【東京都千代田区】常勤役員等の辞任に伴い後任者を変更|営業所技術者等も同時に交代した事例

東京都千代田区で、特定建設業許可と一般建設業許可をお持ちの会社様から、常勤役員等の交代についてご相談をいただきました。

こちらの会社では、建築工事や内装仕上工事、解体工事などの建設業を営んでおり、不動産の売買や管理なども行っていました。

今回のご相談は、これまで建設業許可上の常勤役員等として配置されていた取締役が辞任することになり、後任者をどのように選定するかというものでした。

社内を確認すると、代表取締役は取締役就任から4年程度で、常勤役員等として必要となる経験年数を満たしていませんでした。

一方で、別の取締役が非常勤取締役として15年以上在任しており、その在任期間は会社が建設業許可を保有していた期間と重なっていました。

東京都では、一定の条件のもと、非常勤取締役としての在任期間を常勤役員等に必要な経営業務の管理経験として確認する独自の運用があります。

そこで今回は、この非常勤取締役を後任候補者として、これまでの在任期間や会社の建設業許可保有期間などを確認し、常勤役員等の要件を満たせるかを整理しました。

また、辞任する取締役は営業所技術者等も兼ねていたため、常勤役員等の交代だけでなく、営業所技術者等についても同時に後任者を選定する必要がありました。営業所技術者等の交代・変更届についても解説しています。

今回は、

・非常勤取締役としての経営経験の確認
・非常勤から常勤への切替
・社会保険加入による常勤性の確認
・前任者の辞任と後任者の常勤開始時期の調整
・営業所技術者等の後任者選定
・東京都への変更届の提出

までを一体で進めました。

建設業許可は、常勤役員等や営業所技術者等といった人的要件を継続して満たしていることが重要です。

今回のように重要な役員が退任する場合には、退任後に対応を考えるのではなく、事前に後任者の要件を確認し、許可要件に空白が生じないよう準備する必要があります。

東京都独自の運用を活用して非常勤取締役を常勤役員等へ切り替え、営業所技術者等も同時に交代した事例をご紹介します。

第1章 常勤役員等の辞任に伴う後任者選定のご相談

今回ご相談いただいたのは、東京都千代田区で建築工事や内装仕上工事、解体工事などを営み、特定建設業許可と一般建設業許可をお持ちの会社様です。

こちらの会社では、これまで建設業許可上の常勤役員等として配置されていた取締役が辞任することになり、その後任者をどうするかという問題が生じていました。

建設業許可では、常勤役員等の要件を継続して満たしている必要があります。

そのため、現在の常勤役員等が退任する場合には、退任後に後任者を探すのではなく、あらかじめ次の候補者が要件を満たしているか確認しておく必要があります。

今回、社内の役員構成を確認したところ、まず候補となったのは代表取締役でした。

しかし、代表取締役は取締役に就任してからまだ4年程度で、常勤役員等として必要となる経営経験の年数を満たしていませんでした。

そこで、ほかの役員について確認したところ、非常勤取締役として15年以上在任している方がいました。

しかも、その在任期間は会社が建設業許可を保有していた期間と重なっていました。

東京都では、一定の条件のもと、非常勤取締役としての在任期間を常勤役員等に必要な経営業務の管理経験として確認する独自の運用があります。常勤役員等の変更届と後任者の要件もご確認ください。

そのため今回は、この非常勤取締役を後任候補者として、これまでの在任期間や会社の建設業許可保有期間などを確認しながら、常勤役員等として配置できるかを整理していきました。

さらに、辞任する取締役は営業所技術者等も兼ねていたため、今回の手続きでは常勤役員等だけでなく、営業所技術者等についても同時に後任者を決める必要がありました。

人的要件を複数同時に変更する案件だったため、前任者の退任時期と後任者の就任・常勤開始時期に空白が生じないよう、事前の段取りが非常に重要なケースでした。

第2章 15年以上在任する非常勤取締役の経験を確認

後任の常勤役員等について検討した結果、候補となったのは非常勤取締役として15年以上在任している方でした。

この方は長期間にわたり会社の取締役として在任しており、その在任期間は会社が建設業許可を保有していた期間と重なっていました。

東京都では、一定の条件のもと、非常勤取締役としての在任期間についても、常勤役員等に必要となる経営業務の管理経験として確認する独自の運用があります。

そこで今回は、

・取締役として在任していた期間
・その期間に会社が建設業許可を保有していたこと
・建設業を継続して営んでいたこと
・後任者として常勤役員等へ切り替えることができるか

といった点を確認しました。

代表取締役は取締役就任から4年程度だったため、今回の後任者としては経験年数が不足していました。

一方、この非常勤取締役については、15年以上の在任歴があり、会社の建設業許可保有期間とも重なっていたため、常勤役員等の後任候補者として整理することができました。

今回のように、社内に長期間在任している取締役がいる場合でも、その方が非常勤であれば、全国一律に同じ取扱いになるわけではありません。

東京都では独自の運用があるため、その取扱いを前提に、過去の役員歴や会社の建設業許可保有状況を確認していくことが重要です。

後任候補者の経験要件を確認できたことで、次は実際に非常勤から常勤へ切り替え、常勤役員等として配置できる体制を整えていきました。

第3章 後任者を常勤役員として社会保険へ加入

後任候補者について、非常勤取締役としての在任期間から常勤役員等に必要となる経営経験を確認できたため、次に常勤性を整える必要がありました。

常勤役員等は、その名のとおり、申請会社に常勤していることが前提です。

今回の後任候補者は、それまで非常勤取締役として在任していたため、そのままでは常勤役員等として配置することはできません。

そこで、前任者の辞任にあわせて非常勤から常勤へ切り替え、会社の社会保険へ加入する手続きを進めました。

東京都の建設業許可では、常勤役員等について、申請会社に実際に常勤していることを確認できる資料が必要になります。

今回のケースでも、後任者が常勤となった時期と社会保険の加入時期を確認し、常勤性に問題がないことを整理しました。

特に重要だったのは、前任者の辞任日と後任者が常勤となる時期との間に空白を生じさせないことです。

常勤役員等は、建設業許可を維持するための重要な人的要件です。

そのため、後任候補者について経営経験が確認できただけでは足りず、実際に常勤役員として勤務する体制まで整えておく必要があります。

今回は、後任候補者の経験確認と並行して、非常勤から常勤への切替と社会保険加入を進めることで、前任者の辞任後も常勤役員等の要件を継続して満たせる体制を整えました。

なお、現在の東京都の実務では、常勤性の確認資料として健康保険証の写しを使用する取扱いではありません。

そのため、申請時点の東京都の最新手引に沿って、常勤性を確認できる資料を準備することが必要です。

第4章 許可要件に空白が生じないよう交代時期を調整

今回の変更で最も重要だったのは、前任の常勤役員等が辞任する日と、後任者が常勤役員等として配置される時期との間に空白を生じさせないことでした。

常勤役員等は、建設業許可を維持するための重要な人的要件です。

そのため、前任者が辞任した後に後任者の常勤化を進めるのでは遅く、辞任日を基準にして事前に必要な手続きを整えておく必要があります。

今回のケースでは、後任候補者について、非常勤取締役としての15年以上の在任期間をもとに経験要件を確認したうえで、常勤への切替と社会保険加入を進めました。

そして、

・前任者が常勤役員等を退く日
・後任者が常勤として勤務を開始する時期
・社会保険上の資格取得時期

を確認し、人的要件に途切れが生じないよう調整しました。

この点は、建設業許可を持つ会社で役員交代を行う際に非常に重要です。

特に、常勤役員等を担当している取締役が退任する場合には、単なる会社法上の役員変更として考えるのではなく、建設業許可上の要件が継続しているかまで確認しなければなりません。

今回の会社では、前任者の辞任前から後任者の選定と要件確認を進めていたため、必要な準備を事前に行うことができました。

また、後任者の経験についても、東京都独自の運用を前提として非常勤取締役としての在任期間を確認していたため、交代時期を逆算しながら手続きを組み立てることができました。

常勤役員等の変更は、後任候補者が見つかれば終わりではありません。

経験要件、常勤性、社会保険、変更時期まで含めて一体で整理することが、建設業許可を継続して維持するうえで重要です。

第5章 営業所技術者等も有資格者へ同時に変更

今回辞任する取締役は、常勤役員等だけでなく、営業所技術者等も兼ねていました。

そのため、常勤役員等の後任者を決めるだけでは足りず、営業所技術者等についても同時に交代させる必要がありました。

営業所技術者等について社内の資格者を確認したところ、後任として配置できる有資格者が従業員の中に在籍していました。

そこで、その方が現在保有している資格と、会社が許可を受けている建設業種との対応関係を確認し、後任の営業所技術者等として要件を満たしていることを整理しました。

今回の会社では、建築一式工事、内装仕上工事、解体工事など複数の業種について許可を受けています。

そのため、営業所技術者等の交代では、単に「何らかの資格を持っている」というだけではなく、現在許可を受けている各業種について必要な技術要件を満たしているかを確認する必要があります。

また、特定建設業許可と一般建設業許可の両方を保有しているため、許可区分ごとの技術者要件にも注意しながら後任者を選定しました。

確認の結果、従業員の有資格者を新しい営業所技術者等として配置できることが分かりました。

これにより、

・常勤役員等は、15年以上在任していた取締役へ交代
・営業所技術者等は、社内の有資格者へ交代

という形で、2つの人的要件を同時に整えることができました。

建設業許可では、常勤役員等と営業所技術者等のどちらか一方でも要件を欠くと、許可の維持に大きく影響します。

今回のように同じ人物が両方を兼ねている場合、その方の退任によって複数の許可要件が一度に動くことになります。

そのため、退任が決まった段階で社内の後任候補者を洗い出し、それぞれの要件を個別に確認したうえで、変更時期をそろえて手続きを進めることが重要です。

第6章 東京都へ変更届を提出し建設業許可を継続

常勤役員等と営業所技術者等の後任者について要件確認ができ、交代時期の調整も完了したため、東京都へ建設業許可の変更届を提出しました。

今回の変更では、

・前任の常勤役員等の辞任
・後任となる取締役の常勤化
・後任者の社会保険加入
・非常勤取締役としての在任期間による経営経験の確認
・営業所技術者等の交代
・新しい営業所技術者等の資格確認

を一体で整理しています。

特に重要だったのは、前任者の退任によって常勤役員等と営業所技術者等の両方に空白が生じないよう、事前に後任者の要件を確認しておいたことです。

今回は、常勤役員等については、会社が建設業許可を保有していた期間と重なる15年以上の非常勤取締役としての在任経験を確認し、東京都独自の運用を前提として後任者を選定しました。

さらに、その方を非常勤から常勤へ切り替え、社会保険にも加入していただくことで、常勤役員等として配置できる体制を整えました。

営業所技術者等についても、社内に後任となる有資格者が在籍していたため、保有資格と許可業種を確認したうえで同時に変更しています。

必要書類を整えて東京都へ変更届を提出し、手続きは無事に完了しました。

今回のように、建設業許可の重要な人的要件を担っている役員が退任する場合には、退任後に後任者を探し始めるのではなく、事前に社内の候補者を確認しておくことが重要です。

特に、常勤役員等と営業所技術者等を同じ人物が兼ねている場合には、その方の退任によって複数の許可要件が同時に動くことになります。

今回については、前任者の辞任前から後任者の経験、常勤性、社会保険、資格、交代時期まで確認したことで、特定建設業許可・一般建設業許可ともに継続して維持することができました。

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