東京都文京区の会社様で特定建設業許可への切り替え(般特新規)を申請

東京都文京区の会社様から、一般建設業許可から特定建設業許可への切り替えについてご相談をいただきました。

この会社様は、すでに一般建設業許可として、

建築工事業
電気工事業
管工事業
内装仕上工事業
消防施設工事業

の5業種を取得されていました。

年内に大規模な建設工事を受注する予定があり、その工事に対応するため、急ぎで特定建設業許可への切り替えを進めたいとのご相談でした。

これまでは、社内の総務担当者様が建設業許可に関する手続きを行っていましたが、一般建設業から特定建設業への切り替えについては、要件確認も含めて専門家へ依頼したいとのことで、当事務所へお問い合わせをいただきました。

今回、特定建設業許可への切り替えを検討していたのは、

建築工事業
管工事業
内装仕上工事業
消防施設工事業

の4業種です。

財産的基礎や常勤役員等の要件については、会社様側でもある程度確認されていましたが、特定建設業では営業所技術者等の要件が一般建設業より厳しくなる業種があります。

実際に資格関係を確認したところ、建築工事業、管工事業、内装仕上工事業は問題なく要件を満たせる一方、消防施設工事業については、甲種消防設備士の資格だけでは特定建設業の営業所技術者等にはなれないことが分かりました。

そのため、消防施設工事業は今回の申請対象から外し、建築工事業・管工事業・内装仕上工事業の3業種に絞って般特新規申請を進めることになりました。

今回は、特定建設業への切り替えを検討する中で、業種ごとの営業所技術者等の要件を確認し、申請業種を整理した事例です。

第1章 特定建設業許可への切り替え要件を確認

まず確認したのは、一般建設業許可から特定建設業許可へ切り替えるための基本要件です。

今回の会社様は、すでに建築工事業、電気工事業、管工事業、内装仕上工事業、消防施設工事業の一般建設業許可を取得しており、建設業許可業者としての実績も十分にありました。

また、常勤役員等についても要件を満たしており、特定建設業許可で求められる財産的基礎についても確認したところ、問題なくクリアしている状況でした。

そのため、今回の般特新規申請で最も重要になったのは、各業種の営業所技術者等が特定建設業の要件を満たしているかどうかという点です。

特定建設業では、一般建設業よりも営業所技術者等の要件が厳しくなる業種があります。

特に複数業種をまとめて特定建設業へ切り替える場合は、それぞれの業種について、どの資格者を営業所技術者等として配置するのかを一つずつ確認する必要があります。

今回も、会社様側では「4業種すべて特定建設業へ切り替えられるのではないか」と考えていましたが、資格内容を確認していくと、業種ごとに判断が分かれることになりました。

第2章 建築工事業・管工事業・内装仕上工事業の営業所技術者等を確認

特定建設業許可へ切り替える4業種について、まず営業所技術者等の資格を確認しました。

建築工事業と内装仕上工事業については、一級建築士の資格者が配置されていました。

また、管工事業については、一級管工事施工管理技士の資格者が配置されていました。

建築工事業と管工事業は、特定建設業の中でも「指定建設業」に該当します。

指定建設業では、指導監督的実務経験だけで特定建設業の営業所技術者等になることはできず、一級の国家資格や技術士資格など、より厳しい要件が求められます。

今回の会社様では、一級建築士と一級管工事施工管理技士の資格者がいたため、建築工事業と管工事業については特定建設業の営業所技術者等の要件を満たしていました。

内装仕上工事業についても、一級建築士の資格によって特定建設業の営業所技術者等の要件を満たすことができました。

そのため、

建築工事業
管工事業
内装仕上工事業

の3業種については、営業所技術者等の要件に問題なく、特定建設業への切り替えを進められることが確認できました。

第3章 消防施設工事業は甲種消防設備士だけでは特定建設業に切り替えられない

今回、最も注意が必要だったのが消防施設工事業です。

会社様には甲種消防設備士の資格者が在籍していたため、一般建設業許可の営業所技術者等としては要件を満たしていました。

しかし、特定建設業許可となると話が変わります。

消防施設工事業は指定建設業ではありませんが、甲種消防設備士の資格だけで特定建設業の営業所技術者等になることはできません。

特定建設業の営業所技術者等とするためには、所定の資格要件に加えて、原則として2年以上の指導監督的実務経験を証明する必要があります。

指導監督的実務経験とは、発注者から直接請け負った消防施設工事について、工事現場主任や工事現場監督などの立場で、設計または施工の全般を技術面から総合的に指導監督した経験をいいます。

東京都の手引でも、指導監督的実務経験については、対象となる工事の工期を積み上げて合計2年間、つまり24か月以上必要とされています。

今回の会社様では、この指導監督的実務経験を申請に必要な形で証明することが難しい状況でした。

そのため、消防施設工事業まで無理に特定建設業へ切り替えるのではなく、会社様に要件をご説明したうえで、今回の般特新規申請からは消防施設工事業を外すことにしました。

すでに一般建設業許可を持っている業種だからといって、そのまま特定建設業へ切り替えられるとは限りません。

特定建設業許可を検討する際には、業種ごとに営業所技術者等の資格だけでなく、指導監督的実務経験まで必要になるかを確認することが重要です。

第4章 申請業種を3業種に絞って般特新規申請へ

各業種の営業所技術者等の要件を確認した結果、今回の般特新規申請は、

建築工事業
管工事業
内装仕上工事業

の3業種に絞って進めることになりました。

当初は消防施設工事業も特定建設業へ切り替える予定でしたが、甲種消防設備士の資格だけでは要件を満たせず、指導監督的実務経験の証明も必要になることが分かりました。

そのため、会社様へ必要な要件と証明方法をご説明し、今回の申請では無理に消防施設工事業まで含めない方針としました。

特定建設業許可への切り替えでは、取得したい業種をすべて一度に申請できるとは限りません。

財産的基礎や常勤役員等の要件を満たしていても、営業所技術者等の資格や実務経験によっては、一部の業種だけ先に特定建設業へ切り替えるという判断が必要になることがあります。

今回は、年内に予定されている大規模な建設工事案件への対応を優先し、確実に要件を満たしている3業種に絞って申請準備を進めました。

必要な証明書類を収集し、申請書類を整えたうえで、東京都への般特新規申請へ進むことになりました。

第5章 東京都へ3業種の般特新規申請

申請業種を建築工事業、管工事業、内装仕上工事業の3業種に絞った後は、必要書類の収集と申請書類の作成を進めました。

今回の手続きは、一般建設業許可から特定建設業許可へ切り替える「般特新規申請」です。

更新や変更届とは異なり、新規申請としてあらためて許可要件を確認する必要があります。

今回の会社様については、

常勤役員等
特定建設業の財産的基礎
各業種の営業所技術者等
営業所
社会保険

などの要件をあらためて確認し、申請書類を整えていきました。

特に営業所技術者等については、

建築工事業・内装仕上工事業は一級建築士
管工事業は一級管工事施工管理技士

によって要件を満たすことができました。

当初予定していた消防施設工事業は申請から外しましたが、その分、要件を確実に満たしている3業種に絞って申請することができました。

必要書類が揃った段階で、東京都へ建築工事業、管工事業、内装仕上工事業の般特新規申請を行いました。

特定建設業許可への切り替えでは、「現在一般建設業許可を持っているから、そのまま特定へ移行できる」と考えてしまいがちです。

実際には、財産的基礎や営業所技術者等の要件をあらためて確認する必要があり、業種によっては今回の消防施設工事業のように、予定していた申請を見直す必要が生じることもあります。

今回の案件では、受注予定の工事に間に合うよう申請業種を整理し、取得可能な3業種を優先して特定建設業許可への切り替えを進めました。

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