工事業は、工事金額が大きくなりやすく、他業種との区分も問題になりやすい業種です。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得する場合には、まず自社の工事内容、請負金額、解体工事業登録との関係、他業種との違いを整理することが重要です。
第2章 解体工事業登録と建設業許可の違い
解体工事業で特に分かりにくいのが、「解体工事業登録」と「建設業許可」の違いです。
どちらも解体工事に関係する制度ですが、対象となる工事金額や必要となる要件が異なります。
解体工事業登録をしているからといって、すべての解体工事を請け負えるわけではありません。
1件の請負金額が500万円以上となる解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
(1)解体工事業登録とは
解体工事業登録とは、建設リサイクル法に基づく登録制度です。
解体工事を行う事業者が、一定の要件を満たして都道府県に登録する制度です。
東京都内で解体工事業を営む場合には、東京都で解体工事業登録を受けることがあります。
ただし、解体工事業登録で請け負うことができるのは、原則として1件500万円未満の解体工事です。
500万円以上の解体工事を請け負う場合には、解体工事業登録だけでは足りず、建設業許可が必要になります。
(2)建設業許可とは
建設業許可とは、建設業法に基づく許可制度です。
解体工事業について1件500万円以上の工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
建設業許可では、次のような要件が確認されます。
・常勤役員等の要件
・営業所技術者等の要件
・財産的基礎の要件
・営業所の要件
・社会保険の加入
・欠格要件に該当しないこと
つまり、建設業許可では、技術面だけでなく、経営体制、財産状況、営業所の実態、社会保険の加入状況なども確認されます。
(3)500万円未満なら登録、500万円以上なら許可
実務上、まず確認すべきなのは、1件の請負金額です。
・500万円未満の解体工事
解体工事業登録で対応できる場合があります。
・500万円以上の解体工事
原則として、解体工事業の建設業許可が必要です。
ここでいう500万円は、消費税込みの金額です。
税抜金額ではなく、税込金額で判断します。
また、解体工事では、解体作業の費用だけでなく、仮設、養生、重機、運搬、処分などの費用が見積書に含まれることがあります。
契約書や見積書の項目が分かれていても、実質的に1つの解体工事として請け負っている場合には、全体の金額で判断する必要があります。
建設業許可が必要になる500万円の基準とは?判断基準と注意点を解説
(4)登録だけでは足りないケース
解体工事業登録をしていても、次のようなケースでは建設業許可が必要になる可能性があります。
・木造住宅の解体工事が500万円以上になる
・元請会社から建設業許可の取得を求められる
・不動産会社や管理会社から大きな解体工事を受注する
・公共工事や入札参加を検討している
・解体工事の請負金額が年々大きくなっている
これまで解体工事業登録で対応していた会社でも、受注金額が大きくなってきた場合には、建設業許可の取得を検討する必要があります。
(5)技術管理者と営業所技術者等の違い
解体工事業登録では、技術管理者が必要になります。
一方、建設業許可では、営業所技術者等が必要になります。
この2つは似ていますが、同じ制度ではありません。
解体工事業登録の技術管理者として認められている人が、必ず解体工事業の建設業許可における営業所技術者等になれるとは限りません。
建設業許可を取得する際には、その人が営業所技術者等の要件を満たすかどうかを改めて確認する必要があります。
解体工事業登録と建設業許可は、どちらも解体工事に関係する制度ですが、対象となる工事金額と確認される要件が異なります。
東京都で解体工事業を営む場合には、自社の請負金額、工事内容、技術者、営業所、今後の受注方針を踏まえて、登録で足りるのか、建設業許可が必要なのかを整理しておくことが重要です。
第3章 東京都で建設業許可が必要となる500万円基準
解体工事業で建設業許可が必要になるかどうかは、原則として請負金額で判断します。
解体工事業は専門工事です。
そのため、1件の請負代金が500万円以上となる解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
ここでいう500万円は、消費税込みの金額です。
税抜金額ではないため、税抜では500万円未満でも、税込で500万円以上になる場合には注意が必要です。
また、解体工事では、解体作業そのものの費用だけでなく、仮設、養生、重機、運搬、処分などの費用が関係することがあります。
見積書や契約書で項目が分かれていても、実質的に1つの解体工事として請け負っている場合には、全体の金額で判断する必要があります。
たとえば、解体工事費が430万円であっても、廃材処分費や運搬費などを含めて合計が500万円以上になる場合には、建設業許可が必要になる可能性があります。
1つの解体工事を複数の契約に分けている場合も注意が必要です。
正当な理由なく契約を分割している場合には、各契約の金額を合計して判断されることがあります。
同じ現場、同じ発注者、同じ目的の工事であれば、契約書の分け方だけで判断するのではなく、工事全体の一体性を確認する必要があります。
また、建設業許可が必要かどうかは、元請か下請かで決まるわけではありません。
下請として解体工事を請け負う場合でも、1件の請負金額が500万円以上となる場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要です。
一方、1件の請負金額が500万円未満の解体工事であれば、建設業許可が不要となる場合があります。
ただし、建設業許可が不要な場合でも、解体工事業登録が必要になることがあります。
つまり、500万円未満だから何の手続きも不要というわけではありません。
東京都で解体工事業を営む場合には、建設業許可が必要なのか、解体工事業登録で対応できるのかを確認することが大切です。
第4章 解体工事業と他業種との違い
解体工事業は、建物や工作物を解体する工事を行う業種です。
ただし、現場で「解体」「撤去」「はつり」「原状回復」と呼ばれている工事が、すべて解体工事業に該当するわけではありません。
工事の内容によっては、とび・土工工事業、内装仕上工事業、建築一式工事、土木一式工事、産業廃棄物収集運搬業許可などとの関係を整理する必要があります。
東京都で解体工事業の建設業許可を申請する場合には、自社の工事が解体工事業に該当するのか、他の業種として整理すべきなのかを確認することが重要です。
(1)とび・土工工事業との違い
解体工事業と混同されやすいのが、とび・土工工事業です。
解体工事に伴う足場工事、仮設工事、はつり工事、コンクリートの切断穿孔工事などは、とび・土工工事業との関係が問題になることがあります。
建物や工作物そのものを解体する工事であれば、解体工事業として整理される可能性があります。
一方、解体工事そのものではなく、解体工事に伴う足場の組立て、はつり、切断、穿孔、仮設工事などを単独で請け負う場合には、とび・土工工事業が問題になることがあります。
重要なのは、契約上、何の工事を完成させるのかという点です。
建物や工作物を取り壊すことが契約の中心なのか、それとも解体に付随する専門工事を請け負っているのかを整理する必要があります。
(2)内装仕上工事業との違い
テナント工事や原状回復工事では、解体工事業と内装仕上工事業の違いが問題になることがあります。
内装のみを撤去する工事や、テナント退去に伴う内装撤去工事は、原則として解体工事業ではなく、内装仕上工事業や各専門工事との関係で整理する必要があります。
たとえば、間仕切り、天井、床材、壁材、造作物などを撤去する工事は、建物や工作物そのものを解体する工事とは性質が異なります。
「内装解体」という名称が使われることはありますが、建設業許可上の解体工事業に当然に該当するわけではありません。
原状回復工事では、内装撤去、内装仕上、電気工事、管工事、塗装工事などが一体で行われることもあります。
そのため、解体工事業として整理するのではなく、実際の施工内容に応じて、必要な許可業種を確認することが大切です。
(3)建築一式工事との違い
建物に関する工事では、建築一式工事との違いも問題になることがあります。
建築一式工事は、原則として建築物を総合的に企画、指導、調整して建設する工事です。
一方、解体工事業は、建物や工作物を取り壊す専門工事です。
建築一式工事業の許可を持っているからといって、解体工事業に該当する工事を単独で自由に請け負えるわけではありません。
建物解体工事を単独で請け負う場合には、解体工事業の許可が必要になることがあります。
また、建替え工事の中で既存建物の解体が含まれる場合には、工事全体の契約内容や施工体制を確認する必要があります。
建築一式工事なのか、解体工事を単独で請け負っているのかによって、必要な許可業種が変わる可能性があります。
(4)土木一式工事との違い
工作物や土木構造物の解体では、土木一式工事との関係が問題になることがあります。
土木一式工事は、原則として土木工作物を総合的に企画、指導、調整して施工する工事です。
一方、解体工事業は、工作物を解体する専門工事です。
たとえば、土木構造物の撤去や解体を含む工事であっても、工事全体として土木工作物を総合的に施工するものなのか、工作物の解体を単独で請け負うものなのかによって整理が変わります。
単に「撤去工事」「解体工事」と書かれているだけでは判断できない場合があります。
契約内容、施工目的、工事全体の範囲を確認することが重要です。
(5)産業廃棄物収集運搬業許可との違い
解体工事では、木くず、コンクリートがら、金属くず、廃プラスチック類などの廃材が発生します。
この廃材の運搬については、建設業許可とは別に、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になる場合があります。
解体工事業の建設業許可を取得していても、産業廃棄物を他人から委託を受けて運搬する場合には、産業廃棄物収集運搬業許可の要否を確認する必要があります。
つまり、解体工事業の建設業許可は、解体工事を請け負うための許可です。
廃材を収集運搬するための許可とは別の制度です。
解体工事を請け負う会社では、建設業許可だけでなく、廃材の運搬や処分をどのように行うのかも整理しておくことが大切です。
(6)業種区分を整理することが重要
解体工事業は、他業種との境界が問題になりやすい業種です。
特に、内装撤去、原状回復工事、はつり工事、撤去工事、建替えに伴う解体、廃材運搬などでは、工事名だけで判断すると誤ることがあります。
東京都で解体工事業の建設業許可を申請する場合には、次の点を確認しておくことが大切です。
・建物や工作物そのものを解体する工事か
・内装のみの撤去ではないか
・解体に伴う足場やはつりを単独で請け負っていないか
・建築一式工事や土木一式工事との関係はどうか
・廃材の運搬について産業廃棄物収集運搬業許可が必要ではないか
・請求書や契約書の工事名が具体的に記載されているか
解体工事業の許可を取得したい場合でも、実際の工事内容によっては、他の業種や別の許可が必要になることがあります。
許可申請の前に、自社の工事内容を整理し、どの業種で申請すべきかを確認しておくことが、補正や申請後のミスマッチを防ぐポイントです。
第5章 東京都で解体工事業の建設業許可を取得するための要件
東京都で解体工事業の建設業許可を取得するためには、建設業法で定められた要件を満たす必要があります。
解体工事の実務経験があるだけでは、建設業許可を取得できるわけではありません。
建設業許可では、経営体制、営業所技術者等、財産的基礎、営業所の実態、社会保険の加入状況、欠格要件などが確認されます。
解体工事業の建設業許可で主に確認される要件は、次のとおりです。
・常勤役員等の要件
・営業所技術者等の要件
・財産的基礎の要件
・営業所の要件
・社会保険の加入
・欠格要件に該当しないこと
以下、それぞれの要件を整理します。
(1)常勤役員等
建設業許可を取得するためには、常勤役員等の要件を満たす人が必要です。
一般的には、法人であれば取締役、個人事業であれば事業主本人などが、この要件を満たすかどうかを確認します。
もっとも多いのは、建設業に関して5年以上、経営業務の管理責任者としての経験があるケースです。
ここでいう建設業の経験は、解体工事業に限られません。
とび・土工工事業、内装仕上工事業、塗装工事業、防水工事業、管工事業、電気工事業など、他の建設業での経営経験も対象になる可能性があります。
ただし、単に建設会社に勤務していたというだけでは足りません。
取締役、個人事業主、支店長、営業所長など、建設業の経営業務について一定の責任を持つ立場であったことが必要です。
東京都で申請する場合には、登記事項証明書、確定申告書、決算書、請求書、契約書などの資料をもとに、建設業を営んでいた実態と経営経験を確認します。
個人事業から法人化した会社や、親族経営の小規模法人では、過去の事業実態をどのように説明するかが重要になります。
(2)営業所技術者等
解体工事業の建設業許可では、営業所ごとに営業所技術者等を置く必要があります。
営業所技術者等とは、以前の「専任技術者」にあたるものです。
解体工事業では、土木施工管理技士、建築施工管理技士、技術士、解体工事施工技士、登録解体基幹技能者、指定学科卒業後の実務経験、10年以上の実務経験などによって、営業所技術者等の要件を確認することがあります。
解体工事業は、実務経験で申請するケースもある業種です。
その場合には、過去にどのような解体工事を行っていたのか、どの会社で経験したのか、何年分の経験を証明できるのかを整理する必要があります。
単に「解体現場にいた」「撤去作業をしていた」というだけではなく、建物や工作物の解体工事に該当する経験であることを資料で説明できることが重要です。
営業所技術者等の要件については、次章で詳しく解説します。
(3)財産的基礎
一般建設業許可を取得するためには、財産的基礎の要件も必要です。
代表的な確認方法は、自己資本が500万円以上あることです。
法人であれば、直近決算の貸借対照表で純資産の額を確認します。
自己資本が500万円未満の場合でも、500万円以上の資金調達能力を示すことで要件を満たせる場合があります。
東京都の実務では、金融機関が発行する残高証明書を使用することがあります。
解体工事業では、重機、車両、工具などを保有している会社もあれば、必要に応じてリースや外注を利用している会社もあります。
固定資産が多いか少ないかにかかわらず、建設業許可申請では、直近決算や残高証明書によって財産的基礎を確認します。
直前決算が債務超過である場合や、自己資本が500万円未満の場合には、どの方法で財産的基礎を証明するかを事前に整理しておくことが大切です。
(4)営業所要件
東京都で建設業許可を取得するためには、建設業の営業所としての実態も必要です。
営業所とは、請負契約の締結に関する実体的な行為を行う事務所のことです。
見積り、入札、契約締結、工事に関する打ち合わせなどを行う場所が営業所になります。
単なる登記上の本店、郵便物を受け取るだけの場所、資材置場、現場の詰所などは、原則として営業所とはいえません。
東京都では、営業所の外観、入口、郵便受け、看板、事務所内部、机、電話、事務機器などの写真を提出します。
自宅兼事務所の場合には、居住部分と事務所部分が区別されているかも確認されます。
賃貸物件の場合は、営業用事務所として使用できる契約になっているかも重要です。
解体工事業では、現場作業が中心となるため、資材置場、車両置場、重機置場、倉庫を使用している会社もあります。
しかし、建設業許可で必要となる営業所は、あくまで契約締結等を行う事務所です。
資材置場や倉庫があるだけでは、建設業許可上の営業所としては不十分な場合があります。
(5)社会保険
建設業許可では、適切な社会保険に加入していることも要件になります。
法人の場合、原則として健康保険、厚生年金保険の加入が必要です。
従業員を雇用している場合には、雇用保険の加入も確認されます。
解体工事業では、現場作業員、重機オペレーター、職人などを雇用している会社も多いため、社会保険の整理は重要です。
社会保険の加入要件については、別記事で詳しく解説しています。
建設業許可と社会保険の加入要件|未加入だと新規・更新はできる?東京都対応で解説
(6)欠格要件
建設業許可を取得するためには、欠格要件に該当しないことも必要です。
欠格要件とは、一定の事情がある場合に、建設業許可を受けることができないとされる要件です。
法人の場合には、会社だけでなく役員等についても確認されます。
過去の処分歴、一定の刑罰、暴力団員等への該当、申請書類への虚偽記載などが問題になることがあります。
実務上、欠格要件で問題になるケースは多くありません。
しかし、申請内容に誤りがあると、許可申請全体に影響する可能性があります。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得する場合には、これらの要件を事前に確認しておくことが大切です。
特に重要なのは、常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎、営業所要件です。
解体工事業では、建物や工作物の解体工事に該当するか、営業所技術者等の資格や実務経験をどのように証明するかが重要になります。
申請前に、経営経験、技術者、財産状況、営業所の実態、社会保険の加入状況を確認し、提出資料に矛盾がない状態にしておくことが重要です。
第6章 解体工事業の営業所技術者等の要件
解体工事業の建設業許可を取得するためには、営業所ごとに営業所技術者等を置く必要があります。
営業所技術者等とは、以前の「専任技術者」にあたるものです。
建設業許可では、営業所技術者等が、その営業所に常勤し、許可を受けようとする業種について一定の技術的な知識や経験を持っていることが求められます。
解体工事業の場合、資格で要件を満たす方法と、実務経験で要件を満たす方法があります。
特に、10年以上の実務経験で申請する場合には、過去に行っていた工事が解体工事業に該当するかどうかを整理することが重要です。
単に「解体現場で働いていた」「撤去作業をしていた」というだけでは足りません。
建物や工作物の解体工事に関する実務経験であることを、資料に基づいて説明できる必要があります。
(1)資格で営業所技術者等になる場合
解体工事業では、一定の国家資格などを持っている場合、営業所技術者等の要件を満たせることがあります。
代表的な資格には、次のようなものがあります。
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士
・技術士
・解体工事施工技士
・登録解体基幹技能者
資格で要件を満たす場合は、実務経験のみで証明する場合と比べて、申請が進めやすいことがあります。
ただし、資格の種類、試験区分、取得時期、講習の受講状況などによって、解体工事業の営業所技術者等として使えるかどうかを確認する必要があります。
特に施工管理技士については、種別や取得時期により、解体工事業で使用する際の確認事項が生じることがあります。
「施工管理技士を持っているから大丈夫」と判断するのではなく、その資格が解体工事業に対応しているかを申請前に確認することが大切です。
(2)指定学科卒業後の実務経験で証明する場合
一定の指定学科を卒業している場合には、卒業後の実務経験年数によって営業所技術者等の要件を満たせることがあります。
一般的には、高校や中等教育学校の指定学科を卒業した場合は卒業後5年以上、大学や高等専門学校などの指定学科を卒業した場合は卒業後3年以上の実務経験が必要になります。
解体工事業では、土木工学、建築学など、工事内容に関連する学科が問題になることがあります。
指定学科卒業後の実務経験で申請する場合には、卒業証明書などで学歴を確認し、さらに卒業後に解体工事業に該当する実務経験を積んでいることを資料で証明する必要があります。
学歴によって必要な実務経験年数が短縮される可能性がありますが、学科名や実務経験の内容を確認する必要があります。
そのため、申請前に、卒業した学校、学科名、卒業年月、実務経験の内容を整理しておくことが重要です。
(3)10年以上の実務経験で証明する場合
解体工事業では、10年以上の実務経験によって営業所技術者等の要件を証明するケースもあります。
特に、長年にわたり建物解体工事や工作物解体工事を行ってきた会社では、資格ではなく実務経験で申請を検討することがあります。
ただし、10年以上現場に出ていたというだけでは足りません。
東京都で申請する場合には、次のような点を確認する必要があります。
・実務経験の期間が10年以上あるか
・経験した工事が解体工事業に該当するか
・経験期間に空白がないか
・他業種の経験と混在していないか
・証明者が誰になるか
・過去の請求書、契約書、注文書などで工事内容を確認できるか
たとえば、請求書に「撤去工事」「原状回復工事」「改修工事一式」などと記載されている場合、その工事が解体工事業に該当するのかを慎重に確認する必要があります。
内装のみの撤去や原状回復工事に伴う撤去作業は、原則として解体工事業ではなく、内装仕上工事業や各専門工事との関係で整理することになります。
そのため、10年実務経験で申請する場合には、年数だけでなく、工事内容の具体性が重要です。
(4)解体工事として説明しやすい実務経験
解体工事業の実務経験として説明しやすいのは、建物や工作物そのものを解体する工事です。
たとえば、次のような工事です。
・木造住宅の解体工事
・鉄骨造建物の解体工事
・鉄筋コンクリート造建物の解体工事
・倉庫や工場の解体工事
・工作物の解体工事
・建物の一部解体工事
これらの工事について、請求書、契約書、注文書、工事写真、工事台帳などで内容を確認できる場合には、解体工事業の実務経験として整理しやすくなります。
一方で、「撤去」「解体」「はつり」という言葉だけでは判断できないことがあります。
工事名だけでなく、何を取り壊したのか、建物や工作物そのものの解体なのか、内装のみの撤去なのかを確認する必要があります。
(5)証明者の問題
10年実務経験で営業所技術者等の要件を証明する場合には、誰がその経験を証明するかも重要です。
過去に勤務していた会社での経験を使う場合には、原則として、その会社に実務経験を証明してもらうことになります。
しかし、実務上は、過去の勤務先と連絡が取れない、証明を断られる、会社が廃業している、代表者が変わっている、といった問題が起きることがあります。
また、個人事業主として経験を積んできた場合には、自分自身の確定申告書、請求書、契約書、通帳、工事資料などをもとに、実務経験を整理する必要があります。
東京都で申請する場合には、単に実務経験証明書を作成すればよいわけではありません。
証明内容と、過去の請求書や契約書などの資料が整合していることが重要です。
(6)常勤性の確認
営業所技術者等は、許可を受ける営業所に常勤している必要があります。
そのため、技術的な要件を満たしていても、常勤性が確認できなければ営業所技術者等として認められない可能性があります。
東京都で申請する場合には、資格確認書、標準報酬決定通知書、住民税特別徴収税額通知書、雇用保険関係資料などにより、常勤性を確認することがあります。
法人の役員が営業所技術者等を兼ねる場合には、役員報酬の有無や常勤実態も確認されることがあります。
また、他社で常勤している人、他社の建設業許可の営業所技術者等になっている人、他の営業所に専任している人は、原則として営業所技術者等になることはできません。
自宅が遠方にあり、営業所への通勤が現実的ではない場合にも、常勤性が問題になることがあります。
常勤性を確認する資料は、制度改正や東京都の手引の改訂により変更されることがあります。
そのため、申請時点の東京都の手引に従って、必要な確認資料を整理することが大切です。
(7)営業所技術者等の要件整理が重要
解体工事業は、営業所技術者等の要件整理が重要な業種です。
資格で申請する場合でも、その資格が解体工事業に対応しているかを確認する必要があります。
実務経験で申請する場合には、経験年数だけでなく、工事内容、証明者、請求書や契約書の記載、他業種との混在、常勤性まで整理する必要があります。
特に、撤去工事、原状回復工事、内装撤去、はつり工事などが混在している場合には、解体工事業として使える実務経験かどうかを慎重に確認する必要があります。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得する場合には、申請書を作成する前に、営業所技術者等の資格、実務経験、常勤性、過去の証明資料を確認しておくことが重要です。
営業所技術者等の整理が不十分なまま申請すると、補正が長引いたり、許可取得までのスケジュールに影響したりする可能性があります。
第7章 東京都で解体工事業の建設業許可申請で多い補正事例
東京都で解体工事業の建設業許可を申請する場合、補正になりやすいポイントがあります。
解体工事業は、建物や工作物を取り壊す工事ですが、実務上は「撤去」「原状回復」「はつり」「解体一式」など、工事名だけでは内容が分かりにくいケースがあります。
特に、10年以上の実務経験で営業所技術者等の要件を証明する場合には、過去の工事が解体工事業に該当するかどうかを資料で説明できることが重要です。
ここでは、東京都で解体工事業の建設業許可を申請する際に多い補正事例を整理します。
(1)工事内容が抽象的に記載されている
解体工事業の申請で多いのが、請求書や契約書の工事名が抽象的なケースです。
たとえば、次のような記載です。
・解体工事一式
・撤去工事
・改修工事一式
・原状回復工事
このような記載だけでは、その工事が解体工事業に該当するかどうかを判断しにくい場合があります。
特に、実務経験を証明する資料として使用する場合には、何を解体したのか、建物や工作物そのものの解体なのか、内装のみの撤去なのかを確認する必要があります。
請求書の工事名が抽象的な場合には、注文書、契約書、内訳書、工事写真、工事台帳など、補足できる資料を整理することがあります。
(2)内装撤去や原状回復工事と混在している
解体工事業で特に注意が必要なのが、内装撤去や原状回復工事との混在です。
テナント退去時の内装撤去、間仕切り撤去、床材撤去、天井撤去、造作物撤去などは、現場では「内装解体」と呼ばれることがあります。
しかし、内装のみを撤去する工事は、原則として解体工事業ではなく、内装仕上工事業や各専門工事との関係で整理する必要があります。
そのため、請求書や契約書に「内装解体」「原状回復工事」「撤去工事」と記載されている場合には、その内容を確認することが重要です。
建物や工作物そのものを解体する工事なのか、内装部分の撤去にとどまる工事なのかによって、解体工事業の実務経験として使えるかどうかが変わります。
(3)とび・土工工事業との区分が整理されていない
解体工事業では、とび・土工工事業との区分も問題になります。
解体工事に伴う足場工事、仮設工事、はつり工事、コンクリートの切断穿孔工事などは、とび・土工工事業との関係を確認する必要があります。
建物や工作物を取り壊す工事を請け負っているのであれば、解体工事業として整理される可能性があります。
一方で、解体工事そのものではなく、足場、はつり、切断、穿孔、仮設工事などを単独で請け負っている場合には、とび・土工工事業が問題になることがあります。
「解体現場で作業していた」というだけでは、解体工事業の実務経験として十分とは限りません。
契約上、何の工事を請け負っていたのかを確認する必要があります。
(4)実務経験の期間に空白や重複がある
10年以上の実務経験で営業所技術者等の要件を証明する場合には、実務経験の期間も重要です。
補正になりやすいのは、次のようなケースです。
・証明期間に空白がある
・在籍期間と実務経験期間が合わない
・複数会社の経験を合算する際に資料が不足している
・個人事業期間の資料が不足している
・同じ期間を複数業種の実務経験として重複して使っている
解体工事業の経験として10年分を整理する場合には、年数だけでなく、各期間にどのような解体工事を行っていたかを確認する必要があります。
他業種の工事と混在している場合には、解体工事業として使える期間と、他業種として整理すべき期間を分けて考えることが大切です。
(5)証明会社との関係が整理されていない
実務経験を証明する場合、証明者との関係も重要です。
過去に勤務していた会社での経験を使う場合には、原則として、その会社に実務経験を証明してもらうことになります。
しかし、実務上は次のような問題が起きることがあります。
・過去の勤務先と連絡が取れない
・証明会社が証明を拒否している
・証明会社が廃業している
・証明会社の代表者が変更されている
・証明会社の工事内容と証明内容が合っていない
このような場合には、証明方法を慎重に検討する必要があります。
証明者がいる場合でも、証明内容と請求書、契約書、注文書、確定申告書などの資料が整合していなければ、補正になる可能性があります。
(6)営業所の実態が不足している
解体工事業では、現場作業が中心になるため、営業所の実態が軽視されることがあります。
しかし、東京都で建設業許可を取得するためには、建設業の営業所としての実態が必要です。
資材置場、車両置場、重機置場、倉庫だけでは、建設業許可上の営業所としては不十分な場合があります。
営業所とは、見積り、契約締結、工事に関する打ち合わせなど、請負契約の締結に関する実体的な行為を行う事務所です。
東京都では、営業所の外観、入口、郵便受け、看板、事務所内部、机、電話、事務機器などの写真を提出します。
自宅兼事務所の場合には、居住部分と事務所部分が区別されているかが問題になることもあります。
また、賃貸物件の場合には、営業用事務所として使用できる契約になっているかも確認が必要です。
(7)申請前の整理で補正リスクを下げる
解体工事業の建設業許可申請では、工事内容、実務経験、証明者、営業所、常勤性など、複数の要素が関係します。
東京都で補正を防ぐためには、次の点を確認しておくことが大切です。
・自社の工事が解体工事業に該当するか
・内装撤去や原状回復工事と混在していないか
・請求書や契約書の工事名が具体的か
・10年以上の実務経験を資料で説明できるか
・証明者との関係が整理できているか
・営業所技術者等の常勤性を確認できるか
・営業所の実態を写真や契約書で説明できるか
解体工事業は、工事名だけでは判断しにくいケースが多い業種です。
そのため、申請前に工事内容を丁寧に整理しておくことで、補正リスクを下げることができます。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得する場合には、「どの工事を、解体工事業として説明するのか」を明確にしたうえで、申請準備を進めることが重要です。
第8章 解体工事業の建設業許可取得後に必要な手続き
解体工事業の建設業許可は、一度取得すれば永久に有効というものではありません。
許可取得後も、建設業法に基づき各種届出や更新手続きを行う必要があります。
これらの手続きを怠ると、更新時に必要書類の準備に時間がかかったり、許可の維持に影響したりすることがあります。
東京都では、次のような手続きが必要になります。
(1)決算変更届
建設業許可業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出しなければなりません。
決算変更届では、
・完成工事高
・工事経歴書
・財務諸表
・納税証明書
などを提出します。
解体工事業の場合、工事経歴書の記載内容が重要です。
建物解体工事、工作物解体工事、一部解体工事など、解体工事業として整理できる工事を記載する必要があります。
一方で、内装撤去、原状回復工事、はつり工事、足場工事、産業廃棄物の運搬などが含まれる場合には、解体工事業として記載してよい工事なのか、他業種や別許可との関係を確認することがあります。
期限を過ぎても提出できますが、更新申請の際には過去5年分の決算変更届が必要となるため、毎年忘れずに提出することが大切です。
建設業許可の決算変更届(決算報告書)とは?提出期限・必要書類・出さないリスクを解説
(2)建設業許可の更新
建設業許可の有効期間は5年間です。
引き続き建設業を営むためには、有効期間満了前に更新申請を行う必要があります。
東京都では、許可満了日の30日前までに更新申請を行う必要があるため、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
更新申請では、現在も常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎、営業所、社会保険などの要件を満たしているかが確認されます。
解体工事業では、営業所技術者等を10年以上の実務経験で証明しているケースもあるため、技術者の退職や異動がある場合には注意が必要です。
(3)変更届の提出
許可取得後に届出事項へ変更があった場合は、変更届を提出しなければなりません。
例えば、
・役員の変更
・商号の変更
・本店所在地や営業所所在地の変更
・営業所技術者等の変更
・常勤役員等の変更
などが該当します。
変更内容によって提出期限や必要書類が異なるため、早めに確認することが重要です。
特に、営業所技術者等や常勤役員等の変更は、建設業許可の要件に直接関係します。
変更があったにもかかわらず届出をしていないと、更新申請や業種追加の際に問題になることがあります。
(4)業種追加や般・特新規
事業の拡大に伴い、他の建設業許可が必要になることもあります。
解体工事業の許可を取得していても、すべての工事を請け負えるわけではありません。
解体工事に伴う足場、はつり、切断穿孔などを単独で請け負う場合には、とび・土工工事業が問題になることがあります。
内装撤去や原状回復工事を中心に行う場合には、内装仕上工事業や各専門工事との関係を確認する必要があります。
また、一般建設業から特定建設業へ変更する場合には、「般・特新規」の申請が必要です。
将来的に大型工事や公共工事への参入を予定している場合は、事業計画に合わせて適切なタイミングで追加申請を検討するとよいでしょう。
(5)経営事項審査を受ける場合
公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得するだけでなく、経営事項審査(経審)を受審する必要があります。
経審では、完成工事高や技術者数、社会性などが評価され、総合評定値(P点)が算出されます。
解体工事業では、公共施設、学校、庁舎、都営住宅、公共工作物などに関する解体工事で、公共工事と関係することがあります。
公共工事への参入を目指す場合は、許可取得後の早い段階から経審を見据えた体制づくりを進めることをおすすめします。
建設業許可は取得することがゴールではなく、その後も適切に維持・管理していくことが重要です。
決算変更届や更新申請などを計画的に行うことで、許可を継続し、安心して事業を拡大していくことができます。
第9章 解体工事業と経営事項審査(経審)
解体工事業の建設業許可を取得した後、公共工事への参入を目指す場合には、経営事項審査(経審)の受審が必要になります。
経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事の入札に参加するために必要な評価制度です。
建設業者の経営規模や財務内容、技術力、社会性などを総合的に評価し、その結果が総合評定値(P点)として数値化されます。
解体工事業は、学校、庁舎、公営住宅、公共施設、公共工作物などの解体工事と関係することがあります。
そのため、将来的に公共工事への参入を目指す事業者は、建設業許可取得後から経審を意識した準備を進めることが重要です。
経営事項審査(経審)とは?P点の仕組みと評価項目をわかりやすく解説
(1)経営事項審査で評価される項目
経営事項審査では、主に次の5つの項目が評価されます。
・完成工事高(X1)
・自己資本額や利益率などの経営規模(X2)
・経営状況分析(Y)
・技術力(Z)
・社会性等(W)
これらを総合してP点が算出されます。
完成工事高だけで評価が決まるわけではなく、技術者数や社会保険への加入状況、法令遵守への取組なども重要な評価対象となります。
経営事項審査(経審)のP点とは?評点の仕組みをわかりやすく解説
(2)解体工事業と技術力評価(Z)
解体工事業では、有資格者の人数や元請完成工事高などが技術力評価に影響します。
例えば、
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士
・技術士
・解体工事施工技士
などの資格を保有する技術者は、経審の評価向上につながります。
また、監理技術者資格者証を保有する技術者や講習を修了した技術者についても評価対象となるため、計画的な資格取得や人材育成が重要になります。
解体工事業では、10年以上の実務経験で営業所技術者等の要件を満たしている会社もありますが、経審の点数を伸ばすという意味では、資格者の確保や育成も重要です。
経営事項審査(経審) 技術力(Z)の評価と点数の考え方を行政書士が解説
(3)社会性等(W)の重要性
近年の経営事項審査では、社会性等(W)の配点が大きくなっています。
具体的には、
・建設キャリアアップシステム(CCUS)
・CPDへの取組
・ISO認証の取得
・防災協定への参加
などが評価項目となっています。
解体工事業では、現場作業員、重機オペレーター、職人などを雇用する会社も多いため、社会保険や労務管理の整備も重要です。
比較的取り組みやすい制度も多いため、計画的に整備することでP点の向上を目指すことができます。
経営事項審査(経審) 社会性等(W)の評価と点数の考え方を行政書士が解説
(4)解体工事業と公共工事
解体工事業では、公共施設や公共工作物に関する解体工事が発注されることがあります。
例えば、
・学校施設の解体工事
・庁舎や公共施設の解体工事
・公営住宅や都営住宅の解体工事
・公共工作物の解体工事
・公共施設の改修に伴う一部解体工事
・跡地整備に伴う解体工事
などがあります。
解体工事業は、建替え、改修、再開発、公共施設の更新などと関係しやすい業種です。
公共工事に参入することで、受注機会の拡大や会社の信用力向上につながる可能性があります。
(5)公共工事を目指す場合は早めの準備が重要
経営事項審査は、一度受審しただけで高い評価を得られる制度ではありません。
技術者の育成や資格取得、社会性等への取組、工事経歴書の整理など、日頃からの積み重ねが評価につながります。
解体工事業では、建物解体工事、工作物解体工事、一部解体工事、撤去工事など、工事名だけでは業種区分が分かりにくいケースもあります。
そのため、経審を受ける予定がある場合には、毎年の決算変更届の段階から、工事経歴書と完成工事高を適切に整理しておくことが重要です。
将来的に公共工事への参入や入札参加を目指している場合は、建設業許可を取得した段階から経営事項審査を見据えた体制づくりを進めることをおすすめします。
解体工事業は民間工事だけでなく、公共工事とも関わることができる業種です。
建設業許可の取得に加えて経営事項審査を活用することで、受注機会の拡大や会社の信用力向上につなげることができます。
まとめ 東京都で解体工事業の建設業許可を取得するなら、登録との違いと工事内容の整理が重要です
解体工事業は、建物や工作物を解体する工事を行う業種です。
東京都で1件500万円以上の解体工事を請け負う場合には、原則として、解体工事業の建設業許可が必要になります。
解体工事業で特に注意したいのは、解体工事業登録と建設業許可の違いです。
解体工事業登録をしていても、500万円以上の解体工事を請け負う場合には、建設業許可が必要になります。
また、解体工事業は、他業種との区分も問題になりやすい業種です。
建物や工作物そのものを解体する工事なのか、内装撤去や原状回復工事なのか、解体に伴う足場やはつり工事なのかによって、必要となる許可業種が変わることがあります。
特に、内装のみを撤去する工事は、原則として解体工事業ではなく、内装仕上工事業や各専門工事との関係で整理する必要があります。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得する場合には、早い段階で次の点を確認しておくことが大切です。
・自社の工事が解体工事業に該当するか
・解体工事業登録で足りるのか、建設業許可が必要なのか
・1件500万円以上の解体工事を請け負う予定があるか
・常勤役員等の経営経験を証明できるか
・営業所技術者等の資格または実務経験を証明できるか
・10年実務経験の場合、建物や工作物の解体工事として説明できるか
・営業所としての実態を確認できるか
・社会保険の加入状況に問題がないか
・許可取得後の更新や経営事項審査まで見据えているか
解体工事業の建設業許可は、単に「解体工事をしている」というだけで取得できるものではありません。
工事内容、実務経験、証明資料、営業所技術者等、財産的基礎、営業所要件などを整理し、申請内容に矛盾がない状態にしておくことが重要です。
また、許可取得後も、毎年の決算変更届、役員や営業所技術者等に変更があった場合の変更届、5年ごとの更新申請、公共工事を目指す場合の経営事項審査など、継続して必要となる手続きがあります。
東京都で解体工事業の建設業許可を取得したい方は、登録との違い、500万円基準、工事内容、実務経験、許可取得後の管理まで見据えて準備を進めることが大切です。
当事務所では、東京都知事許可を中心に、解体工事業の建設業許可申請をサポートしています。
建物解体工事、工作物解体工事などで建設業許可の取得をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。









