建設業許可の有効期限である5年間に、会社の取締役の就任や退任、営業所の移転、従業員の入社や異動といったことが発生した際には変更届を提出しなければなりません。
大臣許可の場合は、管轄である地方整備局(主たる営業所が東京都に在する建設業者は関東地方整備局)の建政部へ直接持参するか、郵送にて提出となります。
※都道府県経由事務の廃止にともない、令和2年4月1日から国土交通大臣許可業者の申請窓口が変わりました。
これら多岐に渡る変更事項については、決められた期限内に変更届を提出するのですが、社内の人事手続きばかりに気を取られて建設業許可の変更手続きを怠ったままとなるケースが多くあります。このままですと、肝心の建設業許可の更新申請を受け付けて貰うことができません。
当事務所で対応する案件でも、変更届が未提出のまま建設業許可の更新を間近に迎えてしまい困っているというケースがありました。
【建設業許可の変更】これまでの変更事項を同時に届出ます。
建設業許可業者の取締役の就任や退任があった際には、就退任日から30日以内に変更届を提出しますが、取締役の1名が死亡により退任し、新たに2名の取締役が就任しましたが、その退任と就任が昨年でした。届け出期間が過ぎていたため顛末書を作成し添付しました。
取締役の退任と新たな取締役の就任の変更届の必要書類
取締役が退任した場合、または就任した場合に必要となる書類は次の通りです。
退任取締役 | 就任取締役 | |
①22号の2 変更届出書(第一面) | 〇 | 〇 |
②6号 誓約書 | 〇 | |
③12号 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書 | 〇 | |
④登記されていないことの証明書 | 〇 | |
⑤市町村の長の証明書(身分証明書) | 〇 | |
⑥履歴事項全部証明書 | 〇 | 〇 |
- 身分証明書は、外国籍の方は省略可能です。ただし、その場合は、「登記されていないことの証明書」の「本籍」欄に国籍を記載した証明書を添付します。
- 総株主の議決権の100分の5以上を有する株主等に変更があった場合には、変更を覚知してから30日以内に提出します。
- ④⑤については、既存の令3条使用人が役員に就任する場合も提出が必要です。
従たる営業所の移転と名称変更、同営業所の令3使用人と専任技術者の変更届の必要書類
従たる営業所が移転したと同時に営業所の名称も変わり、更に就任する令3使用人と専任技術者も他の営業所から異動とのことでした。
一つの従たる営業所の変更手続きとしては盛りだくさんの内容です。
まず、従たる営業所が同一市内の近所に移転して名称を変更しているので、大臣許可の場合、変更届出書の第二面 区分4(旧営業所の廃止)及び第二面 区分3(新営業所の
追加)としての取扱となりますので、変更届出書(第二面)は計2枚が必要となります。因みに、旧営業所については旧名称のみを記載し、旧住所は記載しません。
令3使用人が専任技術者を兼任しますが、他の営業所からの異動となり、その前の営業所には新任の技術者が着任となりました。
①22号の2 変更届出書(第一面・第二面)
※従たる営業所の名称変更の場合、変更届第二面 区分4(旧営業所の廃止)及び第二面 区分3(新営業所の追加)の計2枚必要です。
②登記事項証明書(記載事項に変更がある場合)
③営業所の写真(営業所の形態を確認できるもので、建物の外観、入口付近及び営業所の内部および建設業許可標識を写したもの)
④6号 誓約書
⑤13号 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
⑥登記されていないことの証明書(新任の令3使用人)
⑦市町村の長の証明書(身分証明書)(新任の令3使用人)
⑧8号 専任技術者証明書(新規・変更)
⑨技術者の要件を証する書面(資格証等)のコピー
⑩新任の専任技術者の健康保険証(両面の写し)
ここまでが一連の変更届に必要な書類となります。
建設業許可 大臣許可の更新申請の同時に提出
ここからがメインとなる建設業許可の更新申請です。大臣許可の場合で変更届と同時に提出する場合に気になるのが、身分証明書や登記されていないことの証明書の取得通数です。
本来であれば、変更届出書にも更新申請書にも正本には原本を添付します。しかし、同時に提出する場合には、更新申請書に原本を、変更届出書にはコピーを添付することが可能です。
また、令和2年4月1日から都道府県経由事務の廃止とともに、提出する必要な書類にも大きな変更がありました。
必要書類に変更点
変更箇所 | 変更前 | 変更後 |
国家資格者・監理技術者一覧表 | 不要 | |
常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の確認資料 |
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専任技術者の確認資料 |
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令3使用人の確認資料 |
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不要 |
営業所に関する資料 |
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営業所の写真
(更新申請の際は不要) |
関東地方整備局へ郵送で書類を送付
各種の申請書類や証明書等を揃えて、更新手数料となる5万円の収入印紙も台紙に貼り付けます。そして、レターパックプラスにて発送です。その際に副本の返却用に返信用封筒も同封します。
関東地方整備局のあるさいたま新都心まで行くことなく郵送で書類を受け取ってくれるのは業務効率もアップします。
建設業許可の更新申請について詳しく記載していますので、こちらも御覧ください。