建設業許可を取得する為の6つの要件

毎日のように建設業許可取得に関するご相談を頂いていおります。その際には、お客様の状況を伺いつつ建設業許可を取得するための超えなくてはならない6個の要件(条件)についてもお伝えしています。

この建設業許可を取得するための6個の要件(条件)を聞いたお客様は

「そんなに?!もっと簡単に建設業許可は取れるのかと思っていた。」

という反応をされます。

都庁内の東京都都市整備局市街地建築部建設業課が発行している「建設業許可申請変更の手引き」にも、この建設業許可を取得するための6個の要件(条件)や基準がツラツラと書かれています。しかしこの手引きを読み込んでも「なんの事だかさっぱりわからない」となるんじゃないでしょうか?

また、この手引き通りに要件をすんなりと揃えられる会社様も少ないのが現実です。ご自身で建設業許可について調べてみたけど、ネットや手引きをみたら要件(条件)が足りないと判断してしまい許可取得を諦めてしまうケースも多いでしょう。

私の事務所にいただくご相談でも「都庁や行政書士に相談したけど、許可は取得できないって言われました」「うちの会社は建設業許可取れるのか判断もつきません。」というお客様がほとんんど。

しかし、お電話でお話を伺ったり面談をするなかで、建設業許可取得への突破口を見出せることもあります。

「手引きにも載っていないけど、実はこんな証明の方法もありますよ!」

「実はこの条件さえ満たせれば建設業許可申請できるだけの要件が揃います。」

といったように、一緒に要件(条件)を積み重ねる作業をしていくのが建設業許可専門の行政書士のお仕事です。

 

ここでは、わかりにくい建設業許可を取得するための6個の要件(条件)や基準についてできるだけわかりやすく説明してきます。

 

常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)が常勤でいること

建設業法では、各事業者に対し建設業における「経営業務の管理を適切に行う」ことを求めています。これは建設業が取り扱う案件の請負金額が多額であり、個々の工事案件の条件も異なることから、複雑な建設業の経営業務をしっかり管理できる体制を構築することが必要であると考えられているためです。

常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)とは、法人の場合は常勤の役員、個人の場合は事業主や支配人を指しており、経営業務を総合的に管理・執行した経験を持つ者をいいます。建設業に関わる経営や管理を総合的に行える能力のある方を、常勤として主たる営業所つまり本店や本社に設置しなければなりません。

「常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)としての経験」が5年以上

常勤役員等のうちの一人が、建設業の「常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)」としての経験が満5年以上ある。

 

「常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)に準ずる地位としての経験」が5年以上

事業者の常勤役員等のうちの一人が、建設業の経営業務の執行に関して具体的な委任を受けて常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)に準ずる地位において、5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験がある。

 

「常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)を6年以上補助してきた経験」が6年以上

事業者の常勤役員等のうちの一人が、建設業の常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)に準ずる地位にあって、常勤の役員等(旧経営業務の管理責任者)の経営業務を6年以上補助してきた経験がある。

 

常勤役員等に加え、常勤役員等を直接補佐する者がいる

事業者の常勤役員等のうちの一人が次のいずれかの経験を有すること

  • 建設業に関する経験のみの場合

建設業に関して役員等の経験が2年以上あり、5年以上の役員等又は役員等に次ぐ職位(財務管理・労務管理・業務運営に限る)にある者としての経験がある。

  • 建設業に関する経験と建設業以外での経験を合わせる場合

5年以上の役員等としての経験がり、かつ、建設業に関し役員等の経験が2年以上ある。

常勤役員等を直接に補佐する者(3部門)

財務管理、労務管理、業務運営の3部門について、常勤役員等を直接に補佐する者がいる

  • 財務管理の経験を有し、常勤役員等を直接に補佐する者

申請事業者において5年以上の財務管理業務の経験

  • 労務管理の経験を有し、常勤役員等を直接に補佐する者

申請事業者において5年以上の労務管理業務の経験

  • 業務運営の経験を有し、常勤役員等を直接に補佐する者

申請事業者において5年以上の建設業業務運営の経験

 

専任技術者が常勤でいること

専任技術者は、建設業許可の種類や建設業の業種に応じて一定の資格や経験を有する者をいい、許可を受けようとする営業所ごとに専任として「常勤で」配置しなければなりません。

専任技術者に求められる資格や経験は、一般建設業か特定建設業といった許可の種類や、建設業の業種(内装仕上工事や管工事等)に応じて異なります。

建設業許可の種類である一般建設業と特定建設業に区分けして各専任技術者の要件を確認しましょう。

 

一般建設業における専任技術者の要件

以下の3つのうち、どれかをクリアしている人が必要です。

① 資格を持っている
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者

② 実務経験が10年以上ある
許可を受けようとする建設業種について10年以上の実務経験を有する者

※電気工事と消防設備工事における専任技術者は、実務経験のみでは認められていません。

③ 学歴+実務経験
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた学歴(卒業した学部)を有し、3年以上もしくは5年以上の実務経験を有する者

 

特定建設業における専任技術者の要件

特定建設業については、より高度な資格や経験が必要となり、要件がかなり厳しくなっています。

以下の2つのうち、どれかをクリアしている人が必要です。

① 資格をもっている
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者

② 一般建設業の要件クリア+指導監督的経験をもっている
一般建設業の要件(①~③のどれか)をクリアし、かつ、許可を受けようとする建設業種において、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した経験を有する者

 

適正な社会保険へ加入していること

厚生年金や健康保険、従業員を雇用しているのであれば雇用保険というように、各社の実情に合わせた適正な社会保険への加入が義務付けられています。

 

請負契約に関して誠実性があること

請負契約の締結や履行について、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかである場合は、 建設業を営むことができません。
これは、許可の対象となる法人若しくは個人についてはもちろんのこと、重要な地位にある役員等についても同様に問われます。

 

請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用を有していること

建設工事を施行するには、資材購入及び労働者の確保、機械器具等の購入など、多くの資金が必要になります。また、営業活動を行うに当たってもある程度の資金を確保していることが必要です。このため、建設工事を請け負うことができるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件としています。

 

欠格要件に該当しないこと。暴力団の構成員でないこと

建設業許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合には、許可を得ることができません。
また、許可申請者やその役員若しくは令第3条に規定する使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合も許可を得られません。

  1. 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  2. 第29条第1項第五号又は第六号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しな い者
  3. 第29条第1項第五号又は第六号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による 通知があつから当該処分があつた日又は処分をしないことの決定があつた日までの間に第12条第四号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該 届出の日から5年を経過しないもの
  4. 前号に規定する期間内に第12条第四号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係 る法人の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
  5. 第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  6. 許可を受けようとする建設業について第29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
  7. 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
  8. この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の 防止等に関する法律の規定(同法第31条第7項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第 222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執 行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

 

 

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