公共工事の入札に参加している建設会社であれば、「P点」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
P点は、経営事項審査(経審)の結果として算出される総合評定値であり、多くの発注機関において入札参加資格の格付けやランク分けの基準として利用されています。そのため、同じ建設業許可業者であっても、P点の違いによって参加できる入札案件や受注機会に差が生じることがあります。
しかし、「P点は何を評価しているのか」「どのように計算されるのか」「どの項目を改善すれば点数が上がるのか」まで正確に理解している方はそれほど多くありません。実際には、完成工事高だけではなく、利益率や技術者の保有状況、社会保険の加入状況など、さまざまな要素がP点に影響しています。
また、経審の結果通知書を受け取っても、P点だけを見て終わってしまい、自社の強みや改善点を十分に把握できていないケースも少なくありません。P点の仕組みを理解することは、単に経審を受けるためだけではなく、今後どのように評価を高めていくかを考えるうえでも重要です。
この記事では、経営事項審査におけるP点の仕組みや評価項目、点数を上げるための考え方について、実務の視点からわかりやすく解説します。
P点の仕組みや経営事項審査(経審)の全体像について詳しく知りたい方は、「経営事項審査(経審)とは?P点の仕組みや評価項目を解説」もあわせてご覧ください。
目次
第1章 P点とは何か
P点とは、経営事項審査(経審)の結果として算出される「総合評定値」のことです。建設業者の経営規模や経営状況、技術力、社会性などを総合的に評価し、一つの数値として表したものがP点です。
公共工事の入札では、このP点が重要な判断材料となります。国や地方公共団体などの発注機関は、経審の結果をもとに入札参加資格の格付けやランク分けを行うため、P点が高いほど参加できる案件の幅が広がる傾向があります。
そのため、公共工事を継続的に受注している建設会社にとって、P点は単なる評価点数ではなく、受注機会に直接影響する重要な経営指標といえます。
P点は、経営事項審査の結果通知書に記載されています。結果通知書には、総合評定値であるP点のほか、完成工事高(X1)、利益率等(X2)、経営状況(Y)、技術力(Z)、社会性等(W)といった各評価項目の点数も表示されます。
例えば、P点が700点の会社であっても、その内訳を見ると、
・完成工事高は高いが技術者評価が低い
・技術者評価は高いが社会性の点数が低い
・経営状況分析の評価が伸びていない
など、会社ごとに特徴が異なります。
そのため、P点を見る際には総合評定値だけを見るのではなく、各評価項目の内訳を確認することが重要です。
また、P点は単純に売上高だけで決まるものではありません。
建設会社の中には、
「売上を増やせばP点も上がる」
と考えている方もいますが、実際には技術者の保有状況や社会保険の加入状況、建設キャリアアップシステム(CCUS)への取組みなども評価対象となります。
そのため、完成工事高が同程度の会社であっても、技術者の人数や保有資格、社会性等の取組状況によってP点に差が生じることがあります。
経審は企業の総合力を評価する制度であり、P点はその結果を数値化したものです。まずはP点がどのような意味を持つ数値なのかを理解し、自社の経審結果通知書を確認することが、評価向上への第一歩となります。
第2章 P点はどのように計算されるのか
P点は、経営事項審査(経審)において算出される総合評定値ですが、単純に一つの数値を評価して決まるものではありません。
建設会社の経営規模や収益性、技術力、社会性などを総合的に評価するため、複数の評価項目を組み合わせて算出されています。
具体的には、
・完成工事高(X1)
・利益率等(X2)
・経営状況(Y)
・技術力(Z)
・社会性等(W)
の5つの評価項目を基礎としてP点が計算されます。
そのため、同じP点700点の会社であっても、評価項目の内訳は大きく異なることがあります。
例えば、
A社は完成工事高が高くX1が優れている一方で、技術者評価や社会性等の評価が低いケースがあります。
一方、B社は完成工事高はそれほど大きくないものの、有資格者が多く、建設キャリアアップシステム(CCUS)や建設業退職金共済制度(建退共)への取組みが評価され、Z点やW点が高いケースもあります。
このように、P点は企業の総合力を数値化したものであり、売上規模だけで決まるものではありません。
また、各評価項目はP点への影響度が同じではありません。
評価項目ごとに定められた計算方法によって最終的なP点へ反映されるため、同じ10点の上昇であってもP点への影響が異なる場合があります。
そのため、P点を効率的に上げるためには、単に売上を伸ばすだけではなく、自社のどの評価項目が弱いのかを把握することが重要です。
実際の経審結果通知書を見ると、P点だけでなくX1・X2・Y・Z・Wの各点数も記載されています。
まずは自社の各評価項目を確認し、
・完成工事高に強みがあるのか
・利益率に課題があるのか
・技術者評価が不足しているのか
・社会性等の加点が十分に取れているのか
を分析することが、P点向上への第一歩となります。
経審対策というと「売上を増やすこと」と考えられがちですが、実際には技術者の育成や社会性等の整備によって改善できる項目も少なくありません。
そのため、P点を正しく理解するためには、まずX1・X2・Y・Z・Wという5つの評価項目の役割を把握することが重要です。次章では、それぞれの評価項目について詳しく解説します。
第3章 X1・X2・Y・Z・Wの役割
P点は、完成工事高(X1)、利益率等(X2)、経営状況(Y)、技術力(Z)、社会性等(W)の5つの評価項目によって構成されています。
これらはそれぞれ異なる観点から建設会社を評価しており、どれか一つだけが優れていても高いP点につながるとは限りません。
経審では、企業の規模だけでなく、経営の健全性や技術力、法令遵守体制なども含めた総合的な評価が行われています。
3-1 完成工事高(X1)
完成工事高(X1)は、建設会社の施工規模を評価する項目です。
直前の完成工事高や過去の平均完成工事高などを基に算出され、一般的には売上規模が大きいほど高い評価となります。
経審の評価項目の中でも影響が大きく、公共工事を積極的に受注している会社では重要な指標となります。
一方で、売上高は短期間で大きく増やすことが難しいため、他の評価項目と比較すると改善に時間がかかる傾向があります。
3-2 利益率等(X2)
利益率等(X2)は、企業の収益性を評価する項目です。
売上高だけではなく、その売上からどれだけ利益を確保できているかが評価されます。
完成工事高が高くても利益率が低い場合には評価が伸びにくく、反対に安定した利益を確保している会社は高く評価される傾向があります。
経審では、単に規模が大きいだけではなく、健全な経営を行っているかどうかも重要視されています。
3-3 経営状況(Y)
経営状況(Y)は、登録経営状況分析機関による経営状況分析の結果を数値化したものです。
自己資本比率や負債の状況、収益性など複数の財務指標を基に算出されます。
企業の財務体質を評価する項目であり、安定した経営基盤を持つ会社ほど高い評価を受けやすくなります。
一方で、Y点は決算内容に大きく左右されるため、短期間で大幅な改善を図ることは容易ではありません。
日頃から適切な財務管理を行うことが重要になります。
3-4 技術力(Z)
技術力(Z)は、企業が保有する技術者や元請完成工事高などを評価する項目です。
1級施工管理技士や監理技術者資格者証を保有する技術者が多いほど評価は高くなります。
また、元請として施工した工事実績も評価対象となります。
経審においては、技術者の配置状況が点数へ大きく影響するため、資格取得支援や技術者育成は重要な経営課題といえます。
実際の経審コンサルティングでも、P点向上策として技術者資格の取得計画を検討するケースは少なくありません。
3-5 社会性等(W)
社会性等(W)は、法令遵守や労働環境整備への取組みを評価する項目です。
具体的には、
・建設キャリアアップシステム(CCUS)
・建設業退職金共済制度(建退共)
・CPD、CPDS
・防災協定
・ISO認証
・社会保険加入状況
などが評価対象となります。
W点の特徴は、比較的計画的に改善しやすいことです。
完成工事高や利益率を短期間で大きく変えることは難しい一方で、社会性等の項目は制度への加入や体制整備によって加点を積み上げられる可能性があります。
そのため、近年ではW点向上を重点施策として取り組む建設会社も増えています。
P点はこれら5つの評価項目によって構成されています。まずは自社の経審結果通知書を確認し、どの項目が強みでどの項目に改善の余地があるのかを把握することが、効果的な経審対策の第一歩となります。
第4章 P点が高いと何が有利になるのか
経営事項審査(経審)を受けている建設会社の経営者から、
「P点が高いと何が変わるのですか」
という質問を受けることがあります。
確かに、経審を受けた結果としてP点が通知されても、その数値が実際の受注にどのような影響を与えるのか分かりにくいかもしれません。
しかし、公共工事に取り組む建設会社にとって、P点は受注機会を左右する非常に重要な指標です。
単なる評価点数ではなく、参加できる入札案件や会社の信用力にも影響するため、P点の意味を正しく理解しておくことが重要です。
4-1 入札参加資格の格付けに影響する
P点が最も大きな影響を与えるのは、入札参加資格の格付けです。
公共工事の発注機関では、経審の結果や企業の実績などを基に建設会社をランク分けしています。
東京都をはじめとする多くの自治体では、
・Aランク
・Bランク
・Cランク
・Dランク
などの格付け制度を採用しています。
格付けの基準は発注機関ごとに異なりますが、P点はその判断材料の一つとして利用されています。
そのため、P点が高い会社ほど上位ランクに格付けされやすくなります。
4-2 参加できる入札案件が増える
公共工事では、すべての建設会社がすべての案件へ参加できるわけではありません。
工事規模や予定価格に応じて、参加できる等級やランクが定められていることがあります。
例えば、
・小規模工事はCランク以上
・中規模工事はBランク以上
・大規模工事はAランク
といった形で入札参加資格が設定されることがあります。
そのため、P点が向上し格付けが上がれば、これまで参加できなかった案件へ参加できる可能性が広がります。
結果として受注機会そのものが増えることになります。
4-3 受注できる工事規模が変わる
P点の向上は、単に参加できる案件数が増えるだけではありません。
より規模の大きな工事へ挑戦できる可能性も高まります。
公共工事では、工事金額が大きくなるほど参加資格の基準も厳しくなる傾向があります。
そのため、現在は小規模工事を中心に受注している会社であっても、P点を向上させることで、より大きな工事へ参加できる環境を整えることができます。
将来的な事業拡大を考えるうえでも、P点の向上は重要な意味を持っています。
4-4 元請企業から評価される場合もある
経審は本来、公共工事の入札参加資格を判断するための制度です。
しかし近年では、民間工事においても経審結果を参考資料として提出を求められるケースがあります。
特に大手ゼネコンやインフラ関連企業では、
・経審を受けているか
・P点はどの程度か
・技術者は十分に確保されているか
などを協力会社選定の参考にすることがあります。
そのため、P点は公共工事だけではなく、企業としての信用力を示す指標として活用される場面もあります。
4-5 P点は会社の通信簿ではない
一方で、P点が高い会社が必ずしも優れた会社であり、P点が低い会社が劣っているというわけではありません。
経審はあくまでも一定の基準に基づいて評価した結果です。
例えば、
・公共工事を中心に受注している会社
・民間工事を中心に受注している会社
では経営方針が異なります。
また、技術者育成に力を入れている会社もあれば、専門工事に特化して利益率を重視している会社もあります。
そのため、P点そのものを目的にするのではなく、自社の事業方針に合わせて必要な点数を確保することが重要です。
4-6 重要なのは自社の改善ポイントを把握すること
経審結果通知書を受け取った際に、本当に確認すべきなのはP点の数字だけではありません。
重要なのは、
・なぜ現在の点数になっているのか
・どの評価項目が強みなのか
・どの評価項目に改善余地があるのか
を把握することです。
例えば、
完成工事高は十分あるが技術者評価が低い会社もあります。
反対に、技術者評価は高いものの社会性等の加点を十分に活用できていない会社もあります。
P点は単なる結果ではなく、会社の現状を分析するための指標でもあります。
そのため、経審対策ではP点の数字だけを見るのではなく、各評価項目を分析し、自社に合った改善策を検討することが重要です。
第5章 P点を上げるための考え方
経営事項審査(経審)の結果通知書を受け取った際、多くの建設会社が最も気にするのは「どうすればP点を上げられるのか」という点ではないでしょうか。
しかし、経審対策において重要なのは、やみくもに点数を上げようとすることではありません。
まずは自社の経審結果を分析し、どの評価項目に改善余地があるのかを把握することが重要です。
同じP点700点の会社であっても、
・完成工事高が強みの会社
・技術者評価が強みの会社
・社会性等の評価が高い会社
など、それぞれ状況が異なります。
そのため、効果的な経審対策を行うためには、自社の強みと弱みを正しく把握する必要があります。
5-1 まずは経審結果通知書を分析する
P点向上を考える際に最初に行うべきことは、経審結果通知書の分析です。
総合評定値(P点)だけを見るのではなく、
・X1(完成工事高)
・X2(利益率等)
・Y(経営状況)
・Z(技術力)
・W(社会性等)
の各評価項目を確認します。
例えば、
完成工事高は高いものの技術者評価が低い会社もあります。
反対に、技術者評価は高いものの社会性等の加点を十分に活用できていない会社もあります。
改善策は会社ごとに異なるため、まずは現状分析が必要です。
5-2 完成工事高(X1)は短期間で改善しにくい
完成工事高(X1)は経審の中でも重要な評価項目ですが、短期間で大幅に改善することは容易ではありません。
完成工事高を増やすためには、
・受注件数を増やす
・工事規模を拡大する
・元請工事を増やす
といった経営上の取組みが必要になります。
そのため、X1は中長期的な経営戦略の中で改善していく項目と考えるべきです。
経審対策だけを目的として短期間で売上を増やそうとしても、現実的には限界があります。
5-3 経営状況(Y)と利益率等(X2)は財務体質の改善が重要
Y点やX2は企業の財務内容に大きく影響されます。
利益率の改善や自己資本の充実は評価向上につながりますが、こちらも短期間で大きく改善することは難しい項目です。
そのため、
・利益を適切に確保する
・無理な借入を避ける
・財務体質を改善する
といった継続的な経営努力が必要になります。
経審は決算書を基に評価が行われるため、日頃の経営管理が重要になります。
5-4 技術力(Z)は比較的改善しやすい項目
P点向上策として多くの建設会社が取り組んでいるのが技術力(Z)の強化です。
技術力評価では、
・1級施工管理技士
・2級施工管理技士
・技術士
・建築士
などの有資格者が評価対象となります。
そのため、社員の資格取得を支援することで評価向上につながる可能性があります。
また、技術者が退職すると評価が下がることもあるため、技術者の確保や育成は継続的な課題となります。
経審コンサルティングの現場でも、資格取得計画を立てながら数年単位で点数向上を目指すケースは少なくありません。
5-5 社会性等(W)は取り組みやすい改善項目
経審対策において、比較的取り組みやすいのが社会性等(W)の改善です。
具体的には、
・建設キャリアアップシステム(CCUS)
・建設業退職金共済制度(建退共)
・CPD、CPDS
・防災協定
・ISO認証
などが評価対象となります。
これらは売上規模や利益率とは異なり、制度への加入や体制整備によって加点を得られる場合があります。
そのため、経審結果を分析した結果、W点に改善余地がある場合には優先的に検討する価値があります。
5-6 重要なのは自社に合った改善策を選ぶこと
経審対策に万能な方法はありません。
完成工事高の拡大が有効な会社もあれば、資格者の育成や社会性等の整備が有効な会社もあります。
重要なのは、自社の経審結果を分析し、限られた経営資源をどこへ投入するかを判断することです。
P点は単なる点数ではなく、会社の強みや課題を数値として表したものです。
そのため、経審対策では「何点上げるか」だけではなく、「どの項目を改善するか」という視点を持つことが重要です。
適切な分析と継続的な取組みによって、P点の向上だけでなく、会社全体の競争力強化にもつなげることができます。
第6章 P点に関するよくある誤解
経営事項審査(経審)の相談を受けていると、P点について誤解されているケースが少なくありません。
P点は公共工事の受注に大きく影響する重要な指標ですが、その仕組みを正しく理解していないと、効果的な経審対策を行うことが難しくなります。
ここでは、実務上よくある誤解について解説します。
6-1 P点が高ければ必ず公共工事を受注できる
最も多い誤解の一つが、
「P点が高ければ必ず公共工事を受注できる」
というものです。
確かにP点は入札参加資格の格付けに影響する重要な要素ですが、受注を保証するものではありません。
実際の入札では、
・格付け
・工事実績
・地域要件
・施工体制
・価格競争
など、さまざまな要素が関係します。
そのため、P点が高い会社であっても必ず落札できるわけではなく、反対にP点がそれほど高くなくても受注できるケースはあります。
P点はあくまでも入札参加資格を判断するための指標の一つであることを理解しておく必要があります。
6-2 売上を増やせばP点は大きく上がる
P点は完成工事高(X1)の影響を受けるため、
「売上を増やせばP点も上がる」
と考える方もいます。
しかし、P点は完成工事高だけで決まるものではありません。
利益率等(X2)
経営状況(Y)
技術力(Z)
社会性等(W)
も評価対象となります。
例えば、完成工事高が増えても技術者が不足している場合や社会性等の加点を十分に活用できていない場合には、期待したほどP点が伸びないことがあります。
そのため、経審対策では売上規模だけではなく、各評価項目を総合的に分析することが重要です。
6-3 1級施工管理技士がいれば安心である
技術力(Z)の評価では、1級施工管理技士などの資格者が高く評価されます。
そのため、
「1級施工管理技士がいれば経審対策は十分」
と考える方もいます。
しかし、経審では資格者の有無だけではなく、技術者数や元請完成工事高なども評価対象になります。
また、技術者が退職すると評価が大きく変動することもあります。
そのため、特定の技術者一人に依存するのではなく、継続的な資格取得や人材育成を進めることが重要です。
6-4 W点はおまけ程度の評価である
以前は、
「社会性等(W)はおまけのような項目」
と考えられることもありました。
しかし現在では、
・建設キャリアアップシステム(CCUS)
・建設業退職金共済制度(建退共)
・CPD、CPDS
・防災協定
・ISO認証
など、W点に関係する評価項目が増えています。
完成工事高や利益率を短期間で大きく改善することは難しい一方で、W点は比較的取り組みやすい項目も多くあります。
そのため、経審結果によってはW点の改善がP点向上への近道となるケースもあります。
6-5 P点だけ見れば会社の評価が分かる
経審結果通知書を受け取ると、どうしてもP点だけに目が向きがちです。
しかし、本当に重要なのはP点の数字そのものではなく、その内訳です。
例えば、
P点700点の会社同士であっても、
・完成工事高が強みの会社
・技術力が強みの会社
・社会性等が強みの会社
では内容が大きく異なります。
経審対策を考える際には、P点だけを見るのではなく、X1・X2・Y・Z・Wの各評価項目を分析することが重要です。
6-6 経審は毎年受けなくてもよい
公共工事を継続して受注する場合、
「一度経審を受ければしばらく大丈夫」
と考えている方もいます。
しかし、経審の結果は毎年の決算内容を基に評価されるため、継続的に受審することが一般的です。
また、入札参加資格の維持や更新のためには、継続して経審結果を提出する必要があります。
技術者の増減や完成工事高の変化によって評価も変動するため、毎年の経審結果を確認しながら中長期的な改善計画を立てることが重要です。
P点は単なる数字ではなく、会社の経営状況や技術力、社会性等を総合的に表した指標です。正しい仕組みを理解し、自社の状況を分析することで、より効果的な経審対策につなげることができます。
第7章 許可取得後の管理
経営事項審査(経審)は、一度受審して終わりではありません。
公共工事への参加を継続するためには、毎年の決算変更届の提出や経営状況分析、経営規模等評価申請などを適切に行う必要があります。
また、技術者の退職や資格取得、完成工事高の変動、社会性等の取組状況によってP点は毎年変化します。そのため、経審結果通知書を確認しながら継続的に管理していくことが重要です。
特に、建設業許可の更新や決算変更届、技術者管理などは経審にも影響する重要な手続きとなります。
許可取得後の管理体制について詳しく知りたい方は、
建設業許可取得後の管理について
もあわせてご覧ください。
まとめ
P点は、経営事項審査(経審)の結果として算出される総合評定値であり、公共工事の入札参加資格や格付けに大きく影響する重要な指標です。
P点は単に売上高だけで決まるものではなく、
・完成工事高(X1)
・利益率等(X2)
・経営状況(Y)
・技術力(Z)
・社会性等(W)
という5つの評価項目を総合的に評価して算出されます。
そのため、P点を向上させるためには、完成工事高を増やすだけではなく、技術者の育成や資格取得、建設キャリアアップシステム(CCUS)への取組み、社会保険の適正加入など、さまざまな視点から会社全体を改善していくことが重要です。
また、経審対策においては単純にP点の数字だけを見るのではなく、結果通知書に記載されている各評価項目の内容を分析し、自社の強みや課題を把握することが欠かせません。
経営事項審査は会社の現状を数値として可視化する制度でもあります。P点の仕組みを正しく理解し、自社に合った改善策を継続的に実施することで、公共工事の受注機会拡大や企業価値の向上につなげることができるでしょう。









