東京都渋谷区で内装仕上工事を中心に建設業を営んでいる会社様から、とび・土工工事業と解体工事業の業種追加についてご相談をいただきました。
こちらの会社様では、これまで内装仕上工事を中心に営業していましたが、今後はとび・土工工事や解体工事についても単独で請け負う機会を増やしていきたいとのことでした。
そこで、現在の建設業許可に、
・とび・土工工事業
・解体工事業
の2業種を追加することになりました。
社内には二級建築施工管理技士(躯体)の資格を持つ従業員が在籍しており、この方を営業所技術者等として使用できるか確認を進めました。
資格証を確認したところ、資格取得は平成26年でした。
とび・土工工事業については、この資格で営業所技術者等の要件を満たすことができます。
一方、解体工事業については、二級建築施工管理技士(躯体)であっても、合格した時期によって取扱いが異なります。
平成27年度以前の合格者については、その資格だけでは解体工事業の営業所技術者等の要件を満たさず、解体工事に関する一定の実務経験を証明するか、登録解体工事講習を受講する必要があります。
そこで今回は、最短の日程で登録解体工事講習を受講していただき、解体工事業についても営業所技術者等の要件を整えることになりました。
あわせて、既存許可の常勤役員等や社会保険の加入状況なども確認し、とび・土工工事業と解体工事業の業種追加申請に向けて準備を進めました。
今回の事例は、保有資格の種類だけでなく取得時期まで確認し、登録解体工事講習を活用することで、2業種の追加につなげたケースです。
第1章 とび・土工工事業と解体工事業の業種追加をご相談
今回ご相談いただいたのは、東京都渋谷区で内装仕上工事を中心に建設業を営んでいる会社様です。
すでに建設業許可を受けて営業されていましたが、今後はとび・土工工事や解体工事についても、単独で請け負う機会を増やしていきたいとのことでした。
そこで、現在の建設業許可に、
・とび・土工工事業
・解体工事業
の2業種を追加することになりました。
建設業許可では、すでに許可を受けている会社が新たな業種を追加する場合、その追加する業種について営業所技術者等の要件を満たしている必要があります。
今回の会社様では、社内に二級建築施工管理技士(躯体)の資格を持つ従業員が在籍していました。
まず、この資格でとび・土工工事業と解体工事業の両方について営業所技術者等となれるかを確認することになりました。
資格の種類だけを見ると、今回の2業種に関係する資格ですが、解体工事業については合格した時期によって取扱いが異なります。
そこで資格証を確認したところ、この方が二級建築施工管理技士(躯体)の資格を取得したのは平成26年でした。
とび・土工工事業については、この資格で営業所技術者等の要件を満たすことができます。
一方で、解体工事業については、そのままでは要件を満たさないため、追加の対応が必要であることが分かりました。
業種追加を行う際には、単に社内に有資格者がいるかだけでなく、その資格が追加したい業種にどのように対応しているのかまで確認することが重要です。
第2章 二級建築施工管理技士(躯体)の取得時期を確認
今回の会社様では、社内に二級建築施工管理技士(躯体)の資格を持つ従業員が在籍していました。
とび・土工工事業については、この資格で営業所技術者等の要件を満たすことができます。
一方で、解体工事業については、二級建築施工管理技士(躯体)の資格を持っているだけで必ず営業所技術者等になれるわけではありません。
確認したところ、この方が資格を取得したのは平成26年でした。
解体工事業は平成28年6月1日に建設業許可の業種として新設されています。
そのため、平成27年度以前に二級建築施工管理技士(躯体)へ合格した方については、解体工事業の営業所技術者等となるために追加の要件が必要になります。
具体的には、
・解体工事に関する1年以上の実務経験を証明する
・登録解体工事講習を受講する
といった方法があります。
今回の会社様では、実務経験を証明する方法ではなく、登録解体工事講習を受講する方法を選択しました。
そこで、社長様と資格者ご本人へ制度をご説明し、できるだけ早く業種追加申請へ進めるよう、最短の日程で登録解体工事講習を受講していただくことになりました。
建設業許可の営業所技術者等については、資格名だけを確認して判断すると足りないケースがあります。
特に解体工事業では、今回のように資格の取得時期によって取扱いが変わるため、資格証の内容まで確認したうえで業種追加の準備を進めることが重要です。
第3章 登録解体工事講習を受講して営業所技術者等の要件を確保
二級建築施工管理技士(躯体)の資格取得時期を確認した結果、今回の資格者は平成27年度以前の合格者に該当していました。
そのため、解体工事業について営業所技術者等となるためには、資格だけでは足りず、追加の要件を満たす必要がありました。
今回は、解体工事に関する実務経験を証明する方法ではなく、登録解体工事講習を受講する方法を選択しました。
実務経験で要件を満たそうとする場合には、過去の解体工事について工事内容や期間を確認できる資料をそろえる必要があります。
一方、登録解体工事講習を受講すれば、その修了をもって必要な要件を補うことができます。
そこで、社長様と資格者ご本人へ制度をご説明し、できるだけ早い日程で講習を受講していただきました。
講習修了後は、修了証を確認し、解体工事業についても営業所技術者等の要件を満たしていることを確認しました。
これにより、今回の資格者は、
・とび・土工工事業
・解体工事業
の両方について営業所技術者等として届け出ることができる状態になりました。
建設業許可の業種追加では、保有資格の名称だけを見て判断するのではなく、その資格が追加したい業種にどのように対応しているのかを確認することが重要です。
特に解体工事業では、資格の取得時期によっては登録解体工事講習の受講が必要となる場合があります。
今回については、申請前にその点を確認し、講習受講を先に済ませたことで、とび・土工工事業と解体工事業の2業種を同時に追加する準備を整えることができました。
第4章 既存許可の常勤役員等・社会保険も確認
とび・土工工事業と解体工事業を追加するにあたり、営業所技術者等だけでなく、既存の建設業許可についてもあらためて確認しました。
今回の会社様では、常勤役員等については従来から変更がなく、引き続き同じ取締役の方が要件を満たしていました。
そのため、今回の業種追加に伴って常勤役員等を変更する必要はありませんでした。
また、従業員を雇用している会社でしたので、社会保険や労働保険の加入状況についても確認しました。
健康保険・厚生年金保険、雇用保険について適切に加入しており、こちらも問題ありませんでした。
建設業許可の業種追加では、新たに追加する業種の営業所技術者等の要件に目が向きがちですが、既存の許可要件についても引き続き満たしている必要があります。
そのため、
・常勤役員等に変更がないか
・営業所の状況に変更がないか
・社会保険等の加入状況に問題がないか
・毎年の決算変更届が適切に提出されているか
といった点もあわせて確認しておくことが重要です。
今回については、既存許可の要件には問題がなく、二級建築施工管理技士(躯体)の資格と登録解体工事講習によって新たな営業所技術者等の要件も整ったため、とび・土工工事業と解体工事業の業種追加申請へ進むことができました。
第5章 東京都へとび・土工工事業と解体工事業の業種追加を申請
ここまでの確認で、とび・土工工事業と解体工事業の業種追加に必要な要件を整えることができました。
常勤役員等については従来から変更がなく、既存の許可要件を引き続き満たしていました。
営業所技術者等については、二級建築施工管理技士(躯体)の資格を持つ従業員について、とび・土工工事業の要件を確認。
さらに、平成27年度以前の合格者であったため登録解体工事講習を受講していただき、解体工事業についても営業所技術者等の要件を整えました。
社会保険等の加入状況についても問題ありませんでした。
必要な書類をすべてそろえたうえで、東京都へ、
・とび・土工工事業
・解体工事業
の一般建設業許可の業種追加申請を行いました。
申請は無事に受理され、2業種を追加するための手続を完了することができました。
今回の会社様は、これまで内装仕上工事を中心に営業していましたが、今後の事業展開を見据えて、とび・土工工事や解体工事についても単独で請け負える体制を整えることになりました。
建設業許可の業種追加では、すでに許可を持っているからといって、希望する業種をそのまま追加できるわけではありません。
追加する業種ごとに営業所技術者等の要件を満たしているかを確認し、必要に応じて資格、実務経験、講習などを組み合わせて準備する必要があります。
今回のように、保有資格だけでは解体工事業の要件を満たさない場合でも、登録解体工事講習を受講することで対応できるケースがあります。
将来、新たな工事を単独で請け負う予定がある場合には、実際に受注する前の段階で、現在の建設業許可に必要な業種が含まれているかを確認しておくことが重要です。









