東京都世田谷区にて個人事業主として5年以上の建設業を営まれており、事業主様自身も1級建築施工管理技士の資格を保有されている方からのお問合せでした。
建設業許可申請の先立って、個人事業主から法人成りもしたいとのことでしたので会社設立からサポートをさせていただきました。
建設会社の設立
建設会社を設立する場合、合同会社でも株式会社でも建設業許可申請には影響ありません。株式会社と合同会社の組織構成や運営方法、そして、設立にかかるコストについてご説明していき株式会社設立で手続きを進めていくことになりました。
建設業許可申請そして取得を目指して新規に会社設立する場合に注意すべき点は次の通りです。
事業の目的
会社設立する際の定款に記載する事業の目的には、建設業を営むことが分かる文言が必要となります。
今回の会社様は内装仕上げ工事がメインであったとこと。そして将来的に他業種の追加も視野に入れていましたので、以下の内容を盛り込みました。
- 建築工事の設計、施工及び請負
- 内装仕上げ工事の設計、施工及び請負
資本金の額
一般建設業許可申請で求められる財産的基礎は500万円です。
新規設立の場合における財産的基礎は資本金の額にて証明するので1000万円に設定しました。
取締役
社長のみの1人会社にて設立となりました。
社長が常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)と専任の技術者を兼任します。
本店所在地
当初の打ち合わせでは、賃借している1ルームの社長自宅を建設業の営業所としたいとのことでしたが、営業所の要件を満たせないと判断しました。
自宅件営業所とする場合は、生活スペースと業務スペースを区分けする必要がありますが、1ルームではそれができません。
社長には会社設立後に会社名義で営業所を賃借していただくようになります。この営業所賃貸借契約書のコピーも建設業許可申請で添付します。
※登記上の本店所在地と主たる営業所が同一住所の場合は賃貸借契約書の添付は不要となります。
一般建設業許可申請(内装仕上げ工事)の手続き
会社設立の手続きと同時進行で建設業許可申請の書類作成と収集をしていきました。
まず、取締役の本籍地記載の住民票をもとに身分証明書と登記されていないことの証明書を代理取得します。本籍地が遠方の場合は交付申請は郵送でやり取りしますので、時間がかかる時があるので最初に行ってしまいます。
常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の実務経験を証明
個人事業主時代の内装仕上げ工事をしたいた期間として5年以上を証明していきます。添付書類には、施主や元請け業者からの発注書原本、もしくは請求書の写しと入金確認できる預金通帳原本です。さらに個人事業主としての確定申告書原本も必要となります。
会社設立後すぐに健康保険及び厚生年金にも加入頂きましたので、社長自身の健康保険証コピーも用意できました。
専任の技術者について
社長自身が1級建築施工管理技士の資格を持っていたので要件は問題ありませんでした。
事務所の要件
会社名義で自宅近くに営業所を借りていただきました。1ルームですが、デスク、複合機、固定電話機、商談スペースを揃えていただきました。営業所の外観および内部の写真は多めに添付します。
財産的基礎
一般建設業許可における財産的基礎は500万円です。
既存の会社が建設業許可を新規申請する際には、自己資本が500万円以上もしくは500万円以上の資金調達能力があることを証明します。
自己資本とは財務諸表における純資産合計です。資金調達能力は残高証明書にて証明していきます。
今回は新規設立したばかりで決算期が未到来ですので開始貸借対照表を作成しました。
法人事業税の納税証明書についても決算期が未到来ですので、都税事務所に提出した法人設立届のコピーを用意しました。
会社設立から建設業許可申請まで一気に受任できると、手続きがスムーズに進みます。都庁での窓口審査も問題なく終わり受理されました。
建設業許可取得後に業種追加
常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)としての実務経験を5年6ヶ月としていたので、許可取得後から5ヶ月後に業種の追加をしました。
1級建築施工管理技士という資格があれば、内装仕上工事のほかに次の工事業の許可を受けることが出来ます。
- 建築工事業
- 大工工事業
- とび土工工事業
- タイル・れんが・ブロック工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 左官工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 熱絶縁工事業
- 建具工事業
全部で16種です。
今回は全ての業種について追加しました。