【解決事例】東京都練馬区の防水工事業者様|営業所要件を整理し建設業許可(防水工事業)を取得した事例

東京都練馬区で防水工事業を営む会社様より、建設業許可(防水工事業)の新規取得についてご相談をいただきました。

今回のお客様は個人事業主として長年防水工事業に従事した後に法人を設立し、法人設立から6期が経過している会社様です。

近年は比較的大規模な工事を請け負う機会が増えており、今後は500万円を超える工事も積極的に受注していきたいとのことで建設業許可の取得を検討されていました。

防水工事業の経験は20年以上あり、常勤役員等や営業所技術者の要件については問題なく満たしていると考えられました。

一方で、建設業許可申請の準備を進める中で、営業所要件に関する課題や役員の重任登記に関する問題が判明し、申請前に整理が必要な状況でした。

今回は、営業所要件を中心に課題を解決しながら建設業許可(防水工事業)を取得した事例をご紹介いたします。

ご相談時の状況

お問い合わせをいただいたのは令和7年8月でした。

お客様は長年にわたり防水工事業を営んでおり、個人事業主としての営業期間を経て法人を設立していました。法人設立からは6期が経過しており、防水工事を中心に安定した受注を継続している状況でした。

近年は元請会社からの依頼も増え、比較的大規模な工事を受注する機会が増えていました。その中で、今後は500万円を超える工事についても積極的に受注していきたいとの考えから、建設業許可の取得を検討されていました。

一方で、お客様自身は長年現場で仕事をされてきたものの、建設業許可申請を行うのは初めてであり、

・個人事業主時代の経験をどのように証明すればよいのか分からない

・営業所要件を満たしているのか分からない

・どのような書類を準備すればよいのか分からない

という状況でした。

そこでまずは、建設業許可の要件を一つずつ確認することになりました。

その過程で、常勤役員等や営業所技術者については問題なく要件を満たしていると考えられたものの、営業所要件に関する確認が必要であることが判明しました。

さらに、履歴事項全部証明書を確認したところ、代表取締役の任期満了後に必要となる重任登記が行われていないことも判明しました。

建設業許可申請では最新の登記事項証明書を提出する必要があるため、まずは重任登記の手続きを行った上で建設業許可申請の準備を進めることとなりました。

次に、建設業許可の要件確認と今回の案件で問題となった営業所要件についてご説明します。

建設業許可の要件確認

建設業許可を取得するためには、主に次の要件を満たす必要があります。

・常勤役員等の要件

・営業所技術者の要件

・財産的要件

・営業所要件

今回の案件では、それぞれの要件について確認を行いました。

まず常勤役員等については、代表取締役が個人事業主時代を含め20年以上にわたり防水工事業へ従事しており、建設業に関する経営業務の管理経験も十分に有していました。そのため、常勤役員等の要件については問題なく満たしていると判断しました。

営業所技術者についても、個人事業主時代から法人設立後までの経験を通算することで10年以上の実務経験を証明できる状況でした。工事実績や請求書などの資料も残っており、防水工事業の営業所技術者として必要な実務経験年数を満たしていることを確認しました。

また、直近の決算内容を確認したところ、一般建設業許可に必要な財産的要件についても問題はありませんでした。

一方で、今回の案件で最も慎重な確認が必要だったのが営業所要件です。

建設業許可では、実際に建設業を営む営業所について使用権限を有していることを証明しなければなりません。

今回のお客様の場合、登記上の本店所在地と実際に業務を行っている営業所所在地が異なっていました。

このようなケース自体は珍しいものではありませんが、建設業許可申請では営業所として使用している場所について賃貸借契約書などの提出が必要となります。

ところが、確認を進める中で営業所建物のオーナーが過去に変更されていたことが判明しました。

本来であればオーナーチェンジに関する通知書などによって契約関係を確認できる状態が望ましいのですが、今回はその資料が発行されておらず、営業所の使用権限をどのように証明するかが大きな課題となりました。

次に、営業所要件で実際にどのような問題が発生したのか、そしてどのように対応したのかをご紹介します。

営業所要件で問題となった点

今回の案件で最も苦労したのは営業所要件の証明でした。

建設業許可申請では、営業所として使用している場所について適法に使用する権限を有していることを証明しなければなりません。

賃貸物件を営業所として使用している場合は、一般的に賃貸借契約書の写しを提出します。

今回のお客様についても営業所の賃貸借契約書は存在していましたが、確認を進める中で建物の所有者が過去に変更されていることが判明しました。

通常であればオーナーチェンジが行われた際に通知書等が発行されることが多いのですが、今回はそのような資料が残されていませんでした。

そのため、

・現在の建物所有者が誰なのか

・賃貸借契約が現在も有効に継続しているのか

・申請会社が営業所を適法に使用していることをどのように証明するのか

という点を整理する必要がありました。

まず建物の登記事項証明書を取得し、現在の所有者を確認しました。

そのうえで現オーナーへ事情を説明し、賃貸借契約が継続していることについて理由書の作成を依頼しました。

建設業許可申請では、営業所として使用している事実だけでなく、その使用権限を客観的な資料によって説明できることが重要です。

今回は賃貸借契約書だけでは説明が不十分だったため、建物登記事項証明書やオーナーからの理由書などを追加資料として準備し、営業所要件を証明することとしました。

また、営業所要件は新規許可申請時だけでなく、5年後の更新申請でも改めて確認されます。

そのため、お客様には賃貸借契約書や更新契約書を継続して保管すること、自動更新条項の有無についても確認しておくことをご案内しました。

次に、当事務所が行った対応と実務経験証明資料の整理についてご紹介します。

当事務所の対応

営業所要件の整理と並行して、建設業許可申請に必要となる実務経験証明資料の確認を進めました。

今回のお客様は個人事業主時代から長年にわたり防水工事業を営んでおり、実務経験そのものは十分に有していました。

しかし、建設業許可申請では経験があることと、その経験を証明できることは別の問題です。

そのため、個人事業主時代から法人設立後までの資料を確認しながら、防水工事業としての実務経験を証明できる工事実績を整理していきました。

実務経験証明では、請求書や通帳を中心に資料を確認しました。

今回の案件では約5年2か月分の資料を精査し、防水工事業として説明可能な工事実績を抽出しました。

ただし、一件ごとの請負金額が比較的小規模な工事も多く、請求書一枚だけでは工事内容や継続性を十分に説明できないケースもありました。

そのため、同一月内の複数案件を整理しながら工事内容を確認し、通帳の入金記録とも照合することで、継続的に防水工事業へ従事していたことを説明できるよう資料を整理しました。

また、建設業許可申請の準備を進める中で、代表取締役の重任登記が行われていないことも判明しました。

建設業許可申請では最新の登記事項証明書を提出する必要があるため、まずは司法書士へ依頼して重任登記を行っていただき、その後に許可申請手続きを進めました。

建設業許可申請では、許可要件だけでなく会社の登記事項についても確認が必要になることがあります。

今回のように許可申請の準備を進める中で別の手続きが必要になるケースもあるため、早めに必要資料を確認することが重要です。

営業所要件、実務経験証明、登記事項の整理が完了した後、東京都へ建設業許可申請を行いました。

次に、申請後の結果についてご紹介します。

申請結果

令和7年8月にお問い合わせをいただき、その後、必要資料の収集や要件確認を進めました。

営業所要件に関する追加資料の準備や重任登記の手続きなどもありましたが、事前に論点を整理しながら準備を進めたことで、大きな補正を求められることなく申請を進めることができました。

令和7年11月に東京都へ建設業許可申請を行い、同年12月に一般建設業許可(防水工事業)を取得することができました。

今回の案件では、防水工事業に関する実務経験そのものよりも、

・営業所の使用権限をどのように証明するか

・オーナーチェンジ後の契約関係をどのように整理するか

・重任登記懈怠をどのタイミングで解消するか

といった周辺事項の整理が重要なポイントとなりました。

建設業許可申請では、常勤役員等や営業所技術者といった許可要件に注目されがちですが、営業所要件や会社の登記事項についても確認が必要です。

今回のように一つひとつの課題を整理しながら準備を進めることで、スムーズに建設業許可を取得することができました。

許可取得後は、事業年度終了後4か月以内に提出する決算変更届をはじめ、役員変更や営業所変更など各種変更届出についても継続してサポートさせていただくこととなりました。

次に、同じようなケースで建設業許可を取得する際の注意点についてご紹介します。

まとめ

今回のように、登記上の本店所在地と実際の営業所所在地が異なるケースは決して珍しくありません。

しかし、建設業許可申請では実際に建設業を営む営業所について使用権限を証明する必要があるため、賃貸借契約書などの資料を事前に確認しておくことが重要です。

特に賃貸物件を営業所として使用している場合は、

・賃貸借契約書が保管されているか

・契約名義が申請会社になっているか

・契約期間が有効であるか

・更新契約書が必要になっていないか

といった点を確認しておく必要があります。

また、建物所有者が変更されている場合には、オーナーチェンジに関する通知書や建物登記事項証明書などの追加資料が必要になることもあります。

営業所要件は新規許可申請時だけでなく、5年ごとの更新申請でも改めて確認されます。

そのため、賃貸借契約書や更新契約書は許可取得後も継続して保管しておくことをおすすめします。

なお、賃貸借契約書に自動更新条項が定められている場合は、更新契約書が作成されていなくても契約が継続していることを説明できるケースがあります。

一方で、自動更新条項がない場合は更新契約書等が必要になることもあるため注意が必要です。

また、今回の案件では建設業許可申請の準備を進める中で重任登記懈怠も判明しました。

建設業許可申請では履歴事項全部証明書の内容も確認されるため、長期間登記内容を確認していない会社は、事前に役員の任期や登記状況を確認しておくとスムーズです。

建設業許可申請では、常勤役員等や営業所技術者などの許可要件だけでなく、営業所の使用権限や会社の登記事項など周辺事項の確認も重要になります。

許可取得を検討している場合は、できるだけ早い段階で必要書類の有無を確認し、課題を整理しておくことをおすすめします。

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